※2026年9月17日更新。動作確認環境は Windows 11 / ゆっくりMovieMaker4(YMM4)v4.33系です。バージョンによってメニュー名が変わっている項目があるため、該当箇所には旧名称も併記しています。
結論から書きます。YMM4で音量を一括変更する最短ルートは、タイムライン左端のレイヤー名をクリックして開くポップアップの「音量」を動かすことです。そのレイヤーに乗っている音アイテムが一斉に変わり、所要はおよそ10秒。アイテムを1個も選択する必要がありません。
ただし、この記事を「レイヤー名クリックで終わり」にすると、雑学ショートやゆっくり解説を量産している人はほぼ確実にもう一度同じ作業を繰り返します。理由は、「YMM4 音量 一括変更」で検索している人の悩みが、実際には3つの別問題に分かれているからです。
- BGMがうるさい/ボイスが埋もれる=プロジェクト内の相対バランスの問題
- 書き出したら音が小さい/他人の動画より小さい=絶対音量(ラウドネス)の問題
- 動画ごとに音量がバラつく/音量を一定にしたい=デフォルト値と運用設計の問題
この3つは効く操作がまったく違います。1はレイヤー音量、2は出力設定、3はキャラクター設定とテンプレートです。1の問題に出力設定を使っても直りませんし、2の問題にレイヤー音量をいくら足しても直りません。「何時間スライダーを動かしても正解にたどり着かない」という状態は、ほぼ全部この取り違えから生まれています。
そしてもう一つ、あまり書かれていない独自視点を先に置きます。「音が小さい」の原因は、音量が足りないことではなく、たった1個の爆音アイテムであることが多い。YMM4公式FAQは「音量が小さくなる」症状の原因を音割れ対策機能だと明記しており、対策として挙げているのは「音量を上げる」ではなく「極端に大きな音量のアイテムを削除するか、音量を下げる」です。つまり全体を一括で持ち上げるのは誤対処で、正解は犯人1個を探すこと。この記事では、その犯人の見つけ方(音量解析)までセットで扱います。
以下、事故処理(今すぐ直す)と再発防止(二度と一括変更しなくていい設計)を、数値と検証手順つきで並べます。
なお、YMM4の操作より先に「1本を最後まで作り切る順番」を知っておきたい場合は、ずんだもん動画の作り方を無料ツールだけで9ステップに分解した記事を読むと、この記事がどの工程の話なのかがはっきりします。
YMM4の音量を一括変更する最短ルートは「レイヤー名クリック」で10秒
回答:タイムライン左端のレイヤー名をクリックし、開いたポップアップの「音量」スライダーを動かす。これだけで、そのレイヤー上の音アイテムが一斉に変わります。所要10秒、選択操作は不要です。
YMM4のタイムラインは縦方向に「レイヤー1」「レイヤー2」…と並んでいます。この左端に表示されているレイヤー名の文字そのものがボタンになっていて、クリックするとレイヤー設定のポップアップが開きます。ここで触れるのは主に次の3つです。
- レイヤー名(「BGM」「SE」「VOICE_霊夢」など用途名にリネームできる)
- レイヤーの背景色(タイムライン上で役割を目視識別できる)
- 音量(そのレイヤーに置かれた音の出るアイテム全部に効く)
この「レイヤー毎に音量を設定できる」機能は裏技ではなく、開発元「饅頭遣いのおもちゃ箱」がリリースノートで公開している正式機能です。バージョンが古すぎる場合は表示されないことがあるため、見当たらないときはまずYMM4を最新版に更新してください。
具体的な操作ステップ
- YMM4でプロジェクトを開き、タイムラインを表示する
- 音量をまとめて変えたいアイテムが乗っているレイヤーを特定する(例:BGMを全部置いたレイヤー)
- そのレイヤーの左端にあるレイヤー名の文字をクリックする
- 表示されたポップアップの「音量」スライダーを動かす、または数値を直接入力する
- プレビューを再生し、ナレーションとBGMが同時に鳴る箇所で聞こえ方を確認する
- 問題なければポップアップの外側をクリックして閉じる
この操作の強みは、アイテムを1個も選択しなくていいことです。100本のボイスアイテムが並んでいようが、200個の効果音が散らばっていようが、同じレイヤーに乗ってさえいれば1操作で終わります。ゆっくり解説のように「ボイスはレイヤー3」「BGMはレイヤー1」という置き方を守っている人ほど、この機能の恩恵は大きくなります。
レイヤー音量が「効いていないように見える」理由
ここでつまずく人が非常に多いので先に書いておきます。レイヤー音量を下げても、個別アイテムのプロパティに表示される「音量」の数値は変わりません。
レイヤー音量はアイテムの設定値を書き換えるのではなく、レイヤー全体に対して別途掛かる調整だからです。「変えたのに数字が動かない=効いていない」と早合点して、個別アイテム側もさらに下げてしまうと、二重に減衰して極端に小さくなります。判断は数値表示ではなく、必ずプレビューの音とメーターで行ってください。
なお、レイヤー音量と個別アイテム音量が内部的に掛け算なのか上書きなのかは、公開されている資料から断定できる記述を見つけられませんでした。筆者環境では掛け算的に小さくなる挙動でしたが、仕様として保証された記述は確認できていないため、重要なプロジェクトでは必ず小さく試してから本適用してください。
ポップアップが開かないときの確認
レイヤー名をクリックしてもポップアップが出ない場合、YMM4の設定で「レイヤー名クリック時の動作」がレイヤーの表示/非表示の切り替えのみになっている可能性があります。設定画面のタイムライン関連項目を確認してください。この挙動はユーザー側で切り替えられる仕様として案内されています。
また、当然ながらレイヤー音量は「そのレイヤーに乗っているもの」にしか効きません。BGMとSEが同じレイヤーに混在していると、この最強の武器が使えなくなります。一括変更ができないプロジェクトは、たいてい操作を知らないのではなくレイヤー設計が崩れているだけです。これは後半の運用設計パートで作り直します。
一括変更の7つの手段を「効く範囲・所要時間・向いている目的」で比較する
回答:手段は7つあり、選ぶ基準は「相対バランスを直したいのか、絶対音量を揃えたいのか、今後のデフォルトを決めたいのか」です。目的を先に決めれば、迷う余地はほぼありません。
冒頭で書いた3分類(A:相対バランス/B:絶対音量/C:デフォルト値)を軸に、手段を全部並べて比較します。
| 手段 | 効く範囲 | できないこと | 所要時間の目安 | 向いている目的 |
|---|---|---|---|---|
| レイヤー名クリック →「音量」 | 同一レイヤー上の音アイテム全部 | レイヤーをまたいだ一括変更/絶対ラウドネスの担保 | 約10秒 | A:相対バランス |
| 複数選択してプロパティを同時編集 | レイヤーをまたいで選んだアイテム | 安定動作の保証(往復操作で不安定になる報告あり) | 30秒〜2分 | A:部分的な相対調整 |
| 音声エフェクト「音量(dB)」+テンプレート | 選択したアイテム(dB単位で精密) | 選択していないアイテムへの適用 | 1〜3分 | A:精密なバランス |
| 音声エフェクト「コンプレッサー」 | 選択したアイテムのダイナミクス | 平均音量そのものの底上げ(増幅と併用が必要) | 2〜5分 | A:音量を一定に均す |
| キャラクター設定(ファイル → キャラクターを編集) | 以降追加するボイスの基準音量 | 配置済みアイテムへの遡及反映(されない場合あり) | 初回3〜5分 | C:デフォルト値 |
| 動画出力 →「音量調整 / 音割れ対策(コンプレッサー)」 | 書き出す動画全体のラウドネス | 素材同士の相対バランスの是正 | 約30秒 | B:絶対音量 |
| 出力後にAudacityでラウドネス正規化 | 書き出し済みファイル(複数可) | 相対バランスの是正/映像との再結合の手間 | 1本2〜3分 | B:過去分の救済 |
この表で最も誤解されているのは下から2行目です。出力設定は「全体を持ち上げる/下げる」だけなので、BGMがナレーションを食っている問題は絶対に解決しません。逆に、レイヤー音量をいくら触っても「YouTubeにアップしたら音が小さい」は解決しません。
目的別の選び方チェックリスト
- [ ] 直したいのは「BGMだけ」「SEだけ」など特定カテゴリ全体? → レイヤー音量
- [ ] 直したいのはレイヤーをまたいだ飛び飛びのアイテム? → 複数選択+プロパティ同時編集
- [ ] dBで数値を指定したい/同じ設定を再利用したい? → 音声エフェクト「音量(dB)」+テンプレート
- [ ] 大きい箇所と小さい箇所の振れ幅を均したい? → コンプレッサー
- [ ] 今後のすべての動画で同じにしたい? → キャラクター設定+ひな形プロジェクト
- [ ] 「アップロードしたら小さい/大きい」問題? → 動画出力の音量調整
- [ ] すでに書き出したmp4が複数本あって揃えたい? → Audacityのラウドネス正規化+マクロ
順番を間違えると二度手間になる
もう一つ実務的な注意です。作業順は「相対バランス → 絶対音量」で固定してください。先に出力設定でラウドネスを合わせてから中身のバランスを直すと、バランスを触った時点でラウドネスがずれ、もう一度出力設定をやり直すことになります。
正しい順番は次の通りです。
- レイヤー音量・個別音量で素材同士の関係を決める
- 音量解析とメーターで音割れとムラを潰す
- 最後に出力設定で動画全体の高さを目標値へ寄せる
この順番を守るだけで、書き出しのやり直し回数がはっきり減ります。
複数アイテムを選択して音量をまとめて編集する手順と3つの落とし穴
回答:Ctrl / Shift クリック、またはタイムライン上を右ボタンでドラッグして複数選択し、プロパティ欄の「音量」を編集すると一括で反映されます。ただし挙動が不安定になる報告があるため、1操作ずつ確定させる進め方が安全です。
レイヤーをまたいで散らばっているアイテムを直したいときは、こちらが本命になります。「レイヤー3に置いた効果音のうち、パンチ音だけ10個下げたい」「後半パートのボイスだけ持ち上げたい」といったケースです。
複数選択の操作ステップ
- タイムライン上で対象アイテムを1つクリックして選択する
- Ctrl キーを押しながら追加したいアイテムをクリックしていく(飛び飛びの選択)
- 連続した範囲なら Shift キーを押しながら範囲の端をクリックする
- まとめて囲みたいときは、マウスの右ボタンでタイムライン上をドラッグして範囲選択する
- 選択された状態のまま、プロパティ欄の「音量」の数値を編集する
- 何もないところをクリックして選択を解除し、プレビューで反映を確認する
複数選択したアイテムは、ドラッグでまとめて移動したり、Ctrl+C / Ctrl+V / Ctrl+X でまとめてコピー・切り取りすることもできます。台本を差し替えて尺だけ前後させたいときなどにも効きます。
落とし穴1:プロパティ操作とタイムライン操作の往復
プロパティ操作とタイムライン操作を交互に行うと挙動が不安定になることがあります。これは筆者の推測ではなく、YMM4の基本操作を解説している記事で明確に警告されている点です。「数値を編集 → タイムラインでアイテムを動かす → また数値を編集」という往復をすると、意図しないアイテムに値が入る、あるいは反映されないといったことが起こり得ます。
安全側に倒す運用ルールはシンプルです。
- 選択する
- 数値だけ変える
- いったん選択を解除する(何もないところをクリック)
- 必要なら選び直して次の操作に移る
落とし穴2:種類の違うアイテムを混ぜて選ぶ
ボイスアイテムと音声アイテム(BGM/SEとして読み込んだ音声ファイル)は、持っているプロパティが同一ではありません。混在選択すると、共通しないプロパティは編集欄に出てこないか、期待どおりに一括適用されないことがあります。動画アイテムを混ぜた場合も同様です。
一括編集の鉄則は「同じ種類のアイテムだけを選ぶ」。ボイスはボイス、音声は音声でまとめて処理してください。全アイテム種の網羅的な組み合わせ検証は筆者環境ではできていないため、本数の多いプロジェクトでは必ず数個で試してから全体に適用することを勧めます。
落とし穴3:グループ制御を音量に使おうとする
複数アイテムをまとめて制御する仕組みとして、YMM4には「グループ制御」もあります。薄緑色のアイテムとしてタイムラインに置き、「同一グループのみ」のオン/オフやレイヤー範囲(初期値50)を指定して、下のレイヤーのアイテムにまとめて効果をかける機能です。
ただし、グループ制御で音量を一括変更できるかどうかは、筆者が確認できた範囲の公開情報では明記されていませんでした。解説されているのは主に映像側のエフェクトと移動で、音量への適用可否は確認が取れていません。ここは推測で断定せず、「音量目的ならレイヤー音量か複数選択が確実」とだけ述べておきます。
元に戻す手段を先に用意しておく
一括変更は一瞬で効く代わりに、間違えたときの被害も一瞬で広がります。着手前に次の2つだけはやっておいてください。
- プロジェクトファイルを別名で保存しておく(
_before_volumeなどサフィックスを付ける) - 変更前の数値をメモに控える(「BGMレイヤー 50% → 15%」の1行でよい)
Ctrl+Z で戻せる場面がほとんどですが、レイヤー設定のポップアップ操作や複数選択の一括編集は、取り消し履歴の粒度が直感と一致しないことがあります。5秒の保険で30分の作り直しが防げます。
YMM4の音量デフォルトは「ボイス100%・音声アイテム50%」──一括変更が必要になる真因
回答:YMM4の音量は%表記で、100%が「元の音そのまま」です。ボイスアイテムはおおむね100%、動画・音声アイテムは50%が初期値。この非対称な初期値のまま素材を置いていくことが、音量がバラつく最大の原因です。
「YMM4 音量 デフォルト」で検索する人が知りたいのは、たいてい「初期値が正解なのか」です。結論を言うと、初期値は正解ではなく、単なる出発点です。
初期値が揃っていないという事実
- ボイスアイテム:おおむね100%(元の合成音声の音量そのまま)
- 音声アイテム(BGM・SEとして読み込んだ音声ファイル):50%
- 動画アイテム:50%
ここで起きることを考えてみてください。BGMを何も考えずに置くと50%で鳴ります。一方、後述する推奨値では、会話が乗っている区間のBGMは12〜18%が目安です。つまり初期状態のBGMは、推奨値のおよそ3倍の音量で鳴っていることになります。
「YMM4のBGMがうるさい」という悩みが定番なのは、この初期値のギャップが原因です。一括変更で最初に触るべきレイヤーは、ほぼ確実にBGMレイヤーだと断言できます。
%が意味しているのは「元の音に対する比率」
もう一つ重要な前提があります。YMM4の%は素材そのものの音量に対する比率であって、絶対的な音圧を指定しているわけではありません。
したがって、元々小さく収録されたフリーBGMを50%にしたものと、元々大きいBGMを50%にしたものは、まったく違う音量で鳴ります。「BGMは15%にすればいい」という数値だけを丸暗記すると、素材を変えた瞬間に破綻します。
ここが一般論への反論ポイントです。よく見る「BGMは15%が正解」という記述は、素材の音量が揃っている前提でしか成立しません。正しくは「メーターを見ながらボイスとの差を一定に保つ」であり、%はその近似値にすぎません。数値目安は出発点として使い、最終判断はメーターで行ってください。
キャラクターごとにボイスの素の音量も違う
さらに厄介なのが、合成音声エンジンによってボイスの素の音量が違う点です。ゆっくりボイス(AquesTalk系)、VOICEVOX、COEIROINKなどを混ぜて使っている場合、同じ100%でも体感音量が揃いません。掛け合い形式の解説動画で「片方だけ聞き取りにくい」が起きるのはこれです。
この差を埋めるのが、次章以降で扱うキャラクター設定の基準音量と、音声エフェクト「音量(dB)」です。アイテムを1個ずつ触って合わせるのは最後の手段であり、キャラクター単位で一度決めてしまうのが正しい順序になります。
YMM4の音量の目安|ボイス・BGM・効果音の推奨%と音量調整の考え方
回答:目安はボイス70%前後、BGMは会話区間で12〜18%、効果音20〜40%。dBで言えばボイス -1〜-5dB、BGM -5〜-30dB、SE -5〜-15dB、全体のラウドネスは -14 LKFS を超えないのが基準です。
「YMM4 音量 目安」で最も求められている数値をまとめます。ただし前章で書いたとおり、これは出発点であって到達点ではありません。
相対バランスの目安表
| 音の種類 | %の目安(YMM4) | dBの目安 | 補足 |
|---|---|---|---|
| ナレーション/ボイス | 70%前後(キャラクター設定側で底上げする場合は100%超も可) | -1〜-5dB(-1dBを超えない) | 常に最優先。ここを基準に他を決める |
| BGM(会話が乗る区間) | 12〜18% | -20〜-30dB付近 | ボイスの下に完全に潜らせる |
| BGM(会話がない区間) | 20〜30% | -5〜-20dB | 導入・引き・アイキャッチでは上げてよい |
| 効果音(SE) | 20〜40% | -5〜-15dB | 単発で瞬間的に大きい。入れすぎ注意 |
| 環境音・アンビエンス | 5〜15% | -25dB前後 | 存在に気づかれない濃度が正解 |
| ジングル・アイキャッチ | 30〜50% | -5〜-10dB | 無音区間に置く前提。会話と重ねない |
絶対音量(ラウドネス)の目安表
| プラットフォーム | 基準ラウドネス | 超えたときの挙動 | True Peakの目安 |
|---|---|---|---|
| YouTube(通常動画) | -14.0 LKFS / LUFS | 再生時に自動で -14 まで下げられる | -1 dBTP |
| YouTubeショート | -14 LUFS 相当 | 同上 | -1 dBTP |
| ニコニコ動画 | -15.0 LKFS | 同上 | -1 dBTP |
| TikTok / Instagram | -14 LUFS 相当 | 同上 | -1 dBTP |
ここで一般論への反論をもう一つ置きます。「YouTubeが -14 LUFS に揃えてくれるから音量調整はいらない」という説を頻繁に見かけますが、これは半分しか正しくありません。ラウドネス正規化は大きい音を下げるだけで、小さい音を引き上げてはくれません。-20 LUFS で書き出した動画は -20 LUFS のまま、他人の動画より小さく再生されます。「うちの動画だけなんか音が小さい」の正体はほぼこれです。
音量調整で最初に決めるのはボイス、次にBGM
順番も重要です。音量調整は必ず次の順で決めてください。
- ボイスを決める(この動画で一番聞かせたい音。ここが基準点)
- BGMをボイスの下に潜らせる(会話区間で12〜18%)
- SEを差し込む(単発のピークがボイスを超えないように)
- 環境音・ジングルを足す(あくまで隙間を埋める役)
よくある失敗は、BGMを気持ちよく鳴らしてからボイスを合わせにいくパターンです。この順序だとボイスを上げ続けることになり、最終的に全体が音割れ寸前まで膨らみます。ボイスを基準に、他を下げて空間を作るのが正しい方向です。ナレーションとBGMの詰め方をさらに踏み込んで詰めたい場合は、ナレーションとBGMの音量バランスも併せて確認してください。
ショート動画では目安が少し変わる
縦型ショートを量産している場合、上の表をそのまま使うと少し物足りなく感じることがあります。理由は視聴環境です。スマホ内蔵スピーカーは低音がほとんど再生されないため、BGMの存在感が想定より薄くなり、逆にボイスの子音が刺さりやすくなります。
実務上の調整は次の2点です。
- BGMは表の下限寄り(12%前後)にしてボイスの明瞭度を優先する
- SEは表の上限まで使わず、20〜30%に抑える(ピークが全体のラウドネス下げを誘発するため)
雑学系ショートの作り方全体を設計し直したい場合は、雑学動画の作り方で工程そのものを見直したほうが早いこともあります。音量は工程の一部でしかありません。
ここまでの手順、1本ぶんまるごと自動でやりますShorty はテーマを入力するだけで、台本・AI音声・字幕・BGMを揃えた雑学ショート動画を生成します。無料プランは30日5本まで。無料で作ってみるYMM4の音量(dB)と%の換算表|音声エフェクト「音量(dB)」で精密に揃える
回答:YMM4の音量欄は%表記ですが、音声エフェクトの「音量(dB)」を追加すればdB単位で指定できます。%は直感的、dBは精密。複数キャラの音量差を揃える用途では、dBのほうが再現性が高くなります。
「YMM4 音量 db」という検索が一定数あるのは、DTMや配信の経験がある人ほど%表記に戸惑うからです。ここを整理します。
%とdBの対応の目安
YMM4の公式資料に%の厳密な定義は明記されていないため断定はできませんが、振幅比として扱うと実感とおおむね一致します。その前提で計算した対応表が以下です。あくまで見当をつけるための換算であり、最終確認はメーターで行ってください。
| YMM4の音量(%) | 相当するdB(振幅比として計算) | 用途の目安 |
|---|---|---|
| 200% | +6.0 dB | キャラクター設定で素の音量が小さいボイスを底上げ |
| 141% | +3.0 dB | わずかに前に出したいとき |
| 100% | 0 dB | 素材そのまま(ボイスアイテムの初期値) |
| 70% | -3.1 dB | ボイスの実用ライン |
| 50% | -6.0 dB | 音声・動画アイテムの初期値 |
| 40% | -8.0 dB | BGMとしてはまだ大きい |
| 30% | -10.5 dB | 会話のないBGM区間/SEの上限付近 |
| 20% | -14.0 dB | SEの下限付近 |
| 18% | -14.9 dB | 会話区間BGMの上限 |
| 15% | -16.5 dB | 会話区間BGMの標準 |
| 12% | -18.4 dB | 会話区間BGMの下限 |
| 10% | -20.0 dB | 環境音 |
| 5% | -26.0 dB | ほぼ気配だけ |
この表の使いどころは「差を設計するとき」です。たとえば「ボイスとBGMの差は常に14dB確保する」と決めておけば、ボイスが70%(-3.1dB)のとき、BGMは -17.1dB=およそ14%と機械的に決まります。%だけで考えていると、この「差の設計」ができません。
音声エフェクト「音量(dB)」の使い方
- 対象のアイテムを選択する
- プロパティの「音声エフェクト」欄で「+」をクリックする
- 一覧から 「音量(dB)」 を選んで追加する
- dB値を入力する(マイナスで下げる、プラスで上げる)
- プレビューとメーターで確認する
このエフェクトの利点は、アイテムの「音量」%を触らずに済むことです。%は素材の性質に紐づいた値として固定しておき、微調整はdBエフェクト側で行う、という分業ができます。あとから「どこをいじったか分からない」状態になりにくいのが実務上の効き目です。
複数のエフェクトをテンプレートに登録して使い回す
音声エフェクトは複数まとめてテンプレートに登録できます。エフェクト一覧でチェックを入れ、Ctrlキーで複数選択して「テンプレートに追加」で保存する流れです。
登録しておくと効くセットの例を挙げます。
- BGM用セット:音量(dB) -16 + フェードイン・アウト(効果時間0.3〜2秒)
- ボイス用セット:音量(dB) +3 + ハイパスフィルター(低域のノイズ除去)
- SE用セット:音量(dB) -10 + フェードアウト(余韻の切り方を統一)
こうしておくと、素材を置くたびに数値を入れ直す作業が消えます。一括変更の本質的な解決策は「一括で変える」ではなく「最初から同じ値で置く」なので、テンプレート登録はこの記事で二番目に重要な操作です。効果音の置き方そのものを整理したい場合は、先に配置ルールを決めておくと崩れにくくなります。
dBで揃えるときの注意
dB指定は精密ですが、万能ではありません。
- プラス方向に振ると音割れリスクが上がります。+6dB は音量を2倍にする指定なので、元素材にピークが立っていると簡単に0dBを超えます
- エフェクトの適用順序で結果が変わります。コンプレッサーの前に上げるか後に上げるかで、聞こえ方はかなり違います
- ノイズも一緒に持ち上がります。素の録音が悪いボイスを+6dBしても、聞きやすくはなりません
上げるより下げるほうが安全、というのは音の世界の原則です。ボイスを上げるのではなく、BGMとSEを下げてボイスの居場所を作る方向で組んでください。
音量解析とメーターで「音量が小さい」の真犯人を特定する
回答:メニューの[ツール] → [音量解析] を実行し、[すべて解析] で動画全体のピークとラウドネスを走査します。音割れ箇所は赤線で表示されるため、「音が小さい」の原因になっている爆音アイテムがここで一発で見つかります。
ここがこの記事で一番伝えたいセクションです。「YMM4 音量 小さい」で検索した人の多くは、全体を持ち上げようとして失敗しています。
なぜ「一括で上げる」が逆効果になるのか
YMM4公式FAQは、書き出した動画の音量が小さい症状について、原因を音割れ対策機能だと明記しています。そして挙げられている対策は次の2つです。
- 極端に大きな音量のアイテムを削除するか、音量を下げる
- 動画出力の「その他 → 音割れ対策」をオフにして、音割れを許容する
つまり、動画全体が小さく書き出されているのは、どこか1か所に突き抜けた音があって、それを音割れさせないために全体が引き下げられているという構造です。ここで全アイテムの音量を一括で上げると、引き下げ幅がさらに大きくなるだけで、体感音量はほとんど改善しません。
「音が小さい」の正しい初動は、音量を上げることではなく、犯人を探すことです。これは多くの解説記事が飛ばしている工程で、実際には最も効率のいい手順です。音量が小さい症状の切り分けをもっと詳しく追いたい場合は、YMM4の音量が小さいときの対処も参照してください。
音量解析の手順
- 編集がひととおり終わったら、メニューの [ツール] → [音量解析] を開く
- 解析対象にしたいレイヤーが表示状態になっていることを確認する(非表示レイヤーは解析されません)
- [すべて解析] をクリックして動画全体を走査する
- グラフを見て、赤線が出ている箇所を特定する(そこが音割れしている)
- タイムラインの該当時刻に戻り、原因アイテムの音量を下げる
- 再度解析し、赤線が消えたことを確認する
複数レイヤーを同時に鳴らしている場合は、それらすべての音声がまとめて解析されます。逆に言えば、非表示にしているレイヤーは解析結果に含まれません。「解析では問題なかったのに書き出したら音割れした」というときは、まずレイヤーの表示状態を疑ってください。
解析結果の見方の目安として、全体がおおむね -15dB付近で推移していれば健全な状態と言われます。谷と山が極端に開いている場合は、次に説明するコンプレッサーの出番です。
ピークメーターとラウドネスメーターの読み方
YMM4にはプレビュー横に2種類のメーターがあります。
- ピークメーター:瞬間的な音量。デジタル上限は0dBで、超えると音割れが発生する
- ラウドネスメーター:人が耳で感じる音の大きさ。一定区間の平均値
初期状態では片方のバーだけ表示されていることがあり、設定からもう一方も表示できます。また設定で「シーク時にサウンドレベルメーターを更新」をONにすると、プレビュー再生をしなくてもシークするだけでメーターが動きます。処理は重くなりますが、確認効率は大きく上がります。
運用上の合格ラインは次の通りです。
| 確認項目 | 合格ライン | 不合格のときの症状 |
|---|---|---|
| ピーク(メイン音声) | 黄色の中央〜赤に軽く触れる程度 | 緑のままだと全体が小さすぎる |
| ピーク(BGM) | 緑ゲージの6〜7割 | 黄色まで来ているとボイスを食う |
| ピーク(絶対上限) | 0dBに触れない(True Peak -1dBTP以下) | 触れていると音割れ |
| ラウドネス | -14 LKFS 付近(大きく上下しない) | 下回ると「音が小さい動画」になる |
答え合わせはYouTubeの「詳細統計情報」で行う
ここが実務で最も見落とされている工程です。書き出してアップロードした後、YouTubeの再生画面で答え合わせができます。
- アップロードした自分の動画をYouTubeで再生する
- 画面を右クリックして 「詳細統計情報」(Stats for nerds)を開く
- Content Loudness の項目を見る
ここに表示される値が、YouTube側が「あなたの動画をどれだけ下げたか/基準からどれだけ離れているか」の実測値です。マイナス方向に大きな値が出ていれば、書き出し時点で大きすぎたということ。値が出ていない、あるいはプラス方向であれば、動画が基準より小さいということになります。
メーターは予測、詳細統計情報は実測です。2〜3本この数値を控えるだけで、自分のプロジェクトの「出力設定をどこに置くべきか」が経験則ではなく数字で決まります。これをやっている個人チャンネルはかなり少数で、やるだけで音まわりの精度が一段上がります。
音源そのものの扱いにも注意が必要
音量の話から少し離れますが、一括変更でBGMを差し替える流れになったときに一番危険なのは、利用条件を確認していない音源を使ってしまうことです。音量が原因で動画が消えることはありませんが、音源の扱いを誤ると著作権の申し立てや、繰り返せばチャンネルへの警告に繋がります。申し立てと警告は種類も影響もまったく違うので、YouTube違反警告の種類と確認方法で先に区別を押さえておくと、いざというとき慌てずに済みます。
動画全体の音量を一定にする|出力設定の音量調整と-14LKFS
回答:v4.33.0.0以降は、動画出力の「音量調整 / 音割れ対策(コンプレッサー)」で目標ラウドネス(YouTubeなら -14.0 LKFS)を指定でき、これが実質的に最強の一括変更です。編集側を一切触らずに動画全体の高さを揃えられます。
「YMM4 音量 一定」で探している人が求めているのは、ほぼこの機能です。個々のアイテムを触る必要すらなく、書き出し時に動画全体を目標ラウドネスへ寄せられます。
設定ステップ
- 編集を終えたら [ファイル] → [動画出力] を開く
- 「音量調整 / 音割れ対策(コンプレッサー)」 の項目を探す
- 音量調整で挙動を選ぶ - 目標音量まで下げる:目標値を超えているときだけ下げる - 目標音量にする:下回っていれば上げ、超えていれば下げる
- 目標ラウドネス値を入力する(YouTubeなら -14.0 LKFS、ニコニコなら -15.0 LKFS)
- 圧縮比率(音割れ対策コンプレッサー) を選ぶ(圧縮しない/自動/カスタム)
- 出力して、メーターまたはYouTubeの詳細統計情報で実測する
「目標音量まで下げる」と「目標音量にする」の違いは決定的です。小さすぎる動画を持ち上げたいなら「目標音量にする」を選ばないと何も起きません。前述のとおりYouTube側は上げてくれないので、上げるのは自分の仕事です。ここの選択肢を取り違えているケースが非常に多いポイントです。
旧バージョンの項目名との対応
v4.33.0.0で音まわりの出力設定は再編されました。古い解説記事の手順どおりに探しても項目が見つからないのはこのためです。
| 旧バージョンの項目 | v4.33.0.0以降での位置づけ |
|---|---|
| 音割れ対策(チェックボックス) | 削除。音量調整と圧縮比率に統合 |
| 音量の最大化(チェックボックス) | 削除。「目標音量にする」に相当 |
| (該当なし) | 目標音量の数値指定(LKFS)が新設 |
| (該当なし) | 圧縮比率「自動」による音割れ防止が新設 |
v4.33.0.0以降で「音がこもる」ときの対処
このアップデートには副作用の報告があります。v4.33.0.0以降、音割れ対策のコンプレッサーが初期設定で常時掛かるようになり、その結果エンコード後の音声がこもったように聞こえるという検証記事が出ています。波形を比較すると、圧縮によってギザギザが失われ丸くなっていることが確認されています。
対処は2択です。
- 圧縮比率を 「圧縮しない」 に変更する
- カスタムにしてアタックタイムを20ミリ秒前後に設定し、掛かり方を緩める
ただし一律にオフにするのが正解とは限りません。ナレーション中心のゆっくり解説では、適度な圧縮がむしろ聞き取りやすさに寄与します。自分の素材で書き出して聴き比べ、こもりが気になるかどうかで決めてください。判断基準は「ボイスの子音(さ行・た行)が丸くなっていないか」です。
編集側のコンプレッサーで「音量を一定に均す」
出力設定とは別に、音声エフェクトのコンプレッサーを編集段階で使う手もあります。こちらは動画全体ではなく、選択したアイテム単位で振れ幅を均せます。
主なパラメータは次の通りです。
- しきい値:この音量を超えた部分だけ圧縮する
- 比率:どれだけ圧縮するか(2〜4程度が実用範囲)
- 増幅:圧縮で下がった分を全体で持ち上げる
- アタックタイム:圧縮が効き始めるまでの時間(短いと潰れやすい)
「ボイスの大きい箇所と小さい箇所の差が激しい」というケースでは、ボイスレイヤーのアイテムにコンプレッサーを掛けてから増幅するのが定石です。ただし掛けすぎると抑揚が消えて棒読みに聞こえます。比率2〜3から始めて、耳で確認しながら上げてください。
出力設定では絶対に直らないこと
最後にうまくいかない条件を明記します。出力時のラウドネス調整は動画全体を一律に上下させる処理なので、次のケースでは無力です。
- BGMがナレーションを食っている(相対バランスの問題)
- 前半だけ音が小さく後半だけ大きい(区間ごとのムラ)
- 特定の効果音だけ突出している(ピークの問題)
- 掛け合いで片方のキャラだけ聞こえにくい(キャラ間の差)
これらは編集段階でレイヤー音量・個別音量・コンプレッサーを使って直すしかありません。出力設定は「最後に全体の高さを合わせる工程」であって、混ぜ直す工程ではないと割り切ってください。
キャラクター設定・テンプレート・出力プリセットで音量設定を固定する
回答:[ファイル] → [キャラクターを編集] で基準音量を決め、音声エフェクトをテンプレート化し、出力設定に目標ラウドネスを焼き込む。この3点を済ませた「ひな形プロジェクト」を1つ作れば、一括変更という作業自体が発生しなくなります。
ここからが再発防止パートです。週に何本も出す運用で毎回スライダーを触っているのは、単純に時間の無駄です。
キャラクター設定で基準音量を決める
霊夢・魔理沙・ずんだもんの音量が1本ずつバラバラになるのは、キャラクター設定を通さずにボイスを足しているからです。キャラクター設定では、キャラクターごとに以下をまとめて決められます。
- ボイスの声質・読み上げ速度
- 音量(基準音量)
- セリフ後の余韻
- 音声エフェクト
- 字幕のフォント・色・サイズ
- 立ち絵の紐付け
手順は次の通りです。
- メニューから [ファイル] → [キャラクターを編集] を開く
- 対象キャラクター(霊夢/魔理沙/ずんだもん など)を選ぶ
- ボイス設定の「音量」に基準値を入力する
- 必要なら音声エフェクト(音量(dB)、ハイパスフィルターなど)も登録しておく
- 保存して閉じる
- 新しくセリフを1つ追加し、想定どおりの音量で生成されるか確認する
キャラクター設定の音量は初期状態では控えめで、解説記事によっては200%程度まで上げることを勧めているものもあります。これは「YMM4内部の相対値としてボイスをしっかり前に出す」という意味であって、そのまま出力すれば音割れするという話ではありません。最終的な絶対音量は出力設定とメーターで管理します。
最大の注意点:既存アイテムには遡及しない
キャラクター設定を後から変更しても、すでにタイムラインに配置済みのアイテムには反映されない場合があります。つまり「300本ボイスを並べ終わってからキャラクター設定を直す」は、期待した一括変更になりません。その場合はレイヤー音量か複数選択で事後対応することになります。
だからこそ、キャラクター設定は編集を始める前に済ませるのが原則です。
レイヤー設計を固定する(効果の8割はここ)
レイヤーの役割を固定し、レイヤー名も付け替えてしまいます。これだけで「BGMだけ下げたい」がクリック1回で終わります。
| レイヤー | 用途 | レイヤー音量の初期値 | 背景色の例 |
|---|---|---|---|
| レイヤー1 | BGM | 15% | 青 |
| レイヤー2 | 効果音(SE) | 30% | 緑 |
| レイヤー3 | ボイス(キャラA) | 100%(キャラクター設定側で基準を決める) | 赤 |
| レイヤー4 | ボイス(キャラB) | 100% | オレンジ |
| レイヤー5 | 字幕・テロップ | ― | 灰 |
| レイヤー6 | 立ち絵・画像 | ― | 紫 |
| レイヤー7 | 背景・動画素材 | 0%(音を鳴らさない) | 黒 |
最下段が地味に効きます。動画素材は初期値50%で音を持っているので、背景動画のつもりで置いた素材が裏で鳴っているという事故がそこそこ起きます。背景用レイヤーの音量を0%にしておけば、置いた瞬間に無音になり、この事故が構造的に消えます。
ひな形プロジェクトのチェックリスト
- [ ] キャラクターごとの基準音量を [ファイル] → [キャラクターを編集] で設定済み
- [ ] 「音量(dB)」やフェードなど常用する音声エフェクトをテンプレートに登録済み
- [ ] レイヤー名を用途名(BGM / SE / VOICE_A / BG)にリネーム済み
- [ ] レイヤー背景色を役割ごとに分けてある
- [ ] 背景・動画素材レイヤーのレイヤー音量を0%にしてある
- [ ] 出力設定で目標ラウドネス -14.0 LKFS を指定済み
- [ ] 圧縮比率の掛かり方を自分の素材で聴き比べ済み
- [ ] 上記を保存した「ひな形プロジェクト」を用意し、新作は必ず複製して開始
- [ ] 書き出し前に [ツール] → [音量解析] を実行する手順を固定
- [ ] 公開後にYouTubeの詳細統計情報でContent Loudnessを確認する習慣
工程そのものを外に出すという選択肢
そもそも「毎回YMM4でレイヤーを組む」ことが目的ではないはずです。音量設計の再現性だけが欲しいなら、生成側で音量バランスが固定されているツールを工程に混ぜる手もあります。
当サイトが開発・運営している Shorty もその選択肢のひとつで、テキストからショート動画を生成する際にナレーションとBGMの比率が固定されるため、音量の一括変更という作業自体が発生しません。ただし無料プランには明確な制約があります:1本30秒まで/30日で5本まで/保存は7日間/ショート形式(縦型)のみ。長尺のゆっくり解説や、立ち絵を細かく動かす演出はYMM4の領域であり、置き換えられるものではありません。
現実的な使い分けは、YMM4で作り込む本編と、企画検証用に量産するショートで工程を分けるという形です。他のツールにもそれぞれ得意領域があるので、自分の投稿本数と尺、そして「何を検証したいか」で選んでください。どれが最良ということはなく、工程に合うかどうかだけが判断基準です。
過去に書き出した動画を救済するルート
ひな形を整える前に何十本も書き出してしまった場合の受け皿も書いておきます。Audacity(3.1以降)の [エフェクト] → [ラウドネス正規化] でターゲットを -14 LUFS に設定すれば、書き出し済みの音声を後から揃えられます。マクロ機能に「ラウドネス正規化 → 書き出し」を登録すれば、フォルダ内の複数ファイルへ一括適用も可能です。
ただし欠点も明記しておきます。
- 映像と音声を分離・再結合する手間が発生します(mp4のまま扱えるわけではない)
- 再エンコードで音質が一段落ちる可能性があります
- 相対バランスの問題は当然直りません(全体が上下するだけ)
- バージョン3.3以降はエフェクトメニューの構成が変わっているため、項目が見当たらないときは階層を辿り直す必要があります
つまりAudacityルートは過去分の救済策であって、これから作る動画の標準手順にすべきものではありません。今後はYMM4の出力設定側で完結させるのが正解です。
よくある質問
YMM4で複数のボイスアイテムの音量をまとめて変えられますか?
できます。同じレイヤーに乗っているならレイヤー名クリック →「音量」で一括変更、レイヤーをまたぐならCtrl / Shiftクリックで複数選択してプロパティの数値を編集します。
前者は選択操作が不要で最速、後者は飛び飛びのアイテムに対応できます。ただし複数選択の一括編集は、プロパティ操作とタイムライン操作を交互に行うと挙動が不安定になることがあると注意されているため、「選択 → 数値変更 → 選択解除」の順で1操作ずつ確定させるのが安全です。
YMM4の音量のデフォルト値はいくつですか?
ボイスアイテムはおおむね100%、音声アイテムと動画アイテムは50%が初期値です。100%は「素材の音量そのまま」を意味します。
問題は、この初期値が用途に対して適正ではない点です。会話が乗る区間のBGM推奨値は12〜18%なので、初期値50%のBGMは推奨の約3倍で鳴っています。「YMM4のBGMがうるさい」の原因はほぼこれで、一括変更で最初に触るべきはBGMレイヤーです。
YMM4の音量の目安は何%が正解ですか?
ボイス70%前後、BGMは会話が乗る区間で12〜18%、効果音20〜40%が実用的な出発点です。BGMの初期値50%はほぼ確実に大きすぎます。
ただしこれは相対バランスの目安であり、最終的な聞こえ方は素材そのものの音量に左右されます。%は素材に対する比率でしかないため、フリーBGMのように元の音量差が大きい素材では、%を固定するより「ボイスを基準にメーターで差を合わせる」ほうが再現性が高くなります。
YMM4で音量をdBで指定するにはどうすればいいですか?
音声エフェクトの「音量(dB)」を追加します。プロパティの音声エフェクト欄で「+」→「音量(dB)」を選び、dB値を入力するだけです。
%を触らずにdBエフェクト側だけで微調整する運用にすると、あとから「どこをいじったか分からない」状態になりにくくなります。換算の目安は、100%=0dB、70%=約-3dB、50%=約-6dB、20%=約-14dB、10%=約-20dB。公式に%の定義が明記されていないため厳密ではありませんが、差を設計するときの見当としては十分使えます。
動画全体の音量を一定にするにはどうすればいいですか?
動画出力の「音量調整 / 音割れ対策(コンプレッサー)」で「目標音量にする」を選び、目標値に -14.0 LKFS を入力します。v4.33.0.0以降の機能です。
「目標音量まで下げる」を選ぶと、目標値を超えているときしか働かないため、小さすぎる動画は何も変わりません。編集内のバラつきを均したい場合は、これとは別に音声エフェクトのコンプレッサー(比率2〜3程度)をボイスに掛けてから増幅する方法が有効です。
書き出したら音が小さくなるのはなぜですか?
音割れ対策機能によって動画全体の音量が引き下げられている可能性が高いです。公式FAQも原因を音割れ対策機能と明記しており、対策として「極端に大きな音量のアイテムを削除するか音量を下げる」ことを挙げています。
つまり全体を一括で上げるのは誤対処です。まず [ツール] → [音量解析] → [すべて解析] を実行し、赤線が出ている箇所=突き抜けている1個を特定してそこだけ下げてください。それでも小さい場合に、出力設定の「目標音量にする」で -14.0 LKFS を指定します。
音量解析はどこから実行しますか?結果はどう読みますか?
メニューの [ツール] → [音量解析] から開き、[すべて解析] で動画全体を走査します。音割れしている箇所が赤線で表示されます。
読み方の目安は、全体がおおむね -15dB付近で推移していれば健全。谷と山が極端に開いている場合はコンプレッサーの検討対象です。注意点として、非表示にしているレイヤーは解析対象に含まれません。「解析では問題なかったのに書き出したら音割れした」というときは、まずレイヤーの表示状態を確認してください。
レイヤー音量を変えたのに個別アイテムの音量表示が変わらないのはなぜ?
レイヤー音量はアイテムの設定値を書き換えるのではなく、レイヤー全体に別途掛かる調整だからです。表示が変わらなくても効いています。
「効いていない」と誤解して個別アイテム側もさらに下げてしまうと、二重に減衰して極端に小さくなります。判断は数値表示ではなく、プレビューの音とラウドネスメーターで行ってください。なお、レイヤー音量と個別音量の内部的な合成方式(掛け算か上書きか)については、公開資料から断定できる記述を見つけられませんでした。
キャラクター設定で音量を変えたのに既存のボイスに反映されません
仕様上、すでに配置済みのアイテムには反映されない場合があります。既存分はレイヤー音量か複数選択で事後修正するしかありません。
だからこそキャラクター設定は編集を始める前に済ませるのが原則です。量産している場合は、キャラクター設定まで済ませた「ひな形プロジェクト」を複製して新作を始める運用にしてください。これで反映漏れが構造的に発生しなくなります。
v4.33.0.0以降で音がこもるようになったのですが?
音割れ対策のコンプレッサーが初期設定で常時掛かっているのが原因の可能性が高いです。圧縮比率を「圧縮しない」に変えるか、カスタムでアタックタイムを20ミリ秒前後にします。
この現象は波形比較つきの検証記事が出ており、圧縮によって波形のギザギザが失われ丸くなることが確認されています。ただしナレーション中心の解説動画では圧縮が聞き取りやすさに寄与する場面もあるため、一律にオフにせず、自分の素材で「さ行・た行の子音が丸くなっていないか」を基準に聴き比べて決めてください。
BGMだけ一括で下げたいときはどうすればいいですか?
BGMを1つのレイヤーにまとめておき、そのレイヤー名をクリックして「音量」を12〜18%付近まで下げるのが最速です。10秒で終わります。
BGMと効果音が同じレイヤーに混在していると、この手が使えません。その場合は複数選択でBGMアイテムだけをCtrlクリックで拾い、プロパティの音量をまとめて編集してください。次回からはレイヤーを用途で固定する運用に切り替えることを強く勧めます。
グループ制御を使えば音量を一括変更できますか?
筆者が確認できた範囲の公開情報では、グループ制御が音量に効くという明記は見つけられませんでした。音量目的ならレイヤー音量か複数選択が確実です。
グループ制御は複数アイテムをまとめて制御する機能で、「同一グループのみ」のオン/オフやレイヤー範囲(初期値50)を指定して下のレイヤーへ効果を及ぼします。ただし解説されているのは主に映像側のエフェクトや移動で、音量への適用可否は未確認です。推測で断定せず、確実な手段を使ってください。
自分の動画の音量が適正かどうか、どうやって確認できますか?
公開後にYouTubeの再生画面を右クリックし、「詳細統計情報(Stats for nerds)」を開いて Content Loudness の値を見るのが最も確実です。
メーターは予測、詳細統計情報は実測です。マイナス方向に大きな値が出ていれば書き出し時点で大きすぎたということ、値が小さい/出ていない場合は基準より小さいということになります。2〜3本記録するだけで、自分の出力設定を経験則ではなく数値で決められるようになります。
音量を揃えたのに再生環境によって聞こえ方が違います
ラウドネスは平均値なので、ダイナミクス(音量の振れ幅)が大きい動画はスマホのスピーカーで聞くと差が出ます。数値が同じでも体感は揃いません。
対策は3点です。コンプレッサーで振れ幅をやや抑える、効果音の突出を減らす、ボイスとBGMの差を一定に保つ。特にショート動画はスマホ内蔵スピーカーで聞かれる前提なので、低音側の情報に頼った設計にしないほうが安全です。
一括変更した後に必ず確認すべきことは何ですか?
ボイスとBGMが同時に鳴る箇所を最低3か所プレビューし、ピークが0dBに触れていないこと、ラウドネスが -14 LKFS 付近にあることを確認してください。
一括変更は便利ですが、全体を均一に動かすため「元から小さかった箇所がさらに埋もれる」という副作用が出ます。特に導入3秒とオチ直前は離脱に直結するので、この2か所は必ず耳で聞いてください。最後に [ツール] → [音量解析] を回して赤線がないことを確認すれば、書き出し後にやり直す確率がかなり下がります。
まとめ
YMM4の音量を一括変更する方法を、目的別に整理し直します。
- 相対バランスを直したい(BGMがうるさい等)→ レイヤー名クリック →「音量」。10秒で終わる最速ルート
- レイヤーをまたいで直したい → Ctrl / Shiftクリックで複数選択 → プロパティの数値を編集。往復操作を避け、選択解除を挟む
- dBで精密に揃えたい → 音声エフェクト「音量(dB)」+テンプレート登録
- 音量を一定に均したい → 編集側はコンプレッサー(比率2〜3)、動画全体は出力設定
- 絶対音量(ラウドネス)を揃えたい → 動画出力 →「音量調整」で「目標音量にする」+ -14.0 LKFS
- 今後すべての動画で揃えたい → [ファイル] → [キャラクターを編集] で基準音量。配置済みには反映されないので着手前に
- 過去に書き出した動画を救済したい → Audacityのラウドネス正規化+マクロ
数値の出発点は、ボイス70%前後 / BGM 12〜18% / 効果音 20〜40%。ピークは0dBに触れず、ラウドネスは -14 LKFS 付近。初期値はボイス100%・音声50%なので、BGMは置いた時点で推奨の3倍鳴っていると覚えておいてください。
そして、この記事で最も持ち帰ってほしい2点を繰り返します。
「音が小さい」の初動は、上げることではなく犯人を探すことです。音割れ対策が1個の爆音アイテムに引きずられて全体を下げている、という構造を知らないまま一括で上げると、事態は悪化します。[ツール] → [音量解析] を先に回してください。
そして一括変更は事故処理です。レイヤーを用途で固定し、キャラクター設定と音声エフェクトをテンプレート化し、出力設定に目標ラウドネスを焼き込んだ「ひな形プロジェクト」を1つ用意すれば、この作業は次から発生しません。量産で効いてくるのは、毎回の10秒短縮ではなく、その10秒を考えなくてよくなる設計のほうです。