YMM4(ゆっくりMovieMaker4)をダウンロードして、いざ YukkuriMovieMaker.exe をダブルクリックしたら——何も起きない。あるいは青い画面が出て止まる。一瞬ウィンドウが出て消える。ゆっくり解説チャンネルを始めようとした人が、編集画面にたどり着く前に脱落する最初の関門がここです。
結論を先に書きます。YMM4 が起動できない原因は「解凍していない」「Windows のセキュリティ機能に止められている」「必要なファイルが消されている・古いファイルに戻されている」の3系統にほぼ集約されます。 そして、この3つは画面に何が出るかで切り分けられます。何も出ないのか、警告ダイアログが出るのか、一瞬出て落ちるのか。それだけで、読むべき章が決まります。
ここで、多くの解説記事が触れていない現実を1つ先に共有します。「再インストールしたら直ったのに、数日後にまた起動しなくなる」という再発ループにハマっている人がかなりいます。 これは手順が悪いのではなく、置き場所とセキュリティソフトの設定を直していないからです。原因を消さずに症状だけ消しているので、当然また出ます。この記事では、その根本側も後半で扱います。
なお、YMM4 は公式配布物が Windows 専用です(Windows 8.1 以前・Mac・Linux・ChromeOS・iOS・Android は非対応)。まずこの前提を外していないかだけ、先に確認しておいてください。
なお、YMM4の操作より先に「1本を最後まで作り切る順番」を知っておきたい場合は、ずんだもん動画の作り方と無料ツールの組み合わせ方を読むと、この記事がどの工程の話なのかがはっきりします。
YMM4が起動できない9つの原因を「画面に何が出るか」で3つに束ねる
最初にやるのは、インストールのやり直しではなく「症状の分類」です。 ここを飛ばすと、関係ない対処を延々と試すことになります。
YukkuriMovieMaker.exe をダブルクリックした直後に何が起きるかを、次の表で照合してください。
| 症状(画面に出るもの) | 分類 | 想定される主な原因 | 読むべき章 |
|---|---|---|---|
| 何も起きない・反応が一切ない | A:無反応型 | ZIP を展開していない/exe が削除されている/二重起動 | 症状Aの章 |
| 青い画面「WindowsによってPCが保護されました」 | B:警告型 | SmartScreen によるブロック | 症状Bの章 |
| 「スマート アプリ コントロールが…ブロックしました」 | B:警告型 | Windows 11 のスマートアプリコントロール | 症状Bの章 |
| 「Microsoft Store でアプリを検索しますか?」 | B:警告型 | 実行ファイルのブロック状態(ゾーン情報) | 症状Bの章 |
| ウイルス検出の通知が出て消える | B:警告型 | セキュリティソフトの誤検知 | 症状Bと再発の章 |
| 一瞬ウィンドウが出て即座に落ちる | C:クラッシュ型 | 必要な DLL 欠落、ファイル破損 | 症状Cの章 |
| 「例外が発生しました」等のエラー表示 | C:クラッシュ型 | 設定ファイルの破損、環境不足 | 症状Cの章 |
| 「Format of the executable (.exe) or library (.dll) is invalid」 | C:クラッシュ型 | ファイルが不完全・欠損している | 症状Cの章 |
| 起動はするが真っ暗・すぐ固まる | C:クラッシュ型 | GPU / DirectX まわり | 症状Cの章 |
このうち圧倒的に多いのが A の「ZIP を展開していない」と B の「SmartScreen」です。 初回起動で詰まっている人は、まずこの2つを潰すだけで大半が抜けられます。逆に、以前は動いていたのに急に起動しなくなった人は、B の誤検知か、次章以降で扱う「ファイルが消えている/古いファイルに戻されている」を最優先で疑ってください。
上から順に潰す切り分けフロー12ステップ
必ず上から順にやってください。 途中を飛ばすと、どこで直ったのか分からず、再発したときにまた同じ時間を使うことになります。1ステップあたり1〜3分です。
- ZIP を「展開」したか確認する。 ダウンロードした zip を右クリック →「すべて展開」を実行し、展開後のフォルダにある
YukkuriMovieMaker.exeを起動しているかを見ます。zip の中身をダブルクリックして直接実行していると、正常に起動しません。相談の中でも特に多い入口です。 - 展開先が OneDrive・デスクトップ同期対象・USB メモリ・ネットワークドライブになっていないか確認する。 該当するなら、
C:\ymm4\のようなローカルの単純な場所へフォルダごと移動してから起動し直します。 - 展開先のパスに日本語・全角スペース・環境依存文字が含まれていないか確認する。 ユーザー名が日本語の場合も含めて、
C:\ymm4\のような半角英数字だけのパスに置くのが安全側です。 YukkuriMovieMaker.exeがそもそも存在するか、エクスプローラーで目視する。 無ければセキュリティソフトに削除された可能性が高いので、ステップ8へ。- exe を右クリック →「プロパティ」を開き、下部に「セキュリティ:このファイルは他のコンピューターから取得したものです」という表示と「許可する」チェックがあれば、チェックを入れて OK。 インターネット由来のゾーン情報が残っていると、起動が止まったり Microsoft Store のダイアログに飛ばされたりします。
- 青い画面「WindowsによってPCが保護されました」が出るなら、「詳細情報」をクリック →「実行」を押す。 初回のみで、以降は出なくなります。ここで「実行しない」を押し続けている限り永久に起動しません。
- Windows 11 で「スマート アプリ コントロール」の警告が出るなら、Windows セキュリティ →「アプリとブラウザー制御」→「スマート アプリ コントロールの設定」でオフにする。 ただしこれは OS 全体の保護レベルを下げる操作なので、意味を理解したうえで判断してください(後述のリスクも参照)。
- Windows セキュリティ →「ウイルスと脅威の防止」→「保護の履歴」を開き、YMM4 関連が隔離・削除されていないか確認する。 あれば「デバイスで許可」または「復元」を実行し、続けて「除外の追加または削除」で YMM4 のフォルダを除外に追加します。
- サードパーティ製のセキュリティソフトを入れているなら、その検知ログも確認する。 製品によっては警告を出さずに黙って起動をブロックするため、Windows セキュリティ側だけ見ても何も出ません。ここが盲点になりやすい箇所です。
- PC を再起動してからもう一度起動する。 前回のプロセスが残っている、更新が保留になっている、といった単純な理由で起動しないケースがあります。
- 公式サイトから最新版を再ダウンロードし、クラウド同期外の場所へ新規展開して起動する。 上書きではなく、新しいフォルダに展開してください。設定は引き継がず、素の状態で起動するかを見ます。
- YMM4 本体で駄目なら「YMM4 Lite」を試す。 軽量版で起動するなら、環境側(GPU・ランタイム・保護機能)に原因が絞れます。逆に Lite でも起動しないなら、ステップ1〜9のどれかが残っています。
ここまでで、初回起動トラブルの大半は解消します。それでも駄目な場合は、症状Cの章とログ確認の章へ進んでください。
症状A:ダブルクリックしても何も起きない
「何も起きない」は、エラーではなく「そもそも実行されていない」状態です。 犯人は次の4つに絞られます。
A-1:ZIP を展開していない(最頻)
Windows は zip の中身をフォルダのように表示できてしまうため、展開したつもりで中身を直接実行している人が非常に多いです。YMM4 は本体 exe のほかに多数のファイルを参照するので、圧縮されたままでは正常に動きません。
正しい手順は次のとおりです。
- ダウンロードした zip を右クリックする。
- 「すべて展開」を選ぶ。
- 展開先を指定する(
C:\ymm4\を推奨)。 - 展開されたフォルダを開き、
YukkuriMovieMaker.exeを実行する。
「展開先の指定」を既定のままにしてダウンロードフォルダの奥深くに展開してしまうと、後で場所が分からなくなります。 ここで意識的に C:\ymm4\ を指定しておくと、日本語パス問題とクラウド同期問題を同時に回避できて一石三鳥です。
A-2:exe そのものが消えている
セキュリティソフトが YukkuriMovieMaker.exe を誤検知して削除するケースが、公式 FAQ にも項目として存在するほど知られています。エクスプローラーでフォルダを開き、exe が実在するかを目で確認してください。
無ければ削除されています。この状態で何度再ダウンロードしても、入れた直後にまた消されます。 除外設定を先にやるのが正解です(後述の再発の章を参照)。
A-3:すでに起動していて、ウィンドウが画面外にある
サブディスプレイを外した後などに、ウィンドウが画面外の座標に残ることがあります。タスクマネージャーで YukkuriMovieMaker のプロセスが動いていないか確認し、動いていれば一度終了してから起動し直してください。
A-4:ファイルの「ブロック」が解除されていない
インターネットからダウンロードしたファイルには、Windows が「他のコンピューターから取得した」というゾーン情報を付けます。これが残っていると起動が止まることがあります。
exe を右クリック →「プロパティ」→ 全般タブの下部に「セキュリティ」欄がある場合、「許可する」にチェックを入れて OK を押してください。公式 FAQ でも、「Microsoft Store でアプリを検索しますか?」が出る場合の対処としてこの操作が案内されています。
症状B:警告ダイアログが出て止まる
ここで出る警告は「YMM4 が危険」という意味ではなく、「Windows がこの配布元を知らない」という意味です。 個人開発のフリーソフトでは日常的に起きます。
B-1:「WindowsによってPCが保護されました」(SmartScreen)
青い画面のやつです。ボタンが「実行しない」しか見えないので、ここで諦める人が多い。
- 青い画面の左上あたりにある「詳細情報」をクリックする。
- 画面が展開され、「実行」ボタンが現れる。
- 「実行」をクリックする。
これで起動します。通常、同じ実行ファイルに対しては初回だけです。ただし、YMM4 を別フォルダに再展開したり、更新で exe が置き換わったりすると、再び出ることがあります。
B-2:「スマート アプリ コントロールがブロックしました」(Windows 11)
Windows 11 のスマート アプリ コントロールは、SmartScreen より強い保護機能です。これに引っかかると「詳細情報 → 実行」の回避ができません。
- スタート →「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「Windows セキュリティ」
- 「アプリとブラウザー制御」→「スマート アプリ コントロールの設定」
- 表示された項目を「オフ」に切り替える
ここで正直に書いておきます。この機能は一度オフにすると、原則として再度オンにするには Windows の再インストールが必要とされています。 また、オフにするということは、未知のアプリ全般に対する保護を外すということです。「YMM4 を動かすためだけに OS の保護を恒久的に下げる」判断が自分にとって妥当かは、一度立ち止まって考えてください。動画編集専用のサブ PC でやる、というのも現実的な選択肢です。
B-3:「Microsoft Store でアプリを検索しますか?」
ダイアログが出て、「はい」でも「いいえ」でも起動しないパターンです。
一般論として、このダイアログは「その拡張子を開けるアプリが無い」ときに出るもので、他ソフトでは .NET ランタイム不足が原因のこともあります。ただし YMM4 の公式 FAQ が案内しているのは、ランタイムの導入ではなく、実行ファイルのプロパティで「許可する」にチェックを入れる操作です。 ここは競合記事で取り違えられやすいところで、「.NET を入れ直したのに直らない」と沼にハマる典型的な経路になっています。まずは公式の手順(プロパティ →「許可する」→ OK)から試してください。
B-4:セキュリティソフトの誤検知
Windows Defender でも、サードパーティ製ソフトでも起こります。対処は次の順です。
- Windows セキュリティ →「ウイルスと脅威の防止」→「保護の履歴」を開く。
- YMM4 関連の項目を見つけ、「デバイスで許可」または「復元」を実行する。
- 「ウイルスと脅威の防止の設定」→「設定の管理」→「除外の追加または削除」で、YMM4 のフォルダを除外に追加する。
- サードパーティ製ソフトを使っている場合は、その製品側でも同じ除外設定を行う。
- YMM4 を再インストール(新規展開)して起動を確認する。
ただし除外設定は、配布元が公式であることを確認したファイルにのみ行ってください。 まとめサイトや再配布リンクから拾った exe を除外に入れるのは、リスクの取り方として推奨できません。YMM4 は公式サイトから直接入手するのが原則です。
ここまでの手順、1本ぶんまるごと自動でやりますShorty はテーマを入力するだけで、台本・AI音声・字幕・BGMを揃えた雑学ショート動画を生成します。無料プランは30日5本まで。無料で作ってみる症状C:一瞬で落ちる・エラーが出る
起動処理は始まっているのに途中で死ぬパターンです。ここは「足りていない」か「壊れている」のどちらかです。
C-1:「Format of the executable (.exe) or library (.dll) is invalid」
公式 FAQ にも登場するメッセージで、実行ファイルやライブラリが不完全な状態であることを示します。ダウンロード中の破損、セキュリティソフトによる部分削除、クラウド同期の途中書き換えなどが典型です。
対処は再インストール一択ですが、必ずクラウド同期の外(C:\ymm4\ など)へ新規展開してください。 同じ場所に上書きすると、壊れたファイルが残ることがあります。
C-2:「例外が発生しました」系のエラー
設定ファイルの破損、リソース不足、バージョンの古さなどが原因として挙げられます。順に潰します。
- 公式サイトで最新版が出ていないか確認し、最新版へ更新する。
- タスクマネージャーでメモリ使用率を確認し、他の重いアプリを終了する。
- 新規展開した素の YMM4 で起動するか試す(設定を引き継がない)。
- それで起動するなら、旧環境の設定ファイルが壊れていたと判断できる。
3の「設定を引き継がずに素の状態で起動できるか」は、起動トラブル全般で最も費用対効果が高いテストです。 素で起動するなら環境は生きており、問題は設定側。素でも起動しないなら環境側。ここで二分できます。
C-3:GPU・DirectX まわり
YMM4 は描画に GPU を使います。DirectX 11 / Shader Model 5.0 に対応した GPU が必要とされており、世代の古い GPU では一部のエフェクト(縁取り、モザイク、色調調整、色ズレ、極座標変換、場面切り替えなど)が機能しないとされています。
また、ノート PC では内蔵 GPU が使われてしまい、搭載しているグラフィックボードが使われないことがあります。この場合は Windows 側で明示的に割り当てます。
- YMM4 を終了する。
- 設定 →「システム」→「ディスプレイ」を開く。
- 関連設定の「グラフィック」をクリックする。
- 「デスクトップ アプリ」を選び、「参照」から
YukkuriMovieMaker.exeを指定する。 - 一覧に追加された項目の「オプション」をクリックする。
- 「高パフォーマンス」を選んで保存する。
GPU ドライバが古い場合は、GPU メーカーの公式サイトから最新版に更新してください。起動はするが画面が真っ暗、という段階まで進んでいる場合は、起動トラブルではなく描画側の問題です。 その場合はYMM4で動画が真っ黒になる原因と対処法側の切り分けに移ったほうが早く着地します。
再インストールしても再発する人の共通点
ここが、この記事で一番読んでほしい章です。 「再インストールで直った」で終わらせている人は、高確率で再発します。理由は2つあります。
共通点1:OneDrive などのクラウドフォルダに置いている
公式 FAQ には、OneDrive 等のクラウドフォルダ内に配置していると、同期のタイミングで古いファイルに上書きされてしまうという趣旨の記載があります。つまり、あなたが正しく更新しても、同期が過去の状態を書き戻して壊す、ということが起こり得ます。
Windows 11 の初期設定では、デスクトップやドキュメントが OneDrive 同期対象になっていることがあります。「デスクトップに置いているから安全」ではなく、「デスクトップだからこそ危ない」場合があるというのが実情です。
対処はシンプルで、C:\ymm4\ のようなドライブ直下のローカルフォルダへ移すだけです。ショートカットをデスクトップに作れば、使い勝手は変わりません。
共通点2:除外設定をせずに復元だけしている
保護の履歴から「復元」しても、除外設定を入れていなければ次回のスキャンでまた消されます。 「直った → 数日後に起動しない → 再インストール」のループは、ほぼこれです。復元と除外はセットで行ってください。
再発防止チェックリスト
一度でも起動トラブルを踏んだ人は、次を全部埋めておくと再発率が大きく下がります。
- [ ] YMM4 は
C:\ymm4\のような半角英数字のローカルパスにある - [ ] OneDrive・Google ドライブ等の同期対象フォルダの外にある
- [ ] USB メモリやネットワークドライブから起動していない
- [ ] Windows セキュリティの除外に YMM4 フォルダを追加済み
- [ ] サードパーティ製セキュリティソフトにも同じ除外を追加済み
- [ ]
YukkuriMovieMaker.exeのプロパティに「ブロック」表示が残っていない - [ ] 公式サイトから入手している(再配布サイト経由ではない)
- [ ] 更新後に一度起動確認をしている
特に最後の項目。更新直後は SmartScreen の警告が再度出たり、更新に失敗して不完全な状態になったりします。 「動画を作ろうと開いたら起動しない」を締め切り当日にやると、その日の投稿が丸ごと飛びます。更新したらその場で1回起動する、を習慣にしてください。
動作環境・バックアップ・ログの確認場所
「自分の PC が要件を満たしていない」可能性を、最後に一度だけ確認しておきます。
| 項目 | 目安 | 確認方法 |
|---|---|---|
| OS | Windows 10(64bit)以降 | 設定 →「システム」→「バージョン情報」 |
| 非対応環境 | Windows 8.1 以前、Mac、Linux、ChromeOS、iOS、Android | 同上 |
| GPU | DirectX 11 / Shader Model 5.0 対応 | dxdiag を実行して確認 |
| 空き容量 | 素材と出力を含めて十分な余裕(10GB以上を推奨) | エクスプローラーでドライブのプロパティ |
| 配置場所 | ローカルの半角英数字パス | エクスプローラーのアドレスバー |
dxdiag は、Windows キー + R を押して dxdiag と入力し Enter で起動します。「ディスプレイ」タブで GPU 名と DirectX のバージョンを確認できます。
なお、YMM4 のユーザーフォルダ(設定やバックアップが入る場所)には、アプリのヘルプメニューから直接開ける導線が用意されています。 起動さえできれば、設定の場所を手探りで探す必要はありません。裏を返すと、起動できない状態ではこの導線が使えないので、設定ファイルの破損を疑うときは「新規展開した素の YMM4 で起動するか」を先に試すほうが速い、という話になります。
Windows 側のログを見たい場合は、イベントビューアー(Windows キー + R →eventvwr)の「Windows ログ」→「アプリケーション」で、起動を試みた時刻のエラーを確認できます。ここに .NET やモジュールのエラーが記録されていれば、原因の特定が一気に進みます。ただしイベントビューアーは情報量が多いので、「起動を試した直後の時刻」で絞り込むのがコツです。
それでも起動しないときの判断軸と代替の選択肢
ここからは、他の記事があまり書かない話をします。
YMM4 は無料で高機能な、ゆっくり解説制作の定番ソフトです。ただし「無料」の対価として、環境構築とトラブル対応の時間を自分で払う設計になっています。 個人開発のフリーソフトである以上、Windows の保護機能の強化やセキュリティ定義の更新で、ある日突然ブロックされる可能性は構造的に残ります。
そこで一度、時間単価で計算してみてください。起動トラブルの調査に毎回1時間かかっていて、週3本投稿しているなら月12時間。その12時間を台本や企画に回したときの差分と、他ツールの学習コストや月額を並べる、という判断です。「無料だから最強」は、自分の時間をコストに数えない場合にだけ成立する結論です。
一方で、乗り換えれば全部解決するわけでもありません。 どのツールにも別の制約があります。
| ツール | 起動・環境トラブルの起きやすさ | 学習コスト | 無料でできる範囲の目安 |
|---|---|---|---|
| YMM4 | 中(Windows のセキュリティ機能と衝突しやすい) | 中(ゆっくり解説に最適化されている) | 無料・機能制限なし |
| AviUtl / AviUtl2 | 高(プラグイン構成に依存) | 高 | 無料・機能制限なし |
| CapCut | 低(インストーラ形式で安定) | 低 | 無料で使えるが素材・テンプレの商用利用条件は要確認 |
| DaVinci Resolve | 低 | 高(本格的な編集ソフト) | 無料版あり・一部機能は有料版のみ |
| Shorty(当サイトが開発・運営) | 低(ブラウザ完結で環境構築が不要) | 低 | 無料プランは1本30秒まで/30日で5本まで/保存7日/ショート形式のみ |
Shorty は当サイトが開発・運営しているショート動画生成ツールです。ブラウザで完結するため、exe のブロックや DLL の欠落といった環境トラブルが起きにくい一方、無料プランでは1本30秒まで、30日で5本まで、保存期間7日、ショート形式のみという明確な制約があります。ゆっくり音声のキャラクター演出を細かく作り込みたい人、長尺の解説動画を作りたい人には向きません。そこは YMM4 のほうが素直です。
現実的な落とし所としては、「主力は YMM4、環境が壊れた日の穴埋めは別の手段」という二段構えです。どのツールにも壊れる日はあるので、投稿が1つの環境に完全依存している状態そのものがリスクだ、というのがここでの主張です。
起動できるようになった後も、YMM4 では別のつまずきが待っています。書き出しで止まる場合はYMM4の出力が止まる・進まない時の対処法、キャラクターが表示されない場合はYMM4で立ち絵が表示されない時の対処法に、それぞれ切り分け手順をまとめてあります。
よくある質問
YMM4が起動しない一番多い原因は何ですか?
ZIP ファイルを展開せずに、圧縮フォルダの中の exe を直接実行しているケースです。初回起動でつまずいている人は、まずここを確認してください。
zip を右クリック →「すべて展開」で解凍し、展開後のフォルダにある YukkuriMovieMaker.exe を実行します。Windows は zip の中身を通常フォルダのように表示できるため、展開したつもりになりやすいのが原因です。
「WindowsによってPCが保護されました」の青い画面から先に進めません。
画面内の「詳細情報」をクリックすると「実行」ボタンが現れます。それを押せば起動します。初回のみで、以降は表示されなくなります。
これは SmartScreen という機能で、配布実績の少ないアプリに対して出ます。YMM4 が危険だという判定ではありません。ただし、公式サイト以外から入手した場合はこの限りではないので、入手元は必ず確認してください。
.NET ランタイムを入れれば直りますか?
YMM4 の起動トラブルでは、必ずしもそこが原因ではありません。公式FAQが案内している対処は、実行ファイルのプロパティで「許可する」にチェックを入れる操作です。
他ソフトの解説を横流しした記事で「.NET を入れ直せ」と書かれていることがありますが、YMM4 でそれを繰り返しても直らないケースが多くあります。まず公式の手順から試すのが遠回りに見えて最短です。
昨日まで動いていたのに急に起動しなくなりました。
セキュリティソフトによる exe の削除か、クラウド同期による古いファイルへの上書きが最有力です。まず YukkuriMovieMaker.exe が実在するか確認してください。
存在しなければ、Windows セキュリティの「保護の履歴」から復元し、除外設定を追加します。存在するのに起動しない場合は、更新に失敗して不完全な状態になっている可能性があるため、公式サイトから新規展開し直してください。
再インストールすると直るのに、しばらくするとまた起動しなくなります。
除外設定を入れていないか、OneDrive などの同期フォルダに置いているかのどちらかです。原因が消えていないので再発します。
対処は、YMM4 を C:\ymm4\ のような同期対象外のローカルパスへ移し、Windows セキュリティとサードパーティ製ソフトの両方に除外を追加することです。この2つを両方やって初めてループが止まります。
スマート アプリ コントロールをオフにしても大丈夫ですか?
OS 全体の保護レベルを下げる操作なので、意味を理解したうえで判断してください。原則として、一度オフにすると再度オンにするのは容易ではありません。
未知の実行ファイルを実行する機会が多い人ほどリスクは上がります。メイン PC で不安がある場合は、動画編集用の環境を分ける、あるいは別の編集ツールを検討するほうが安全な場合もあります。
展開先はどこにするのがいいですか?
C:\ymm4\ のような、ドライブ直下・半角英数字のみのフォルダを推奨します。日本語パスとクラウド同期の問題を同時に回避できます。
デスクトップやドキュメントは OneDrive の同期対象になっていることがあり、ユーザー名が日本語だとパスにも日本語が入ります。使い勝手はデスクトップにショートカットを置けば維持できます。
YMM4 Lite なら起動しますか?
軽量版なので、環境要因が原因の場合は起動することがあります。切り分けのテストとして有効です。
Lite で起動して本体で起動しないなら、GPU や描画まわり、あるいは追加ファイルの欠損が疑わしくなります。逆に Lite でも起動しないなら、ZIP 未展開・ブロック・セキュリティソフトといった、より手前の原因が残っています。
起動はするけれど画面が真っ暗・すぐ固まります。
これは起動トラブルではなく描画側の問題です。GPU ドライバの更新と、Windows のグラフィック設定で YMM4 に高パフォーマンス GPU を割り当てる操作を試してください。
設定 →「システム」→「ディスプレイ」→「グラフィック」から YukkuriMovieMaker.exe を追加し、オプションで「高パフォーマンス」を選びます。ノート PC で内蔵 GPU が優先されている場合に効きます。
どうしても解決しないときの最終手段は何ですか?
公式サイトから最新版を再ダウンロードし、C:\ymm4\ に新規フォルダで展開して、設定を一切引き継がずに起動を試してください。
それで起動すれば環境は正常で、原因は旧フォルダ側にあります。素の状態でも起動しないなら、セキュリティ機能かハードウェア要件のどちらかが残っているので、この記事のステップ5〜9をもう一度、飛ばさずに実行してください。
関連して、YMM4の音量が小さいときの3層切り分けも同じ制作ラインの話なので、まとめて押さえておくと手戻りが減ります。
まとめ
YMM4 の起動トラブルは、原因の数こそ多いものの、切り分けの順番さえ守れば長引く問題ではありません。
- 最初にやるのは再インストールではなく症状の分類。 何も出ないのか、警告が出るのか、一瞬で落ちるのか。それで読むべき章が決まります。
- 初回起動で詰まる人の最頻原因は、ZIP の未展開と SmartScreen。 この2つで大半が抜けられます。
- 急に起動しなくなった人は、exe の存在確認から。 消えていればセキュリティソフトの誤検知です。
- 「Microsoft Store で検索しますか?」に .NET 再インストールで挑むのは遠回り。 公式が案内しているのはプロパティの「許可する」です。
- 再発ループの正体は、除外設定を入れていないことと、クラウド同期フォルダに置いていること。 復元と除外はセットで行ってください。
- 保護機能をオフにする対処には副作用がある。 特にスマート アプリ コントロールは、戻すのが容易ではありません。
そして最後に、身も蓋もない話を1つ。同じトラブルで毎回1時間を溶かしているなら、それは無料ではありません。 ツールを変えるべきだとまでは言いませんが、投稿が1つの環境に完全依存している状態は、それ自体が継続のリスクです。主力を決めたうえで、環境が壊れた日に手が止まらない逃げ道を用意しておく。 それが、顔出しなしで長く投稿を続けるための、地味だけれど効く保険になります。