YouTubeで「著作権の申し立て」や「著作権侵害の警告」が届くと、多くの人はまず動画が消える不安と、チャンネルごと消されるかもしれない恐怖の両方に襲われます。結論から言うと、まずやるべきは「Content IDの申し立て」なのか「著作権侵害の警告(削除ストライク)」なのかを見分けることです。この2つは異議申し立ての手順も、却下されたときのリスクも、審査期間もまったく別物だからです。混同したまま自己流で申請すると、フェアユースの主張を誤用して却下されたり、最悪の場合は法的な反訴リスクを抱えたまま虚偽の異議申し立てを送ってしまうことすらあります。
このガイドはYouTube公式ヘルプの手順を土台にしつつ、個人ブログや解説サイトがあまり踏み込まない「却下されない書き方の実践的なコツ」「Content IDと著作権侵害の警告の制度上の違い」「異議申し立て後の30日間に裏側で何が起きているか」を、公式情報の裏取りをした上で解説します。特にショート動画中心にチャンネルを運営している人向けに、2024年10月以降のShorts特有の扱いにも触れます。
多くの解説記事は「異議申し立てフォームの入力欄をどう埋めるか」で終わっていますが、実際にチャンネル運営者が困っているのは、フォームを埋めた後です。「本当にこの理由で通るのか」「却下されたらどうなるのか」「収益はいつ戻るのか」という、フォーム送信後の不確実性に対する不安のほうが大きいはずです。この記事はその不安に、できる限り具体的な数字と手順で答えることを目指します。
Content IDの申し立てと著作権侵害の警告の違いを最初に確認する
結論:Content IDの申し立ては「動画への処置」、著作権侵害の警告は「チャンネルへのペナルティ」です。この違いを理解しないまま対応すると、対応すべき優先順位を誤ります。
YouTubeの著作権関連の通知は大きく3種類あります。「Content IDの申し立て」「著作権侵害の警告(コピーライトストライク)」「コミュニティガイドラインの著作権に関する警告」です。このうち最も件数が多く、通常のチャンネル運営者が遭遇しやすいのが前者2つです。
| 項目 | Content IDの申し立て | 著作権侵害の警告(削除ストライク) |
|---|---|---|
| 発生条件 | 自動照合システムが著作権者の登録済み音源・映像と一致を検知 | 著作権者が正式な削除通知(DMCA相当)をYouTubeに送付 |
| 動画への影響 | ブロック/収益化/視聴数トラッキングのいずれか(著作権者の設定次第) | 動画は原則削除される |
| チャンネルへの影響 | 基本的になし(審査中の収益は保留) | 警告1回としてカウントされる |
| 累積した場合 | 何件あってもチャンネル停止には直結しない | 90日以内に3回で関連チャンネルすべてが停止 |
| 異議申し立ての窓口 | YouTube Studio内で申し立てに直接異議 | 著作権に関する異議申し立て通知(counter notification)を送信 |
| 審査期限 | 申立人(著作権者)に30日の回答期限 | 申立人に原則10営業日以内の対応期限 |
| 却下時の再手段 | 再審査請求が可能な場合がある | 申立人が提訴しない限り原則コンテンツは復元される |
つまり「収益化されていないだけ」ならContent IDの可能性が高く、「動画そのものが視聴不可・非公開になった」なら著作権侵害の警告の可能性が高いという見分け方ができます。YouTube Studioの「コンテンツ」タブで「制限」列を見れば、どちらが付いているかは一目で判別できます。
見分け方をもう一段具体的にすると、Content IDの申し立ては通知メールの件名や本文に「Content ID」「著作権所有者の設定」といった文言が入り、動画自体は視聴できる(ただし広告が著作権者側に付く、視聴数がカウントされない等の制限がある)ことが多いです。一方、著作権侵害の警告のメールは「動画を削除しました」「アカウントに警告が1件追加されました」という表現で、動画ページを開くと「著作権侵害の申し立てにより非公開になりました」という表示に変わります。メールの文面を読み違えて「Content IDだから大丈夫」と放置していたら実は削除ストライクだった、という誤認は初めてYouTube運営でこの通知を受け取った人に特に多いパターンなので、必ずYouTube Studioの実際のステータス表示で裏を取ってください。
異議申し立てを送る前に確認すべき3つのこと
結論:異議申し立ては「事実に基づく主張」でなければ通りません。感覚的な不満だけで送ると高確率で却下されます。
異議申し立てボタンを押す前に、以下の3点を自分の目で確認してください。
- 本当に自分に使用権があるか:フリー素材だと思っていたBGMや効果音が、実は「クレジット表記必須」「商用利用は別ライセンス」といった条件付きだったケースは非常に多いです。配布元の利用規約を再確認しましょう。フリー音源だと思っていた素材で著作権侵害の申し立てを受けた場合の対処は、原因ごとに個別記事で詳しく扱っています。
- フェアユース(公正利用)に該当する根拠が具体的にあるか:「批評」「パロディ」「教育目的」「ニュース報道」に該当すると主張するなら、それを裏付ける具体的な編集(コメンタリー、比較分析、教育的な解説ナレーションなど)が動画内に実在している必要があります。単に「短いから」「宣伝になるから」は該当しません。
- 著作権者の許諾を得ているか、その証拠を保存しているか:口頭やDM上のやり取りだけで許諾を得た場合、スクリーンショットなど客観的な証拠を今のうちに確保しておきましょう。異議申し立て通知の陳述文で「許諾を得ている」と書いても、証拠なしでは著作権者側が争ってきたときに不利になります。
この3点のどれにも当てはまらない場合、異議申し立てをしても却下される可能性が高いです。その場合は無理に争わず、動画を編集し直す、または該当箇所をカットして再アップロードするほうが早く解決します。
Content IDの申し立てに異議を申し立てる手順
結論:YouTube Studioから4ステップで完了しますが、理由の選択を間違えると一発で却下されるので慎重に選びます。
- YouTube Studioにログインし、左メニューの「コンテンツ」→「動画」タブを開く
- 「制限」列で対象動画の「著作権侵害の申し立て」または「Content IDの申し立て」にカーソルを合わせ、「詳細を表示」をクリック
- 「操作」から「異議申し立て」を選択し、該当する理由(フリー素材の使用、フェアユース、自分がオリジナルの権利者である、著作権者から許諾を得ている、など)を選ぶ
- 具体的な説明を英語または対象著作権者が理解できる言語で記入し、送信する
ここで重要なのは、理由の選択肢と実際の状況が一致していないと審査担当者(多くは著作権者側のシステムまたは担当者)にほぼ確実に却下される点です。例えば「著作権者から使用許可を得ている」を選んだのに説明欄に許諾の根拠が一切書かれていない、というケースは典型的な却下パターンです。
説明欄に書く内容は、英語での提出が前提になっている場合が多い点にも注意してください。日本語で詳細に書いても、審査する著作権者側の担当者が日本語を読めるとは限りません。簡単な英文でよいので「I used a 5-second clip from 0:12 to 0:17 for commentary and critique purposes, adding my own narration and analysis throughout the video.」のように、該当箇所の秒数と目的を明記した英文を添えると、審査側が事実確認しやすくなり結果的に通りやすくなります。翻訳ツールを使う場合も、機械的な直訳ではなく「具体的な秒数」「具体的な編集内容」という骨子だけは崩さないようにしてください。
著作権侵害の警告(削除)に異議申し立て通知を送る手順
結論:Content IDより手続きが重く、必須記載事項5つを1つでも欠くと受理されません。
著作権侵害の警告は「正式な削除通知」に基づくため、対応する側も法的な体裁を整えた「異議申し立て通知(Counter Notification)」を送る必要があります。
- YouTube Studioの「コンテンツ」→「著作権フィルタ」から削除された動画を探す
- 「異議申し立て通知を送信する」をクリックする(動画以外のコンテンツはメール・ファックス・郵便のみ対応)
- 以下の5項目をすべて記入する
| 必須記載事項 | 内容 |
|---|---|
| 連絡先情報 | 戸籍上の氏名・住所・電話番号(ニックネームやチャンネル名は不可) |
| 陳述文 | コンテンツの削除が誤りまたは誤認である理由を具体的に説明 |
| コンテンツリンク | 削除された動画のURLまたはID |
| 法的声明 | 「偽証罪の下で」といった2つの法的宣言への同意 |
| 署名 | 戸籍上の氏名によるタイプ入力(電子署名として有効) |
この署名欄で「本名を書くのが怖い」「チャンネル名で通用しないのか」と迷う人が多いのですが、これは米国のDMCA(デジタルミレニアム著作権法)に準拠した法的書類のため、匿名やペンネームでは受理されません。本名を書くことの意味とリスクについては、署名の扱いだけを詳しく解説した記事もあわせて確認してください。(異議申し立て 署名 本名)
送信後、申立人(著作権者)には原則10営業日以内の対応期限が与えられます。対応がなければコンテンツは自動的に復元されますが、逆に申立人が「提訴した」という通知をYouTubeに提出すれば、動画は復元されないまま裁判の帰趨を待つことになります。ここが個人ブログではあまり触れられていない、異議申し立て通知の一番のリスクです。
もう一つ実務上見落とされやすいのが、異議申し立て通知はYouTube上のワンクリック操作ではなく「法的な文書を作成する行為」だという点です。虚偽の内容を記載した場合、偽証罪に相当する法的責任を問われる可能性があるとYouTube公式ヘルプにも明記されています。「とりあえず送ってみて反応を見る」という軽い気持ちで内容を盛って送るのは避け、3つの確認事項(本記事の前半で挙げた使用権・フェアユースの根拠・許諾の証拠)に本当に当てはまるかを、送信前に紙に書き出すくらいの慎重さで確認することをおすすめします。
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結論:却下される異議申し立ての大半は「主張が抽象的すぎる」ことが原因です。以下のチェックリストで事前に自己採点してください。
- [ ] 陳述文に「なぜ削除・申し立てが誤りなのか」を、動画の該当シーン・秒数を指定して具体的に書いたか
- [ ] フェアユースを主張する場合、批評・パロディ・教育目的のいずれに該当するかを明言し、その根拠となる編集内容(ナレーション、比較、字幕解説など)を記載したか
- [ ] 「フリー素材だから」と主張する場合、配布元URLとライセンス条項の引用を添えたか
- [ ] 「収益化を無効にしている」「クレジットを入れている」だけを理由にしていないか(これらは単独では却下理由として明記されている)
- [ ] 連絡先情報・署名を本名・正確な住所で記入したか(虚偽記載はアカウント停止や法的責任のリスクがある)
- [ ] 感情的な表現(「納得できない」「不公平だ」など)ではなく、事実と根拠だけで構成したか
- [ ] 該当動画のURL・IDを正確に貼り付けたか
- [ ] 同一チャンネルで複数の申し立てを同時に争う場合、それぞれ個別に具体的な理由を用意したか(まとめて1つの理由で済ませない)
このうち特に見落とされがちなのが4つ目です。YouTube公式ヘルプでも「著作権者の情報を明示している」「動画または曲のコピーを所有している」「動画の収益化を無効にしている」の3つは、単独では異議申し立てが認められない理由として明記されています。この3つのどれか1つだけを理由に異議申し立てをしても機械的に却下される可能性が高いため、必ず上記のような具体的な根拠と組み合わせてください。
参考までに、通りやすい陳述文と通りにくい陳述文の違いを具体例で示します。通りにくい例は「この曲は昔から知っていて、みんな使っているので問題ないと思います」のように、主観的な思い込みだけで構成されています。通りやすい例は「動画の0:45〜0:52で当該楽曲の一部を使用していますが、これは楽曲の歌詞と歴史的背景を批評する目的で、私自身のナレーションによる解説(0:30〜1:20)とあわせて構成しており、単なるBGM的な使用ではありません」のように、秒数・目的・自分の付加価値を具体的に紐づけています。この差が、そのまま却下率の差になります。
異議申し立て後の30日間に何が起きるか
結論:異議申し立てを送った後の30日間(または10営業日)は「あなたが何もしない期間」ではなく、水面下で著作権者側の判断が進んでいる期間です。この間の流れを知らないまま待っていると、動画が復活したときも取り下げられたときも「なぜそうなったか」が分からず、次の対応が後手に回ります。
| 経過日数の目安 | 何が起きているか | あなたが確認すべきこと |
|---|---|---|
| 提出直後〜数日 | 申し立てが著作権者(または代理管理会社)に通知される | YouTube Studioの「制限」列のステータスが「審査中」に変わっているか |
| 数日〜2週間 | 著作権者が申し立てを維持するか取り下げるかを社内で判断 | 大手レーベルやMCN経由の場合、判断に時間がかかりやすい |
| Content IDの場合:最大30日 / 削除警告の場合:原則10営業日 | 期限内に著作権者が反応しない場合 | 期限を過ぎても動画・収益化状況が変わらなければYouTubeサポートに問い合わせる余地がある |
| 期限到達 | 反応なしなら申し立ては自動的に取り下げられ、動画・収益は復元される/反応ありなら申し立てが維持されるか、削除警告なら提訴通知が来る | 「取り下げ」と「あなた自身が異議申し立てを撤回する」は別物である点に注意 |
ここで注意したいのは、著作権者側が「取り下げる」ことと、あなた自身が申し立てた異議申し立てを自分の判断で「取り下げる」ことは制度上まったく別の操作だという点です。証拠が弱いと感じて途中で自分から取り下げたくなるケースも実際にはよくあります。
なお、著作権侵害の警告(削除ストライク)が確定してしまった場合、動画のサムネイル上やチャンネルページに警告マークが表示され続けます。これは自動では消えず、コピーライト・スクールの受講と90日間の未違反継続が必要です。警告マークの消し方の具体的な手順は別ページで解説しています。(著作権 警告マーク 消し方)
30日間(または10営業日)の待機中にやってはいけないこともあります。同じ音源・映像を使った他の動画を次々にアップロードし続けることです。1件の申し立てで争っている最中に、同種の権利侵害とみなされうる動画を量産すると、著作権者側の心証を悪化させ、Content IDのシステムが自動的に他の動画にも同じ申し立てを適用してくることがあります。審査結果が出るまでは、該当する著作権者の音源・映像の使用をいったん止めておくのが安全です。
異議申し立てが却下されたら/再審査請求という選択肢
結論:Content IDの申し立てが却下された場合、多くのケースで「再審査請求」という次の手段が用意されています。ただし著作権侵害の警告(削除)の却下には、この再審査の仕組みは基本的にありません。
Content IDの申し立てが却下されると、YouTube Studio上に「再審査を請求する」という選択肢が表示される場合があります。これは著作権者による最初の却下判断に納得できない場合に、再度理由を主張できる制度です。ただし、再審査でも同じ理由を繰り返すだけでは意味がなく、初回の異議申し立てで足りなかった証拠(ライセンス書類のスクリーンショット、許諾メールの原文など)を新たに追加する必要があります。
一方、著作権侵害の警告(削除ストライク)に対する異議申し立て通知が却下、つまり著作権者側から「提訴した」という通知が来た場合は、YouTubeの仕組みの外、つまり実際の法的手続きの領域に入ります。ここから先は個人での対応が難しくなるため、早い段階で弁護士など専門家に相談することを検討してください。誇張せずに言えば、ここまで至るケースは全体の中でもごく一部ですが、可能性としてゼロではないことは知っておくべきです。
独自視点: 多くの解説記事は「異議申し立てをすれば解決する」という前提で書かれていますが、実際には「異議申し立てをしても著作権者が反応せず、30日間ステータスが変わらないまま放置される」ケースも一定数あります。この場合、収益化が保留されたまま数週間が過ぎることがあるため、収益への影響が大きい動画ほど、異議申し立てと並行して該当箇所をカットした差し替え版を用意しておくというのが実務上の現実的な対処です。
ショート動画クリエイターが特に注意すべきポイント
結論:2024年10月15日以降、1〜3分の縦型動画はShortsとして扱われ、1分を超えるShortsでContent IDの申し立てが有効になっている場合、著作権者の設定に関わらず動画がブロックされる仕様に変わっています。これは通常の横型動画にはない、Shorts特有のリスクです。
雑学系・解説系のショート動画では、BGMや効果音、ニュース映像の一部引用などが原因でContent IDの申し立てを受けやすい傾向があります。特に「話題のニュースをテンポよく紹介する」「流行りの音源に合わせて編集する」スタイルは再生数が伸びやすい一方、権利関係の確認が甘くなりがちです。
BGM選びで確実にリスクを下げたい場合、YouTube Studio内の「オーディオライブラリ」に収録されている音源は、YouTube自身が権利処理を保証しているため、Content IDの申し立てが原則発生しません。SNSで流行っている楽曲を使いたい気持ちは分かりますが、雑学ショートのように投稿本数が多いチャンネルほど、1本あたりの権利確認コストを抑えられるオーディオライブラリや、ロイヤリティフリーを明記した音源サイトを主軸に据えたほうが、結果的に申し立て対応に費やす時間を減らせます。
独自視点: 申し立てを受けるたびに異議申し立てで争う運用は、審査待ちの間チャンネルの投稿ペースが乱れるという見落とされがちなコストがあります。雑学ショートのように毎日〜週数本のペースで投稿する運用では、1本の異議申し立てに数週間かかることが、次のネタの企画や台本作成のスケジュールにまで波及します。台本・素材選びの段階で権利リスクを避ける設計にしておくほうが、長期的には異議申し立ての手間そのものを減らせます。雑学ショート動画のネタ選定や構成の基本は、制作術としてこちらにまとめています。(雑学動画 作り方)
権利フリーの音源・自作ナレーション中心に切り替えたい場合、当サイトが開発・運営するショート動画作成ツール「Shorty」も選択肢の一つです。台本入力から音声合成・字幕付き動画までを自動生成でき、著作権が不明瞭な既存音源に頼らずに済む構成にしやすい点がメリットです。ただし無料プランには「1本30秒まで」「30日で5本まで」「保存7日間」「ショート形式のみ」という制約があるため、本数を多く投稿する運用では有料プランや他のツールとの比較検討が必要です。
よくある質問
Q1. Content IDの申し立てと著作権侵害の警告、どちらが緊急度が高いですか? 著作権侵害の警告(削除ストライク)のほうが緊急度は高いです。3回累積するとチャンネルが停止されるため、Content IDの申し立てより優先して対応してください。
Q2. 異議申し立てをすると、著作権者に自分の個人情報が伝わりますか? はい、伝わります。著作権侵害の警告に対する異議申し立て通知では、本名・住所・電話番号が申立人に開示されることがYouTube公式ヘルプで明記されています。これに抵抗がある場合は、異議申し立てをせず動画を編集し直す選択肢も検討してください。
Q3. 異議申し立てをしたら収益化はすぐに戻りますか? いいえ、すぐには戻りません。審査中はステータスが「審査中」のままで、著作権者が申し立てを取り下げるか、期限(Content IDは最大30日、削除警告は原則10営業日)が過ぎるまで収益化保留が続きます。
Q4. フリー素材だと思って使ったのに申し立てが来ました。どうすればいいですか? まず配布元のライセンス条項を再確認してください。「クレジット表記必須」「商用利用不可」などの条件を見落としているケースが非常に多く、条件を満たしていなければ異議申し立てをしても通りません。条件を満たしている証拠(配布ページのURLやライセンス文の引用)を添えて申し立てましょう。
Q5. 異議申し立てを間違えて送ってしまいました。取り消せますか? Content IDの申し立てへの異議は、YouTube Studio上から自分で取り下げ操作ができる場合があります。著作権侵害の警告への異議申し立て通知は、一度送信すると法的な効力を持つ書類のため取り消しの扱いが異なります。取り下げの具体的な操作手順は別記事で解説しています。
Q6. 異議申し立てが却下されたら、もう打つ手はありませんか? Content IDの申し立てであれば、再審査請求という次の手段が用意されている場合があります。著作権侵害の警告の却下(提訴通知)については、YouTubeの仕組みの外の法的手続きに移行するため、専門家への相談を検討してください。
Q7. 著作権侵害の警告が1回ついてしまいました。すぐにチャンネルは終わりますか? いいえ、1回だけであればチャンネルは継続します。ただし90日以内に3回累積すると関連するチャンネルがすべて停止されます。コピーライト・スクールを受講すれば、初回の警告は90日で失効します。
Q8. Content IDの申し立てが付いたままでも動画を公開し続けていいですか? 公開自体は可能です。ただし著作権者の設定によっては収益化やトラッキングの対象になり続けるため、放置すると本来得られるはずだった収益を失い続けます。異議申し立てをするか、該当箇所を削除した再編集版に差し替えるかを早めに判断してください。
Q9. 異議申し立ての説明欄は日本語で書いても大丈夫ですか? 日本語でも送信自体はできますが、審査する著作権者側の担当者が日本語を読めるとは限らないため、簡単な英文で該当秒数と使用目的を書き添えるほうが審査がスムーズに進みやすいです。日本語のみで抽象的に書くと、内容が正確に伝わらず却下されるリスクが上がります。
Q10. Shortsで著作権侵害の警告を受けた場合も、通常動画と同じ90日ルールですか? はい、Shortsであっても著作権侵害の警告のカウント方法や90日での失効ルールは通常の横型動画と同じです。異なるのは、1分を超えるShortsでContent IDの申し立てが有効な場合に自動でブロックされる仕様がある点で、これはShorts固有の扱いです。
まとめ
YouTubeの著作権対応で最初にやるべきことは、「Content IDの申し立て」か「著作権侵害の警告(削除ストライク)」かを見分けることです。前者は動画単位の収益・表示への影響にとどまりますが、後者は90日以内に3回でチャンネル停止という重いペナルティにつながります。
異議申し立てで却下されないためには、感覚的な不満ではなく、該当シーンを特定した具体的な根拠、ライセンス条項の引用、許諾の証拠など「事実ベースの説明」を揃えることが最も重要です。「著作権者情報を明示している」「収益化を無効にしている」といった単独の理由だけでは却下される、という点は特に見落とされがちなので注意してください。
異議申し立ては万能の解決策ではありません。証拠が弱い、フェアユースの根拠が具体的でない場合は、無理に争うより該当箇所をカットした再編集版に差し替えるほうが早く解決することも多いです。特にショート動画中心の運用では、審査待ちの数週間が投稿ペースそのものに影響するため、権利関係がクリアな素材・自作ナレーション中心の制作フローに切り替えておくことが、結果的に異議申し立ての手間を減らす一番の近道になります。