AviUtl(無印・1.10系+拡張編集)で背景を透過したまま出力するなら、「プラグイン出力」→「拡張編集AVI/BMP出力(RGBA)」で圧縮を「UtVideo RGBA VCM」などRGBA対応の可逆コーデックにするか、ffmpegOutの「png連番(rgba)」「vp9 rgba (webm)」プリセットを使うのが基本です。x264guiExでMP4にすると、設定をどう変えても背景は黒で埋まります。これは設定ミスではなく、H.264(一般的なMP4)という形式にアルファチャンネル(透明度の情報)を入れる場所がないためです。
この記事は「透過できる出力方法の一覧」で終わらせず、「その透過ファイルを、次にどのソフトで使うのか」から逆算して出力形式を選ぶという順番で整理します。透過出力の失敗の多くは、AviUtl側の操作ミスよりも「出力形式と読み込み側の相性」で起きているからです。後半では「背景が黒くなる」「白くなる」を症状別に切り分け、AviUtl2(AviUtl ExEdit2)での違いにも触れます。
※本記事は2026年9月時点で各プラグインの配布ページ・解説ページを確認した内容です。プラグインは更新で項目名やプリセット名が変わることがあるため、手元の表示と違う場合は配布元の説明を優先してください。
AviUtlで背景透過して出力する方法の結論
結論:透過を残せるのは「アルファチャンネルを持てる形式」で出力したときだけです。AviUtlでは「拡張編集AVI/BMP出力(RGBA)」か「ffmpegOut」のRGBA系プリセットの2ルートが軸になります。
背景透過の出力でまず押さえるべきなのは、「透過」は画面の見た目ではなくファイルの中身の話だという点です。動画や画像の1ピクセルには通常、赤・緑・青(RGB)の3つの値が入っています。透過できる形式は、これに「どれだけ透明か」を表す4つ目の値(アルファ、A)を加えたRGBAで保存できます。RGBしか持てない形式で書き出すと、透明だった部分には何か色を入れるしかなく、AviUtlの場合は黒になります。
AviUtl(無印)で使える代表的なルートは次の通りです。
- 拡張編集AVI/BMP出力(RGBA):拡張編集に同梱されている出力プラグイン。アルファ付きAVI、またはアルファ付き連番BMPを出せる。音声は付けられない
- ffmpegOut:rigaya氏が配布している出力プラグイン。FFmpegが対応していれば、透過PNG連番、UtVideoのAVI、VP9のWebM、ProResのMOVなどを出せる
- 静止画の保存系プラグイン:「SaveImage」や「画像保存」などのプラグインで、現在フレームをアルファ付きPNGとして保存する(1枚だけ欲しいとき)
「透過で出す」ことと「透過で読める」ことは別問題です。たとえばアルファ付きAVIを作っても、読み込み側のソフトがそのコーデックのアルファを解釈しなければ、背景はやはり黒く見えます。次の章で、形式ごとに「どこで読めるか」を比較します。
透過出力の形式比較表:どの編集ソフト・用途で読めるか
結論:迷ったら「透過PNG連番」が最も読み込み側を選ばない安全策です。容量と扱いやすさを優先するなら、次の工程のソフトに合わせてAVI(UtVideo)・MOV(ProRes 4444)・WebM(VP9)を選びます。
| 出力形式 | AviUtlでの出し方 | ファイルサイズ | 音声 | 読める代表例 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|---|---|
| 透過PNG連番 | ffmpegOut「png連番(rgba)」、AviUtl2のPNG出力(透過付き) | 大(1フレーム1ファイル) | なし(別途WAVで出す) | ほぼすべての動画編集ソフト、画像編集ソフト | 他ソフトへの受け渡し、失敗したくない納品 |
| AVI(UtVideo RGBA) | 拡張編集AVI/BMP出力(RGBA)+UtVideo RGBA VCM、またはffmpegOut | 中〜大(可逆圧縮) | RGBA出力プラグインでは付かない | AviUtl同士の素材再利用、UtVideoを入れたWindows環境 | AviUtlで作ったパーツをAviUtlの別プロジェクトで使う |
| AVI(非圧縮RGBA 32bit) | 拡張編集AVI/BMP出力(RGBA)で圧縮「RGBA(32bit)」 | 特大 | 付かない | コーデック不要で読める環境が多いが容量が問題 | 短い素材を確実に渡したいとき |
| MOV(ProRes 4444) | ffmpegOutでFFmpegのコマンドを手動設定 | 大 | 設定次第で可 | Premiere Pro、DaVinci Resolve、Final Cut Pro | Mac環境や業務系ソフトへの受け渡し |
| MOV(QuickTime Animation) | ffmpegOutでFFmpegのコマンドを手動設定 | 大 | 設定次第で可 | 古くからのMac系ワークフロー | 相手先から指定されたとき |
| WebM(VP9 alpha) | ffmpegOut「vp9 rgba (webm)」 | 小 | 設定次第で可 | Chrome等のブラウザ、OBSのメディアソースなど | 配信オーバーレイ、Web掲載、軽い素材配布 |
| MP4(H.264/x264guiEx) | x264guiEx | 小 | 可 | ほぼすべて | 透過は不可(背景は黒で埋まる) |
表の「読める代表例」は、形式として透過に対応している代表的なソフトを挙げたもので、バージョンや読み込み方法によって結果が変わります。特にWebM(VP9 alpha)は、「ファイルは開けたが背景が黒い」「透過が効かない」という報告が編集ソフト側で出やすい形式です。本番素材を作る前に、3秒程度の短いテストを出力して、実際に使うソフトで透過が効くか確認するのが一番確実です。
ここで独自視点を1つ挙げておきます。透過出力の相談を見ていくと、失敗の半分以上は「AviUtl側で透過が作れていない」のではなく、「形式の選び方が次の工程に合っていない」ケースだと感じます。たとえばOBSに載せたいならWebM、DaVinci Resolveに渡すならProRes 4444か透過PNG連番、AviUtlの別プロジェクトで再利用するならUtVideoのAVI、という具合に、出力の設定より先に「どこで使うか」を決めるだけで、試行錯誤の回数はかなり減ります。
なお、ゆっくりムービーメーカー4(YMM4)で作っている人は、同じ考え方をYMM4の出力画面に当てはめたYMM4で背景透過して出力する方法を参照してください。YMM4とAviUtlでは出力画面の項目がまったく違うため、本記事の手順はそのまま使えません。
拡張編集AVI/BMP出力(RGBA)で透過AVIを出す手順
結論:「ファイル」→「プラグイン出力」→「拡張編集AVI/BMP出力(RGBA)」を選び、「ビデオ圧縮」で「UtVideo RGBA VCM」などRGBA対応の可逆コーデックを選べば、アルファ付きAVIが出力できます。
追加プラグインなしで試せるのがこの方法です。拡張編集を導入していれば、出力プラグインの一覧に「拡張編集AVI/BMP出力(RGBA)」が表示されます。
- 拡張編集のタイムラインで、透過させたい部分に何も置かれていない状態を作る(背景用の図形や画像を置いている場合は非表示にする)
- メニューの「ファイル」→「プラグイン出力」→「拡張編集AVI/BMP出力(RGBA)」を選ぶ
- 保存ダイアログの「ビデオ圧縮」を押し、圧縮プログラムを選ぶ
- 容量を気にしないなら「RGBA(32bit)」(非圧縮)、容量を抑えるなら「UtVideo RGBA VCM」(Ut Video Codec Suiteの導入が必要)を選ぶ
- 可逆圧縮コーデックを選んだ場合は「設定」でRGBAの形式になっているか確認する
- ファイル名を付けて保存する
Ut Video Codec Suiteのような可逆圧縮コーデックを使うと、非圧縮のRGBA(32bit)より大幅に小さくなります。解説サイトでは4〜10倍程度小さくなるとされていますが、映像の内容(動きの多さ、色数)で圧縮率は変わります。数十秒の素材でも非圧縮だと数GB単位になることがあるので、特別な理由がなければ可逆圧縮を選びましょう。可逆圧縮の代替としてLagarithが挙げられることもありますが、読み込み側でも同じコーデックが必要になる点は変わりません。
うまくいかない条件も書いておきます。
- 音声は付かない:このプラグインは映像専用です。音声が必要なら、同じ範囲を別途WAVで書き出して、読み込み側で合わせます
- 読み込み側にもコーデックが必要:UtVideoで出したAVIは、受け取る側のPCにもUt Video Codec Suiteが入っていないと開けないことがあります。他人に渡すなら透過PNG連番の方が安全です
- ファイル形式でBMPを選ぶと連番BMPになる:保存時のファイルの種類で「BmpFile(*.bmp)」を選ぶと、アルファ付きの連番BMPとして出力されます。PNGより容量が大きくなりやすいので、画像連番が欲しいなら次章のffmpegOutの方が扱いやすいです
出力後の確認は、同じAviUtlのタイムラインにドラッグ&ドロップし、オブジェクトの設定で「アルファチャンネルを読み込む」にチェックを入れて行います。本体ウィンドウの「ファイル」→「開く」から読み込むとアルファは使われないため、「透過されていない」と勘違いしやすい点に注意してください。
ffmpegOutで透過PNG連番・WebM・MOVを出す手順
結論:ffmpegOutの標準プリセットにある「png連番(rgba)」を選べば透過PNG連番、「vp9 rgba (webm)」を選べば透過WebMが出せます。ProRes 4444などのMOVはプリセットが用意されていないことがあり、FFmpegのオプションを自分で書く必要があります。
ffmpegOutは、AviUtlからFFmpegにフレームを渡してエンコードさせる出力プラグインです。FFmpegが対応している形式なら原理的に出力できるため、透過形式の選択肢が一気に広がります。
透過PNG連番を出す
- rigaya氏の配布ページからffmpegOutを入手し、説明に従って導入する(FFmpeg本体も必要)
- 「ファイル」→「プラグイン出力」→「ffmpegOut」を選ぶ
- 「ビデオ圧縮」を押し、プリセットから「png連番(rgba)」を選ぶ
- 出力先フォルダを空のフォルダにして保存する
連番出力は1フレームごとに1ファイルができるため、30fpsで1分なら1,800枚になります。デスクトップに直接出すと大変なことになるので、必ず専用フォルダを作ってから出力しましょう。連番画像の出力で「ファイルの出力に失敗しました。」と出る事例はffmpegOutのIssueでも報告されており、出力先のパスやファイル名の指定が原因になっていることがあります。解決しない場合は、AviUtlで出力できない・0秒になる原因と対処法の切り分け手順も試してください。
透過WebM(VP9 alpha)を出す
プリセットの「vp9」系から「vp9 rgba (webm)」を選んで保存します。以前はこうしたプリセットを有志が個別に配布していましたが、現在はffmpegOutのデフォルトのプリセット群に含まれていると配布者自身が案内しています。手元に見当たらない場合は、ffmpegOutのバージョンが古い可能性があります。
WebMは容量が小さく、ブラウザや配信ソフトで扱いやすいのが利点です。一方、エンコードに時間がかかりやすいこと、編集ソフトによっては透過が効かないことがある点は把握しておきましょう。
MOV(ProRes 4444 / QuickTime Animation)を出す
ProResはffmpegOutでも扱えますが、透過に使えるプロファイルのプリセットは用意されていないことがあり、FFmpegのコマンドライン(エンコーダ、プロファイル、ピクセルフォーマット)を手動で設定する必要があります。ProResで透過を持てるのは4444系のプロファイルで、422系を選ぶとアルファは入りません。設定を誤っても出力自体は成功してしまうため、「MOVで出したのに背景が黒い」ときは、まずプロファイルとピクセルフォーマットがアルファを含むものになっているかを疑ってください。
有志が作成したプリセット(.stgファイル)を配布しているページもありますが、中身はFFmpegへのオプションです。出どころの分からない設定ファイルを入れるより、配布元が明示されているものを選び、何を指定しているか読める範囲で確認してから使う方が安心です。
ここまでの手順、1本ぶんまるごと自動でやりますShorty はテーマを入力するだけで、台本・AI音声・字幕・BGMを揃えた雑学ショート動画を生成します。無料プランは30日5本まで。無料で作ってみる背景が黒くなる・白くなる原因を症状別に切り分ける
結論:黒くなるなら「アルファを持てない形式で出した」「背景に何か置いている」「読み込み側でアルファを読んでいない」のどれか、白くなるなら多くは「表示ソフトが透明部分を白で描いている」か「透過を持たない形式に変換された」ケースです。
原因を絞り込むために、次のチェックリストを上から順に確認してください。
- [ ] 出力に使ったのは、x264guiExなどアルファを持てない形式ではないか
- [ ] 拡張編集AVI/BMP出力(RGBA)の圧縮が、RGBA対応のコーデック・設定になっているか
- [ ] タイムラインに、背景用の図形・画像・単色のオブジェクトが残っていないか
- [ ] シーンを使っている場合、シーン側で「アルファチャンネルあり」の設定にしているか
- [ ] 読み込み側で「アルファチャンネルを読み込む」などの設定を有効にしているか
- [ ] 読み込み側のPCに、同じコーデック(UtVideo等)が入っているか
- [ ] 途中で変換ソフトを通してアルファが消えていないか
- [ ] 画像ビューアの表示だけを見て「白い」と判断していないか
| 症状 | よくある原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 出力した動画の背景が真っ黒 | x264guiEx(MP4)で出した | RGBA出力プラグインかffmpegOutのRGBA系プリセットで出し直す |
| RGBA出力したのに黒い | タイムラインに黒い図形・画像・背景レイヤーが残っている | 背景用オブジェクトを非表示にして出力する |
| シーンを使った部分だけ黒い | シーンにアルファチャンネルが付いていない | シーンの設定で「アルファチャンネルあり」にチェック |
| AviUtlに読み込むと黒い | 「アルファチャンネルを読み込む」が未チェック、または本体の「開く」で読んだ | タイムラインにドラッグ&ドロップし、オブジェクト設定でチェック |
| 他の編集ソフトで黒い | そのソフトがコーデックのアルファを解釈しない | 透過PNG連番、またはそのソフトが公式に対応する形式で出し直す |
| 画像を開くと背景が白い | ビューアが透明部分を白で表示している | 編集ソフトやチェッカー柄を表示できるソフトで確認する |
| 変換後に背景が白い/黒い | JPGやMP4など透過非対応の形式に変換された | 変換せず、元の透過ファイルを使う |
ここで2つ目の独自視点です。「黒い」と「白い」は、原因の場所が違うことが多いです。黒は「AviUtlが透明部分を黒で埋めた」、つまり出力時点で透過が失われているパターンが中心です。一方の白は、ファイル自体には透過が残っているのに、Windowsのフォトやブラウザなど「表示する側」が透明部分を白い背景の上に描いているだけ、というケースがよくあります。白く見えたらすぐに出力し直すのではなく、まず編集ソフトに読み込んで下の映像が透けるかを確かめると、無駄な再出力を避けられます。
もう一点、ファイルに本当にアルファが入っているかを客観的に確かめたいときは、MediaInfoなどのツールで色空間の欄を見る方法があります。RGBAやYUVAのように「A」が付いていればアルファを含んでいる可能性が高く、RGBやYUVだけなら透過情報は入っていません。
x264guiExなどプラグインの相性トラブルと対処
結論:x264guiExはH.264のMP4を作るためのプラグインで、透過には使えません。透過が必要な工程と、YouTube投稿用の最終書き出しは、使うプラグインを分けるのが正解です。
AviUtlの出力プラグインとして最もよく使われているx264guiExは、高画質・小容量のMP4を作るのに向いていますが、H.264の一般的なMP4にはアルファチャンネルを入れられません。「x264guiExの設定のどこかに透過のチェックがあるはず」と探しても見つからないのはこのためです。同じ作者によるx265guiEx(H.265)なども、一般的なYouTube向けの設定では透過素材の作成用とは考えない方が無難です。
プラグインまわりで起きやすいトラブルと対処をまとめます。
- プラグイン出力の一覧に「拡張編集AVI/BMP出力(RGBA)」がない:拡張編集が正しく導入されていない可能性があります。拡張編集のファイルが本体と同じフォルダ(またはPluginsフォルダ)に置かれているか確認します
- ffmpegOutを選ぶとエラーになる:FFmpeg本体の配置やパスの設定が原因のことが多いです。配布ページの導入手順をもう一度確認します
- UtVideoが圧縮プログラムの一覧に出ない:Ut Video Codec Suiteが未導入か、導入後にAviUtlを再起動していない可能性があります
- 透過素材を読み込むとエラーになる、表示がおかしい:入力プラグイン(L-SMASH Worksなど)が作るキャッシュが影響している場合があります。解説サイトでは、該当する.lwiファイルを削除してAviUtlを再起動する方法が紹介されています
- 出力はできたが音と映像がずれる:透過素材そのものではなく、最終書き出し時のフレームレートや可変フレームレート素材が原因のことがあります。AviUtlの音ズレの直し方で、入力と出力のフレームレートをそろえる手順を確認してください
おすすめの考え方は、「素材を作る出力」と「完成品を書き出す出力」を分けることです。立ち絵や字幕パーツなど、あとで重ねる素材は透過できる形式(PNG連番やUtVideoのAVI)で出し、それを最終のプロジェクトに読み込んで合成します。完成した動画はx264guiExでMP4にしてYouTubeへ投稿します。YouTubeにアップロードする完成動画は透過している必要がないので、最後はx264guiExで問題ありません。
AviUtl2(AviUtl ExEdit2)で背景透過出力するときの違い
結論:AviUtl2では出力の仕組みが無印AviUtlから変わっており、PNG出力に「透過付き」「透過無し」を選ぶ項目があります。無印用のプラグインはそのままでは使えないことが多いため、AviUtl2対応版かどうかを確認してから導入します。
AviUtl2(AviUtl ExEdit2)は、無印AviUtl+拡張編集を作り直した新しい系統です。解説サイトによると、AviUtl2ではPNGファイル出力で「PNGファイル(透過付き)」と「PNGファイル(透過無し)」を選べ、透過無しを選ぶとオブジェクトが置かれていない部分は黒で出力されます。静止画や連番で透過が欲しいなら、まずこの「透過付き」の選択を確認しましょう。
動画の出力については、AviUtl2に標準で用意されている出力(AVIファイル出力など)が透過付き動画に対応するかどうかは、本記事の執筆時点で公式情報として確認しきれていません。AviUtl2の連番PNG出力で透過がうまくいかないという声もあり、その場合はffmpeg系の出力プラグインで「png連番(rgba)」を選ぶ方法が代替として挙げられています。また、AviUtl2向けにAPNG・GIF・WebP・AVIFなどのアニメーション画像を出力するプラグインを有志が公開している例もあります。
AviUtl2で注意したいポイントは次の3つです。
- 無印AviUtl用のプラグインとは互換性がない場合がある:無印用のx264guiExやffmpegOutをそのまま入れても動かないことがあります。配布ページに「AviUtl2対応」と明記されているものを使いましょう
- メニューや項目名が変わっている:無印の解説記事の手順が、AviUtl2の画面にそのまま当てはまらないことがあります
- 更新が速い:AviUtl2は開発が活発で、出力まわりの仕様も変わる可能性があります。困ったら最新の配布ページの更新履歴を確認してください
無印AviUtlで安定して動いている環境があるなら、透過素材づくりのためだけにAviUtl2へ移行する必要はありません。逆に、これから新しく始める人や、無印の導入でつまずいている人は、AviUtl2の「PNGファイル(透過付き)」から試すのが手軽です。
顔出しなしYouTubeで透過出力を使う場面と向き・不向き
結論:透過出力が本当に必要なのは「別ソフトや別プロジェクトで重ねる素材」を作るときだけです。AviUtlの中で完結する動画なら、透過出力をせずにタイムライン上で重ねる方が手間も画質劣化も少なく済みます。
顔出しなしのYouTube運営で透過出力を使う代表的な場面は次のようなものです。
- 立ち絵や字幕の枠、ロゴなどを一度パーツとして書き出し、複数の動画で使い回す
- AviUtlで作ったアニメーション素材を、DaVinci ResolveやPremiere Proの編集プロジェクトに持ち込む
- OBSの配信画面に載せるオーバーレイ(テロップ、キャラクター)を作る
- 動画内の演出パーツ(テロップのアニメーション、エフェクト)を素材として配布する
一方で、次のようなケースでは透過出力にこだわらない方が効率的です。
- AviUtlのプロジェクト内で最後まで編集が完結する:タイムラインのレイヤーで重ねれば十分です
- 容量や書き出し時間を減らしたい:透過形式はMP4より大きく、書き出しにも時間がかかります
- 受け取る側の環境が分からない:コーデック依存の形式は開けないリスクがあるため、渡すなら透過PNG連番にします
たとえば、ずんだもんの立ち絵を口パク付きで動かすパーツを作りたい場合、毎回同じ動きを書き出して使い回すなら透過出力は便利です。ただ、動画ごとにセリフと口パクが変わるなら、AviUtlの中で直接立ち絵を配置した方が早いでしょう。立ち絵の動かし方そのものはAviUtlで立ち絵を動かす方法で解説しています。動画全体の流れはずんだもん動画の作り方や、図解・テロップが中心になる雑学動画の作り方も参考になります。
AviUtlで素材を作り込むのは自由度が高い反面、ショート動画を数多く出したい段階では編集の手間がボトルネックになりがちです。その場合の選択肢の1つとして、当サイトが開発・運営しているShortyのような、テキストからショート動画を作るツールを併用する方法もあります。ただし無料プランは1本30秒まで・30日で5本まで・生成した動画の保存は7日間・ショート形式のみという制約があり、透過素材の書き出しや細かいレイヤー編集のような用途には向きません。細部まで作り込みたい動画はAviUtl、量を出したい定型のショートは別ツール、と用途で使い分けるのが現実的です。
よくある質問
AviUtlでMP4のまま背景透過して出力できますか?
できません。一般的なH.264のMP4はアルファチャンネルを持てないため、透明部分は黒で埋まります。透過が必要なら、AVI(UtVideo RGBA)、透過PNG連番、WebM(VP9 alpha)、MOV(ProRes 4444)などアルファに対応した形式で出力してください。YouTubeに投稿する完成動画は透過不要なので、最終書き出しだけMP4にする運用が一般的です。
拡張編集AVI/BMP出力(RGBA)で音声は出せますか?
出せません。拡張編集AVI/BMP出力(RGBA)は映像専用で、音声は付かない仕様です。音声が必要なら同じ範囲をWAVで別途書き出し、読み込み側で映像と合わせます。ffmpegOutで出力する形式によっては音声を含められる場合もあるので、音声込みの1ファイルにしたいならffmpegOutを検討してください。
透過PNG連番とUtVideoのAVI、どちらがおすすめですか?
受け渡し先が決まっていないなら透過PNG連番、AviUtl内で再利用するならUtVideoのAVIがおすすめです。PNG連番はほとんどのソフトで読める反面、ファイル数が膨大になります。UtVideoのAVIは1ファイルで扱いやすいものの、読み込むPCにもUt Video Codec Suiteが必要です。
出力したPNGの背景が白く見えるのは失敗ですか?
失敗とは限りません。画像ビューアやブラウザは透明部分を白い背景の上に表示することが多く、ファイル自体は透過しているケースがよくあります。編集ソフトに読み込んで下の映像が透けるか、チェッカー柄で透明を表示できるソフトで開いて確認してから、再出力するかを判断してください。
透過動画をAviUtlに読み込むと背景が黒くなります。どうすればいいですか?
タイムラインにドラッグ&ドロップし、オブジェクトの設定で「アルファチャンネルを読み込む」にチェックを入れてください。本体ウィンドウの「開く」から読み込んだ場合や、このチェックを入れていない場合はアルファが無視されます。それでも黒いなら、ファイルに本当にアルファが入っているかMediaInfo等で確認します。
x264guiExに透過の設定はありますか?
一般的なMP4出力の設定としては用意されていません。x264guiExはH.264でMP4を作るためのプラグインで、H.264の一般的なプロファイルにはアルファを入れる仕組みがないためです。透過素材は拡張編集AVI/BMP出力(RGBA)かffmpegOutで作り、完成品の書き出しにだけx264guiExを使うと役割分担がはっきりします。
DaVinci ResolveやPremiere Proに渡すならどの形式がいいですか?
確実性重視なら透過PNG連番、1ファイルで扱いたいならMOV(ProRes 4444)が候補です。ProResで透過を持てるのは4444系のプロファイルで、422系ではアルファが入りません。WebM(VP9 alpha)は容量が小さい一方、ソフトやバージョンで透過の扱いが変わることがあるため、事前に短いテストで確認してください。
AviUtl2でも同じ方法で透過出力できますか?
一部は同じ考え方ですが、手順は異なります。AviUtl2ではPNG出力で「透過付き」「透過無し」を選べるため、静止画や連番はそこで透過を指定します。無印AviUtl用のプラグインはそのまま使えないことがあるので、動画の透過出力にはAviUtl2対応と明記された出力プラグインを使ってください。
シーンを使った部分だけ背景が黒くなるのはなぜですか?
シーンにアルファチャンネルが付いていないためです。拡張編集のシーンは初期状態では背景が黒いものとして扱われるため、シーンの設定ダイアログで「アルファチャンネルあり」にチェックを入れると、ほかのシーンに重ねたときに透過されます。
透過素材を使うと動画の書き出しが重くなりますか?
素材の形式によっては重くなります。非圧縮RGBAや高ビットレートのMOVは読み込みの負荷が大きく、プレビューや書き出しが遅くなりがちです。容量と負荷を抑えるなら、可逆圧縮のUtVideoを使う、必要な尺だけ切り出して出力する、使い回さない素材はタイムライン上で直接重ねる、といった工夫が有効です。
まとめ
AviUtlで背景透過を残したまま出力するには、アルファチャンネルを持てる形式を選ぶことが大前提です。
- 無印AviUtlなら「拡張編集AVI/BMP出力(RGBA)」+UtVideo RGBA VCM、またはffmpegOutの「png連番(rgba)」「vp9 rgba (webm)」が基本ルート
- x264guiExのMP4は透過できない。透過素材づくりと完成品の書き出しでプラグインを分ける
- 形式は「次にどのソフトで使うか」から逆算する。迷ったら透過PNG連番が最も安全
- 黒くなるのは出力時点で透過が失われているケースが多く、白く見えるのは表示側の問題であることが多い
- 読み込み時は「アルファチャンネルを読み込む」、シーンは「アルファチャンネルあり」を確認する
- AviUtl2はPNG出力の「透過付き」を確認し、プラグインはAviUtl2対応版を使う
最後に、どの方法でも本番の前に数秒のテスト出力を作り、実際に使うソフトで透けるかを確認することをおすすめします。形式・コーデック・読み込み側の組み合わせは環境によって結果が変わるため、この一手間が最も確実なトラブル対策になります。YMM4を使っている場合は、YMM4で背景透過して出力する方法もあわせて確認してください。