YMM4(ゆっくりMovieMaker4)で動画が読み込めないときは、「コーデック(中身の圧縮方式)」→「デコーダー(読み込みプラグインとWindowsの拡張機能)」→「ファイルの置き場所」の順に確認すると、ほとんどのケースで原因にたどり着けます。mp4やmovといった拡張子は「箱」の名前にすぎず、YMM4が読めるかどうかを決めているのは箱の中身です。iPhoneで撮った動画、OBSの録画、Windowsの画面録画が読み込めない場合、多くは中身がHEVC(H.265)やAV1だったり、フレームレートが一定でない(VFR)ことが引き金になっています。
この記事では、公式FAQ(饅頭遣いのおもちゃ箱)で複数ページに分かれて書かれている対処を、「コンテナ×コーデック×症状」の判定表1枚にまとめ、上から順に試せば切り分けが終わる構成にしました。もう一つ先に伝えておきたいのは、検索でよく見かける「動画ファイルの読み込みに失敗しました」という文言は、公式FAQではYMM4ではなくAviUtl側(AviUtl経由の出力やexo読み込み)のエラーとして扱われているという点です。同じ「読み込めない」でも、YMM4の中で起きているのか、AviUtlに渡した後で起きているのかで対処はまったく違います。ここを混同すると、関係ない設定をいじって時間を溶かすことになります。
なお、この記事の対象は「動画素材(mp4/mov/mkv/webmなど)をYMM4のタイムラインに置けない・置けても真っ黒・音だけ鳴る」という症状です。台本ファイルやキャラクター画像の問題、書き出した後の動画が真っ黒になる問題は別記事で扱っているので、該当する場合は途中の切り分けチェックリストから移動してください。
結論:YMM4で動画が読み込めない原因は「中身・読み手・置き場所」の3層
結論として、YMM4で動画が読み込めない原因は、次の3層のどこかにあります。上の層ほど頻度が高く、下の層ほど見落とされやすいという傾向があります。
- 中身(コーデック)の層:動画がHEVC(H.265)、AV1、VP9、ProResなど、今のPCで読めない方式で圧縮されている。あるいは可変フレームレート(VFR)や10bit HDRなど、読めても不安定になる性質を持っている。
- 読み手(デコーダー)の層:YMM4の「動画読み込みプラグイン」の優先順位が素材に合っていない、Windowsに必要なビデオ拡張機能が入っていない、ハードウェアデコードとGPUドライバーの相性が悪い。
- 置き場所(パス)の層:ファイルを移動・リネームした、外付けドライブのドライブ文字が変わった、OneDriveなどのクラウド同期フォルダで実体がPCに無い(オンライン専用)状態になっている。
公式FAQでも、「動画・音声・画像ファイルが表示されない」ときはWindowsの拡張機能(HEVC ビデオ拡張機能など)の導入、「プレビュー画面がフリーズする・映像が乱れる・暗くなる」ときは読み込みプラグインの優先順位変更やハードウェアデコード処理の変更、「プロジェクトファイルを読み込むと動画や画像が表示されなくなった」ときはファイルの場所の確認、と別々のページで案内されています。つまり、症状ごとに見るページが違うため、読者は「自分がどれに当てはまるか」を判断できずに迷いやすいのです。
独自の視点として強調したいのは、「読み込めない」の9割は、YMM4の不具合ではなく“素材側の事情”だということです。YMM4を再インストールしたり、バージョンを戻したりする前に、まず素材の中身を確認してください。再インストールで直るケースは、プラグインの設定が壊れていた場合などに限られ、HEVCが読めない・VFRでズレるといった問題は、何度入れ直しても再発します。
まず症状で切り分ける:あなたの「読み込めない」はどれか
最初にやるべきことは、症状を正確に言葉にすることです。「読み込めない」には少なくとも5種類あり、それぞれ原因の層が違います。次のチェックリストで、自分の症状に当てはまるものを選んでください。
症状切り分けチェックリスト
- [ ] A. タイムラインにドラッグしても何も起きない/アイテムができない → 中身の層か置き場所の層。ファイル名・保存場所、拡張子とコーデックを確認
- [ ] B. アイテムはできるが、プレビューが真っ黒(または透明)で音だけ鳴る → 映像のコーデック(HEVC/AV1/ProResなど)が読めていない可能性が高い。判定表へ
- [ ] C. 映像は出るが音が出ない → 音声コーデック(PCM・Opusなど)か、OBSの複数音声トラックが原因のことが多い
- [ ] D. 読めるがカクつく・止まる・映像が乱れる・暗くなる → 読み込みプラグインとハードウェアデコードの層。VFR素材も疑う
- [ ] E. 前は表示されていたのに、プロジェクトを開き直したら表示されない → 置き場所の層(リンク切れ)。後半の「パス」の章へ
ここで、この記事の範囲外になるものも整理しておきます。
- 台本(csv/txt)が読み込めない場合は、動画素材ではなく台本ファイルの形式や文字コードの問題です。YMM4の台本ファイルの作り方で、読み込める形式と作り方を確認してください。
- キャラクターの立ち絵が表示されない場合は、動画のコーデックとは関係なく、立ち絵素材のフォルダ構成や設定の問題です。YMM4で立ち絵が表示されないときの対処を参照してください。
- 編集中は正常なのに、書き出した動画が真っ黒になる場合は、読み込みではなく出力側の問題です。YMM4で動画が真っ黒になるときの対処法にまとめています。
また、「動画ファイルの読み込みに失敗しました」というメッセージがAviUtlの画面で出ている場合は、YMM4から書き出したexoファイルなどをAviUtlで読み込む際に、AviUtl側に動画読み込み用の入力プラグイン(L-SMASH Worksなど)が入っていないことが原因です。公式FAQでも、このメッセージはAviUtlの項目で扱われています。YMM4の設定を触っても解決しないので注意してください。
判定表:コンテナ×コーデック×症状で原因を1枚で絞り込む
結論から言うと、読み込めない動画の多くは「拡張子はmp4やmovだが、中身がH.264以外」というパターンです。下の表は、よく使われる素材の組み合わせと、YMM4で起きやすい症状、最初に試す対処をまとめたものです。表中の「起きやすい症状」はPC環境やYMM4・Windowsのバージョンによって変わるため、あくまで切り分けの目安として使ってください。
| コンテナ(拡張子) | 映像コーデック | 主な出どころ | 起きやすい症状 | 最初に試す対処 |
|---|---|---|---|---|
| mp4 | H.264(AVC) | 多くの編集ソフト、YouTube向け素材 | 通常は読める。VFRだとズレ・カクつき | VFRなら固定フレームレートに変換 |
| mp4 / mov | HEVC(H.265) | iPhone「高効率」撮影、OBSのHEVC録画、一部のAndroid | 真っ黒で音だけ、またはアイテムが作れない | HEVC ビデオ拡張機能の導入、またはH.264へ変換 |
| mp4 / mkv / webm | AV1 | OBSのAV1録画、一部のダウンロード素材 | 真っ黒・読み込み不可 | AV1 Video Extensionの導入、またはH.264へ変換 |
| webm / mkv | VP9 / VP8 | ブラウザ録画、Web由来の素材 | 読み込み不可・真っ黒 | VP9 ビデオ拡張機能の導入、またはH.264へ変換 |
| mov | ProRes | Mac・iPhone Proの撮影、映像制作者からの受け取り素材 | 読み込み不可・真っ黒・非常に重い | H.264へ変換(受け取り時にH.264で依頼するのが確実) |
| mpg / m2ts / ts | MPEG-2 | 古いビデオカメラ、録画機器 | 読み込み不可 | MPEG-2 ビデオ拡張機能の導入、またはH.264へ変換 |
| mkv | H.264 / HEVC | OBSの録画(mkv設定時) | 読めることもあるが不安定、音声トラックが足りない | mp4へリマックスまたは変換、音声トラック確認 |
| mp4 | H.264(VFR) | Windowsの画面録画、スマホの画面録画 | 音ズレ・カクつき・長さがおかしい | 固定フレームレート(CFR)に変換 |
この表の読み方のポイントは、左の拡張子ではなく2列目のコーデックで判断することです。同じ「mov」でも、中身がH.264なら普通に読めることが多く、HEVCやProResなら読めないことがあります。Yahoo!知恵袋などで「AviUtlでは読めたmovがYMM4では真っ暗」という相談が見られるのも、読み込みに使っている仕組み(デコーダー)がソフトごとに違うためです。
コーデックの調べ方
素材のコーデックは、次のどれかの方法で確認できます。
- MediaInfo(無料ソフト)で開く:「Video」の項目に「Format: AVC」ならH.264、「HEVC」ならH.265、「AV1」「VP9」「ProRes」などと表示されます。「Frame rate mode: Variable」と出たらVFR素材です。
- Windowsのファイルのプロパティを見る:右クリック→プロパティ→「詳細」タブで、フレームレートやビットレートは見えますが、コーデック名が出ないことも多いため、確実なのはMediaInfoです。
- 撮影元の設定を見る:iPhoneなら「設定」→「カメラ」→「フォーマット」が「高効率」ならHEVC、「互換性優先」ならH.264で記録されます。
独自の視点として、迷ったらMediaInfoで「Format」と「Frame rate mode」の2行だけ見れば十分です。この2行で、HEVC問題なのかVFR問題なのかがほぼ確定し、以降の対処のどれから手を付けるべきかが決まります。
対処1:YMM4の動画読み込みプラグインの優先順位を切り替える
結論として、「特定の動画だけ真っ黒になる・乱れる・フリーズする」場合は、YMM4の読み込みプラグインの順番を入れ替えるだけで直ることがあります。YMM4は動画を読むための仕組みを複数持っており、どれを優先して使うかを設定で変えられるためです。公式FAQの「プレビュー画面がフリーズする。映像が乱れる。暗くなる。動画出力が完了しない。」のページで案内されている手順は次のとおりです。
読み込みプラグインの優先順位を変える手順
- YMM4のメニューで「ファイル(F)」→「設定」を開く
- 「プラグイン」を選び、「動画読み込みプラグイン」を開く(音声の問題なら「音声読み込みプラグイン」、画像なら「画像読み込みプラグイン」)
- 一覧に並んでいるプラグインの順番を、上下のボタンで入れ替える
- YMM4を再起動する
- 問題の動画をタイムラインに置き直し、プレビューを確認する
一覧に表示されるプラグインの名前や数は、YMM4のバージョンや追加で導入したプラグインによって変わります。そのため、「このプラグインを一番上にすれば必ず直る」という正解はありません。1つずつ一番上に上げて、再起動して試すという地道な方法が確実です。試した順番をメモしておくと、元に戻すときに迷いません。
公式FAQでは、ファイルごとに読み込みに使われるプラグインを切り替えることで改善する可能性にも触れられています。全体の優先順位を変えると、今まで問題なく読めていた別の素材の挙動が変わることもあるため、変更後は他の素材もプレビューで軽く確認しておきましょう。
ハードウェアデコードを変える・切る
プラグインの順番を変えても改善しない場合、次はハードウェアデコード(GPUを使った動画の読み込み)を疑います。公式FAQの手順は次のとおりです。
- 「ファイル(F)」→「設定」→「全般」→「プレビュー」を開く
- 「ハードウェアデコード処理」で「DXVA2」を選び、YMM4を再起動する
- それでも改善しなければ、同じ項目で「無効」を選んで再起動する
ハードウェアデコードを無効にすると、CPUだけで動画を読むことになるため、プレビューが重くなることがあります。特にノートPCや古いCPUでは、4K素材や長い録画素材で顕著です。無効にして直った場合は、GPUドライバーの更新を試してから、もう一度有効に戻せるか確認するのがおすすめです。ドライバーの更新で相性問題が解消されることがあるからです。
うまくいかない条件
この対処が効くのは、「PCにはその動画を読む手段があるが、選ばれている読み手が合っていない」場合に限られます。HEVCやAV1のように、そもそもPCに読む手段が入っていない場合は、プラグインの順番をいくら入れ替えても直りません。その場合は次の「対処2」に進んでください。
対処2:HEVC・AV1・VP9はWindowsのビデオ拡張機能を入れる
結論として、iPhoneで撮った動画やOBSのHEVC/AV1録画が真っ黒で音だけになる場合は、Microsoft Storeからビデオ拡張機能を入れると読めるようになることがあります。公式FAQ「動画・音声・画像ファイルが表示されない」では、形式ごとに次の拡張機能が案内されています。
| 素材の形式 | 導入する拡張機能(Microsoft Store) | 典型的な出どころ |
|---|---|---|
| H.265 / HEVC | HEVC ビデオ拡張機能 | iPhone「高効率」撮影、スマホ動画、OBSのHEVC録画 |
| AV1 | AV1 Video Extension | OBSのAV1録画、一部のWeb動画 |
| MPEG-1 / MPEG-2 | MPEG-2 ビデオ拡張機能 | 古いビデオカメラ、録画機器 |
| VP8 / VP9 | VP9 ビデオ拡張機能 | ブラウザ由来のwebm素材 |
| Ogg音声 | Web メディア拡張機能 | 一部のフリー効果音・BGM |
拡張機能を入れる手順
- Microsoft Storeを開き、上の表の名前で検索する
- 提供元がMicrosoftであることを確認して入手する(HEVC ビデオ拡張機能は有料で提供されています)
- YMM4を一度終了し、再起動する
- 問題の動画をタイムラインに置き直す(既に置いてあるアイテムは、いったん削除して置き直すと確実です)
HEVC ビデオ拡張機能は有料で、個人ブログでは120円で購入した例が紹介されています。価格や提供形態は変わる可能性があるため、購入前にStoreの表示を確認してください。検索すると「メーカー向け」と書かれた無料版の情報も見つかりますが、提供状況が変わりやすいため、この記事では断定しません。
うまくいかない条件
拡張機能を入れても改善しないケースもあります。代表的なのは次の3つです。
- 10bitのHDR動画:iPhoneの「HDRビデオ」で撮った素材は10bitのHEVCで、読めても色が白っぽく見えたり、暗く沈んだりすることがあります。YMM4の編集はSDR(通常の色域)が前提なので、H.264・8bitに変換するほうが安定します。
- ProRes:ProResはWindowsの標準拡張機能では読めないため、拡張機能の導入では解決しません。変換が必要です。
- 読み込みプラグインがWindowsの拡張機能を使っていない:YMM4の読み込みプラグインによっては、Windowsの拡張機能とは別の仕組みで動画を読むため、拡張機能を入れても結果が変わらないことがあります。この場合は対処1のプラグイン順も併せて試してください。
独自の視点として、編集用の素材は「読める」だけでなく「軽く・安定して読める」ことが重要です。HEVCは圧縮率が高いぶん読み込み処理が重く、拡張機能で読めたとしても、プレビューがカクついて編集効率が落ちることがあります。数本だけなら拡張機能で十分ですが、毎週スマホ素材を使うなら、次の「変換」をワークフローに組み込むほうが結果的に早く済みます。
ここまでの手順、1本ぶんまるごと自動でやりますShorty はテーマを入力するだけで、台本・AI音声・字幕・BGMを揃えた雑学ショート動画を生成します。無料プランは30日5本まで。無料で作ってみる対処3:HandBrakeでH.264・固定フレームレート(CFR)に変換する
結論として、どの素材でも最後に効く確実な方法は、H.264・固定フレームレート(CFR)・音声AACのmp4に変換することです。H.264のmp4は、YMM4に限らず多くの編集ソフトで最も互換性が高い組み合わせです。公式FAQでも、H.265の動画はH.264に変換してから読み込むと改善する可能性があると案内されています。
変換には無料ソフトのHandBrakeが使いやすく、日本語表示にも対応しています。表示名はバージョンや言語設定で変わるため、英語表記も併記します。
HandBrakeでYMM4向けに変換する手順
- HandBrakeを起動し、変換したい動画をドラッグ&ドロップする
- プリセットで「Fast 1080p30」など、素材の解像度に近いものを選ぶ(縦動画ならプリセットの解像度で横に引き伸ばされないか確認する)
- 「概要(Summary)」タブで形式(Format)を「MP4」にする
- 「映像(Video)」タブで、映像エンコーダー(Video Encoder)を「H.264 (x264)」にする
- 同じタブで、フレームレート(Framerate)を素材に合わせた値(30や60など)にし、「固定フレームレート(Constant Framerate)」を選ぶ
- 画質(Constant Quality / RF)は、編集用の中間素材なら18〜20程度を目安にする(数値が小さいほど高画質・大容量)
- 「音声(Audio)」タブで、コーデックがAACになっていること、必要な音声トラックがすべて含まれていることを確認する
- 保存先を半角英数字だけのフォルダにして、「エンコード開始(Start Encode)」を押す
コマンドに慣れている人は、ffmpegを使っても同じことができます。以下は、30fps固定・H.264・AACに変換する一例です。
ffmpeg -i input.mov -c:v libx264 -crf 18 -pix_fmt yuv420p -fps_mode cfr -r 30 -c:a aac -b:a 192k output.mp4
-pix_fmt yuv420p は8bitの一般的な色形式に揃える指定で、10bit素材を扱いやすくするために付けています。ただし、HDR素材をこの方法で変換すると色の変換(トーンマッピング)は行われないため、色が薄く見える場合があります。HDRを正しくSDRに変換したい場合は、撮影時にHDRをオフにするのが最も簡単です。
VFR(可変フレームレート)素材は必ずCFRにする
画面録画やスマホ動画に多いVFR素材は、YMM4で読み込めても、音と映像が少しずつズレる、長さが実際と違って見える、特定の区間だけカクつく、といった症状を起こしやすくなります。これは、動画の中でフレームの間隔が一定でないため、編集ソフト側で時間の計算がずれるからです。
VFRによる音ズレは、YMM4に限らずAviUtlでも昔からよく知られた問題です。仕組みや直し方の考え方は共通しているので、AviUtlの音ズレの直し方も参考になります。YMM4でもAviUtlでも、編集前にCFRへ変換しておくのが最も確実な予防策です。
うまくいかない条件
変換は万能ですが、次の点に注意してください。
- 変換で画質は必ず少し落ちる:H.264への再圧縮で細部が甘くなることがあります。RF値を小さめにして、容量より画質を優先しましょう。
- 著作権保護された動画は変換も利用もできない:配信サービスからダウンロードした動画やDRM付きの動画は、技術的に読めないだけでなく、利用自体が規約違反になる場合があります。
- 時間がかかる:長時間の録画素材は、PCの性能によっては変換に素材の再生時間以上かかることもあります。夜間にまとめて変換するなど、作業の段取りに組み込みましょう。
対処4:パス・日本語・クラウド同期フォルダ・リンク切れを確認する
結論として、「前は表示されていたのに急に表示されなくなった」「特定のフォルダの素材だけ読めない」という場合は、動画の中身ではなく置き場所を疑います。公式FAQ「プロジェクトファイルを読み込むと動画や画像ファイルが表示されなくなった」では、ファイルが削除された・別の場所に移動した・名前が変わった・USBや外付けドライブのドライブ文字が変わった、といった原因が挙げられています。
リンク切れを確認する手順(公式FAQの流れ)
- タイムライン上で、表示されない動画アイテムを選択する
- アイテムの設定欄にあるファイル欄にマウスカーソルを合わせ、ファイルのパス(保存場所)を表示する
- エクスプローラーで、そのパスに本当にファイルがあるか確認する
- 無い場合は、そのパスの場所にファイルを戻す(または、アイテムのファイル指定を今の場所に指定し直す)
- 外付けドライブの場合は、以前と同じUSBポートに挿し、ドライブ文字が元に戻るか確認する
プロジェクトを移動・共有するときの注意
YMM4のプロジェクトファイルは、動画素材そのものを中に含んでいるわけではなく、「どこにあるファイルを使うか」という場所の情報を記録しています。そのため、プロジェクトファイルだけを別のPCにコピーしたり、素材フォルダの名前を変えたりすると、素材が見つからなくなります。
これを防ぐ運用として、次のようなフォルダ構成をおすすめします。
- 1本の動画ごとに「D:\ymm4\20260925_theme\」のようなフォルダを作る
- その中に「project」「video」「image」「bgm」などのサブフォルダを作り、素材をすべて集める
- 作業中はフォルダ名を変えない。移動するときはフォルダごと、同じドライブ文字・同じパスになる場所へ移す
日本語パス・長いパス・特殊文字
最近のYMM4では日本語のファイル名でも問題なく扱えることが多いですが、読み込みプラグインや、変換・出力に使う外部ツールの中には、日本語や記号を含むパスで失敗するものがあります。特に、絵文字、機種依存文字、「#」「%」「&」などの記号、極端に深いフォルダ階層は、トラブルの原因になりやすい要素です。
「読めない素材」の切り分けとして、一度C:\temp のような半角英数字だけの短いパスにコピーして読み込んでみるのが簡単で確実なテストです。これで読めたなら、原因は中身ではなく場所だと確定できます。
OneDrive・Googleドライブなどのクラウド同期フォルダ
デスクトップやドキュメントフォルダがOneDriveで同期されているPCは珍しくありません。この状態で素材を置くと、「ファイルオンデマンド」機能によって、ファイルのアイコンは見えているのに実体がPCに無い(クラウドにだけある)状態になることがあります。YMM4がファイルを読みに行った瞬間にダウンロードが走り、読み込みが間に合わずに失敗したり、プレビューが途中で止まったりすることがあります。
対処としては、素材を同期対象外のフォルダ(例:D:\ymm4 など)に置くか、エクスプローラーで素材フォルダを右クリックして「このデバイス上に常に保持する」を選び、実体を常にPCに置いておくことです。同期中はディスクへの書き込みも発生するため、編集中は同期を一時停止しておくと動作が安定することもあります。
素材別:iPhone・OBS・画面録画・受け取り素材で気を付けること
結論として、素材の出どころごとに「読めなくなる理由」はほぼ決まっています。撮影や録画の段階で設定を変えておけば、そもそも読み込みトラブルを起こさずに済みます。
iPhone・スマホで撮った動画
iPhoneは初期設定で「高効率」(HEVC)で記録されることが多く、YMM4で真っ黒になる代表的な原因です。「設定」→「カメラ」→「フォーマット」で「互換性優先」を選ぶと、以降の撮影はH.264で記録されます。あわせて「HDRビデオ」をオフにすると、色の問題も避けられます。
ただし、互換性優先に切り替えると、同じ画質でもファイルサイズが大きくなります。iPhoneのストレージに余裕がない場合は、高効率のまま撮影して、PCに取り込んだ後にまとめてH.264へ変換する運用も現実的です。また、スマホ動画は基本的にVFRになりやすいため、長い素材を使うならCFRへの変換を前提にしておくと安心です。
OBSの録画
OBSは、録画形式(mkv、mp4、ハイブリッドMP4など)や映像エンコーダー(x264、NVENC H.264、NVENC HEVC、AV1など)を自由に選べるため、設定次第でYMM4の読みやすさが大きく変わります。YMM4で編集する前提なら、エンコーダーはH.264系、形式はmp4(またはmkvで録ってmp4にリマックス)にしておくのが無難です。
OBSで「映像は出るのに音が出ない」という場合は、音声トラックの設定を確認してください。OBSは複数の音声トラックを録音できますが、マイクやデスクトップ音声をトラック2以降に割り当てていると、読み込み側が最初のトラックしか読まずに「無音」に見えることがあります。録画設定の音声トラックで、必要な音がトラック1に入っているかを確認しましょう。
Windowsの画面録画(Xbox Game Bar・Snipping Toolなど)
Windows標準の画面録画機能で作ったmp4は、H.264であることが多い一方、VFRになりやすい素材です。「読み込めるけど音ズレする」「一部の区間がカクつく」という場合は、対処3の手順でCFRに変換してください。解説動画の操作画面を録るなら、最初からOBSで固定フレームレートの設定にして録画するほうが、後工程の手間が減ります。
人から受け取った素材・ダウンロード素材
映像制作者やMacユーザーから受け取った素材は、ProResのmovであることがあります。ProResは編集向けの高品質な形式ですが、Windowsでは標準で扱いにくく、ファイルも非常に大きくなります。受け取る前に「H.264のmp4でお願いします」と一言伝えるだけで、読み込みトラブルと変換の手間をまとめて回避できます。フリー素材サイトの動画は、webm(VP9)やAV1で配布されていることもあるため、ダウンロード時に形式を選べるならmp4を選びましょう。
そもそも撮影素材を使わない作り方もある
顔出しなしのYouTube動画では、実写素材を使わずに、キャラクター・テロップ・画像・図解だけで構成するスタイルも一般的です。キャラクターの掛け合いで進める構成ならずんだもん動画の作り方、テーマを決めて知識を紹介する構成なら雑学動画の作り方が参考になります。動画素材の数を減らせば、それだけ読み込みトラブルに悩む時間も減ります。
また、ショート動画だけを手早く作りたい場合は、当サイトが開発・運営しているツールShortyも選択肢の1つです。テキストからショート動画を作る仕組みなので、自分で撮影素材を読み込む作業自体が発生しません。ただし、無料プランには「1本30秒まで」「30日で5本まで」「保存期間7日」「ショート形式のみ」という制約があり、YMM4のように細かく編集したい人や長尺動画を作りたい人には向きません。目的に合わせて使い分けてください。
よくある質問
YMM4でmp4が読み込めないのはなぜですか?
拡張子がmp4でも、中身がHEVC(H.265)やAV1だとPCに読む手段が無く読めません。MediaInfoでコーデックを確認しましょう。
mp4は「箱」の名前で、中身の映像はH.264・HEVC・AV1などさまざまです。H.264なら通常は読めますが、HEVCやAV1ならWindowsの拡張機能を入れるか、H.264に変換する必要があります。H.264なのに読めない場合は、保存場所や読み込みプラグインの順番を確認してください。
YMM4でmovが真っ黒で音だけ鳴るのはなぜですか?
movの中身がHEVCやProResで、映像だけ読めていない状態です。HEVCなら拡張機能の導入、ProResならH.264への変換で対処します。
音声は一般的なAACで記録されていることが多いため読めますが、映像側のコーデックに対応する読み手が無いと、プレビューが黒いまま音だけ再生されます。iPhoneの撮影素材ならHEVC、Mac由来の素材ならProResのことが多いです。
iPhoneで撮った動画をYMM4で使うにはどうすればいいですか?
HEVC ビデオ拡張機能を入れるか、H.264に変換します。今後の撮影はカメラのフォーマットを「互換性優先」にすると確実です。
既に撮影済みの素材は、拡張機能で読めるようにするか、HandBrakeなどでH.264・固定フレームレートのmp4に変換してから使います。HDRビデオで撮った素材は色が不自然になることがあるため、撮影時にHDRをオフにしておくと安心です。
「動画ファイルの読み込みに失敗しました」と出るのはYMM4のエラーですか?
公式FAQではAviUtl側のエラーとして扱われています。AviUtlに動画読み込み用の入力プラグインが無いことが主な原因です。
YMM4から書き出したexoファイルなどをAviUtlで開く流れで表示されることが多く、AviUtlにL-SMASH Worksなどの入力プラグインを導入すると解決します。YMM4の画面でエラーが出ているのか、AviUtlの画面で出ているのかを最初に確認してください。
読み込みプラグインの順番はどれを一番上にすればいいですか?
全員に共通の正解はありません。1つずつ一番上に移動し、再起動して問題の動画で試すのが確実な方法です。
表示されるプラグインの種類はYMM4のバージョンや追加プラグインで変わり、素材やGPUとの相性もあります。変更前の順番をメモしておき、他の素材の表示が悪化したら元に戻せるようにしておきましょう。
ハードウェアデコードを無効にしても大丈夫ですか?
動作上の問題はありませんが、プレビューが重くなることがあります。直った場合はGPUドライバーを更新して再度有効化を試しましょう。
ハードウェアデコードはGPUで動画を読む機能で、無効にするとCPUの負担が増えます。高解像度素材や長時間素材で重さが気になる場合は、編集用に解像度を下げたH.264素材に変換する方法も有効です。
プロジェクトを開き直したら動画が表示されなくなったのはなぜですか?
素材ファイルの移動・リネーム・ドライブ文字の変化によるリンク切れが典型的な原因です。アイテムのファイルパスを確認します。
YMM4のプロジェクトは素材の場所を記録しているだけなので、素材を動かすと見つからなくなります。アイテムを選び、ファイル欄にカーソルを合わせてパスを確認し、その場所にファイルを戻すか指定し直してください。
OBSで録画した動画の音が出ないのはなぜですか?
音声が2番目以降の音声トラックに録音されている可能性があります。OBSの録画設定で使う音をトラック1に割り当てましょう。
OBSは複数の音声トラックを記録できますが、読み込み側が最初のトラックだけを使うと、他のトラックの音は聞こえません。既に録画済みなら、変換ソフトで必要なトラックを選んで書き出す方法もあります。
画面録画の動画が音ズレするのはなぜですか?
画面録画はフレームの間隔が一定でない可変フレームレート(VFR)になりやすく、編集時に時間計算がずれるためです。
HandBrakeやffmpegで固定フレームレート(CFR)に変換してから読み込むと改善します。MediaInfoで「Frame rate mode: Variable」と表示される素材は、編集前に変換しておくのがおすすめです。
YMM4を再インストールすれば直りますか?
素材の中身や置き場所が原因なら、再インストールしても直りません。先にコーデックとパスを確認するほうが近道です。
再インストールで改善が見込めるのは、設定やプラグインの状態が壊れている場合などに限られます。HEVCやVFR、リンク切れが原因の場合は何度入れ直しても再発するため、判定表で原因を絞り込んでから判断してください。
まとめ
YMM4で動画が読み込めない・真っ黒・音だけになるときは、次の順で確認すると効率よく原因を特定できます。
- 症状を切り分ける:アイテムができないのか、真っ黒で音だけか、音が出ないのか、カクつくのか、開き直したら消えたのかで、見るべき層が決まる
- 中身を確認する:MediaInfoで「Format」と「Frame rate mode」を見れば、HEVC・AV1・ProRes・VFRのどれが原因かがほぼわかる
- 読み手を調整する:「ファイル(F)」→「設定」→「プラグイン」で動画読み込みプラグインの順番を変え、改善しなければ「ハードウェアデコード処理」をDXVA2または無効にする
- 拡張機能を入れる:HEVCならHEVC ビデオ拡張機能、AV1ならAV1 Video Extension、VP9ならVP9 ビデオ拡張機能をMicrosoft Storeから導入する
- 確実に直すなら変換する:HandBrakeなどでH.264・固定フレームレート・AACのmp4にする。VFR素材は特に変換が有効
- 置き場所を整える:素材は半角英数字の短いパスにまとめ、クラウド同期フォルダや移動によるリンク切れを避ける
また、「動画ファイルの読み込みに失敗しました」がAviUtlの画面で出ている場合は、YMM4ではなくAviUtl側の入力プラグインの問題です。台本や立ち絵、出力後の真っ黒といった別の症状は、それぞれの専用記事で切り分けてください。
撮影や録画の段階で「H.264・固定フレームレート・mp4」に揃えておけば、読み込みトラブルの大半は最初から起きません。一度フォルダ構成と録画設定を整えてしまえば、以降の動画づくりは編集そのものに集中できるようになります。