PSDToolKitの導入方法は、「AviUtl 1.10+拡張編集0.92の環境に、配布zipの中身を exedit.auf と同じフォルダへ丸ごと入れる」、これが基本です。AviUtl2(AviUtl ExEdit2)を使う場合は別物の「PSDToolKit2」を使います。こちらは .au2pkg.zip をプレビュー画面へドラッグ&ドロップして導入し、ごちゃまぜドロップス(GCMZDrops)の2系が前提です。
ただ、検索してこの記事にたどり着いた人の多くは、手順どおりにやったのに「メニューに出ない」「ウィンドウが開かない」「初期化に失敗しました」で止まっています。当サイトの見立てでは、PSDToolKitのトラブルの大半はプラグインそのものの不具合ではなく、「どのAviUtlに、どのPSDToolKitを、どこへ入れたか」の食い違いです。AviUtl2が2026年7月に正式版になり、旧AviUtl向け・AviUtl2向けの解説記事がネット上に混在しているため、この食い違いは以前より起こりやすくなっています。
この記事では、導入・インストール・初期設定と、「表示されない/エラーが出る」の切り分けに絞って解説します。口パク・まばたきの詳しい設定や字幕の作り込みは別記事に任せ、ここでは立ち絵のPSDがタイムラインに乗って、表情を切り替えられる状態をゴールにします。記載内容は2026年9月時点で、公式ドキュメントとGitHubのリリース情報で確認できた範囲です。
PSDToolKitとは?導入前に知っておくべき3つのこと
PSDToolKitは、レイヤー分けされたPSD形式の立ち絵をAviUtlの拡張編集で扱えるようにするプラグイン群です。作者はoov(おおぶ)氏で、GitHubで無償公開されています。ゆっくり解説、ずんだもん解説、VOICEROID実況のように「キャラクターの立ち絵が喋る」動画では、ほぼ定番の道具になっています。
導入前に押さえておくべきことは、次の3つです。
- 旧AviUtl用とAviUtl2用は別プロダクト:旧AviUtl(1.10)用は
aviutl_psdtoolkit、AviUtl2用はaviutl2_psdtoolkit2という別リポジトリで配布されています。ファイル形式も導入方法も違うため、混ぜて使うことはできません。 - どちらも「正式版」ではない:旧版は長くベータ版(v0.2.0beta系)のまま更新されてきました。AviUtl2向けのPSDToolKit2はさらに若いアルファ版で、作者自身が「AviUtl1の頃にあった機能を少しずつ移植しており、正式リリースではない」と明記しています。
- PSDToolKitは「立ち絵を動かす部品」であって、立ち絵そのものではない:キャラクターの立ち絵PSDは、イラストレーターが配布しているものを別途入手する必要があります。
PSDToolKitを入れると、主に次のことができるようになります。
- PSDファイルを拡張編集のタイムラインにドラッグ&ドロップして、立ち絵として表示する
- 専用ウィンドウで、目・口・眉・腕などのパーツ(レイヤー)を切り替えて表情を作る
- 音声ファイルに合わせて口を動かす(口パク)、一定間隔で瞬きさせる(目パチ)
- 音声と同名のテキストファイルから字幕を作る
口パク・目パチと字幕の具体的な設定は、それぞれAviUtlで立ち絵を動かす方法とAviUtlの字幕の入れ方で手順を追って解説しています。本記事ではその手前、「PSDToolKitが正しく入って動く状態」を確実に作ることに集中します。
導入前の確認:必要な環境とバージョンの組み合わせ
結論:旧AviUtlなら「AviUtl 1.10+拡張編集0.92+PSDToolKit v0.2.0beta系」、AviUtl2なら「AviUtl ExEdit2+GCMZDrops 2系+PSDToolKit2」の組み合わせで揃えます。 拡張編集0.93rc1は、公式が「正常に動作しません」と明記しているので使わないでください。
公式ドキュメントとGitHubリリースページで確認できた組み合わせを表にまとめます。
| 項目 | 旧AviUtl環境 | AviUtl2環境 |
|---|---|---|
| 本体 | AviUtl version 1.10 | AviUtl ExEdit2(2026年7月7日のv2.0.54で正式版化) |
| 拡張編集 | version 0.92(0.93rc1は非推奨) | 本体に統合済み |
| PSDToolKit | aviutl_psdtoolkit(2024年9月公開のv0.2.0beta72が確認できた最新) | aviutl2_psdtoolkit2(v2.0.0alpha系) |
| 配布形式 | psdtoolkit_v○○.zip |
psdtoolkit_*.au2pkg.zip(インストーラー版もあり) |
| 前提プラグイン | ごちゃまぜドロップス等は同梱 | GCMZDrops v2.0.0beta1以降が必要(リリースノート記載) |
| 本体の要件 | 公式ドキュメントは64bit Windowsが必要と記載 | 64bit Windows 10以降などAviUtl2側の要件に従う |
| 導入方法 | zipを解凍し exedit.auf と同じ場所へ配置 | .au2pkg.zip をプレビュー領域へドラッグ&ドロップ→再起動 |
| 設定ファイル形式 | *.anm(アニメーション効果) |
*.anm2 / *.ptk.anm2(旧 .anm は直接使えない) |
PSDToolKit2のリリースページでは、v2.0.0alpha10の時点で「AviUtl ExEdit2 version 2.0beta30a以降」「GCMZDrops v2.0.0beta1以降」が要件として書かれていました。アルファ版は更新が速く、要件のバージョンも上がっていくため、導入する時点で必ずリリースページの最新版の要件を読んでください。この記事の数値を鵜呑みにするより、その場で確認する方が確実です。
旧版に同梱されているもの
旧PSDToolKitの配布zipには、PSDToolKit本体のほかに次のプラグイン・スクリプトが同梱されています(公式ドキュメント記載)。
- AudioMixer.auf(音声処理のプラグイン)
- ごちゃまぜドロップス(ファイルのドラッグ&ドロップを拡張するプラグイン)
- 拡張編集RAMプレビュー(プレビュー用のプラグイン)
- キャッシュテキスト(テキスト処理のスクリプト)
- かんしくん(補助プログラム)
つまり旧版は「PSDToolKitを動かすのに必要なものが一式入っている」構成です。別途ごちゃまぜドロップスを探して入れる必要はありません。
L-SMASH Worksやpatch.aulは必要?
PSDToolKitの公式チュートリアルが前提にしているのは、AviUtl本体・拡張編集・PSDToolKitの3つだけです。L-SMASH Worksは、MP4などの動画や一部の音声を読み込むための入力プラグインで、PSDToolKitの必須要件ではありません。ただ、BGMや動画素材を扱う実際の動画制作では入れている人がほとんどなので、AviUtlの基本環境として別途用意しておくと困りません。
patch.aul(AviUtlの不具合修正パッチ)は公式の動作確認環境に含まれていません。併用している人は多いものの、組み合わせで問題が出るかどうかは公開情報では断定できません。導入直後に不調が出た場合は、切り分けとして「patch.aulを一時的に外して起動してみる」のが有効です。
独自視点:いまから始めるなら、どちらの環境を選ぶべきか
一般的な解説では「AviUtl2が出たのだからAviUtl2を使えばいい」と言われがちですが、PSDToolKitに関しては、そう単純ではありません。PSDToolKit2はアルファ版で、旧版の機能を移植している途中です。ネット上のチュートリアル動画・記事・配布スクリプトの大半は、まだ旧AviUtl+旧PSDToolKit前提で書かれています。
判断の目安はこうです。
- ネットの解説を見ながら確実に1本仕上げたい人:旧AviUtl 1.10+拡張編集0.92+PSDToolKit v0.2.0beta系。情報量が圧倒的に多く、詰まっても解決策が見つかりやすい
- 64bit化による安定性や大きな解像度を重視し、多少の不具合は自分で調べられる人:AviUtl2+PSDToolKit2。ただしアルファ版なので、作業ファイルのバックアップは必須
- AviUtl2自体をこれから導入する人:本体の導入から始める必要があります。AviUtl2の使い方とインストールで手順を確認してから、この記事の後半(AviUtl2での導入手順)に進んでください
どちらを選ぶにしても、1つのフォルダに旧版とAviUtl2版を混ぜないことが最重要です。
旧AviUtl版PSDToolKitのインストール手順
結論:AviUtlを C:\AviUtl のような短い英数字のパスに置き、PSDToolKitのzipの中身を「exedit.auf と同じ階層」にすべてコピーします。 フォルダの入れ子を1段間違えるだけで動かないので、配置先の確認が最大のポイントです。
公式チュートリアルに沿った手順は次のとおりです。
- AviUtl本体と拡張編集を用意する:
aviutl110.zip(AviUtl 1.10)とexedit92.zip(拡張編集0.92)を公式配布ページから入手し、両方を同じフォルダ(例:C:\AviUtl)に解凍します。 - PSDToolKitをダウンロードする:GitHubの
oov/aviutl_psdtoolkitのReleasesページから、最新のpsdtoolkit_v○○.zipをダウンロードします。「Source code」と書かれたzipはプログラムのソースなので、間違えて落とさないようにしてください。 - zipを解凍する:ダウンロードしたzipを右クリックして展開します。Windowsのセキュリティでブロックされている場合は、展開前にzipのプロパティを開き、「許可する」にチェックを入れておくと、後の起動トラブルを避けやすくなります。
- 中身を exedit.auf と同じ場所へコピーする:展開したフォルダを開き、中にあるファイルとフォルダをすべて選択して、
exedit.aufがあるフォルダへコピーします。「PSDToolKitというフォルダごと」置くのではなく、「中身を」置くのがポイントです。 - 上書き確認に対応する:以前に古いPSDToolKitやごちゃまぜドロップスを入れていた場合、上書き確認が出ます。基本は新しい配布物で上書きします。心配なら、作業前にAviUtlフォルダ全体をコピーしてバックアップしておきます。
- AviUtlを起動する:
aviutl.exeをダブルクリックして起動します。エラーのダイアログが出なければ、配置は概ね成功です。
公式チュートリアルでも、導入先は C:\AviUtl を例にしており、「フォルダー名が長すぎたり、日本語などが含まれていると動作しないことがあります」と注意書きがあります。デスクトップやOneDrive配下(C:\Users\ユーザー名\OneDrive\デスクトップ\…)に置くと、パスが長くなるうえ、同期による書き込み不調も起きやすくなります。AviUtlはCドライブ直下など、短い英数字のパスに置くのが無難です。
配置後のフォルダ構成チェックリスト
コピーが終わったら、AviUtlフォルダを開いて次を確認してください。
- [ ]
aviutl.exeとexedit.aufが同じフォルダにある - [ ] PSDToolKitの
.aufファイル類が、exedit.aufと同じフォルダにある(1段下のフォルダに入っていない) - [ ]
scriptフォルダの中にPSDToolKitフォルダがある(script\PSDToolKit\PSDToolKit.exeが存在する) - [ ] AviUtlのフォルダパスに日本語・全角文字・極端に長い名前が含まれていない
- [ ] 旧AviUtl用フォルダに、AviUtl2用の
.au2pkg.zipやその中身を混ぜていない - [ ] 拡張編集のバージョンが0.92である(0.93rc1ではない)
plugins フォルダを作ってプラグインを整理している人もいますが、PSDToolKitは公式手順どおり「exedit.aufと同じ場所」を基準に置くのが最もトラブルが少ない方法です。exedit.auf 自体を plugins フォルダに入れている場合は、PSDToolKitの中身も同じ plugins フォルダ側に揃えます。Q&Aサイトの相談を見ても、「exedit.aufとPSDToolKitが別の場所にあった」ことが表示されない原因だったというケースが繰り返し報告されています。
初回起動の確認と最初にやる初期設定
結論:起動したら「編集」メニューに「PSDToolKit」があるか確認し、システム設定の最大画像サイズを動画の解像度以上に上げてから、PSDToolKitの環境設定を開きます。 メニューにPSDToolKitが出ていれば、プラグインは読み込まれています。
手順1:メニューとウィンドウの確認
AviUtlのメインウィンドウで「編集」メニューを開き、「PSDToolKit」という項目があるか確認します。この下に、専用ウィンドウの表示や環境設定の項目が並んでいます。専用ウィンドウは多くの解説で Ctrl+W のショートカットで開くと紹介されています。ウィンドウが開けば、PSDToolKitの補助プログラムも起動できています。
ここでメニュー自体が出ない、またはウィンドウが開かない場合は、次章の切り分け表に進んでください。
手順2:AviUtl側のシステム設定
公式チュートリアルでは、「ファイル」→「環境設定」→「システムの設定」で次を設定するよう案内しています。
- 最大画像サイズ:幅
1920、高さ1080 - 「再生ウィンドウの動画再生をメインウィンドウに表示する」にチェック
最大画像サイズが小さいままだと、フルHDの動画プロジェクトを作れず、立ち絵の表示以前でつまずきます。設定を変えたらAviUtlを一度再起動して反映させます。
手順3:PSDToolKitの環境設定
「編集」→「PSDToolKit」→「環境設定」を開くと、音声ファイルをドロップしたときに自動生成するオブジェクトを選べます。初期設定を解説している記事では、次のような設定が紹介されています。
- 「"口パク準備"を生成」にチェック
- 「"多目的スライダー"を生成」にチェック
- 「"字幕準備"を生成(同じ名前の*.txtがある時のみ)」にチェック
- 発動条件として「Shiftキー+.wavドロップ」や「同じ名前の.wavと*.txtドロップ」を選ぶ
ここで設定するのは「音声を置いたときに口パクや字幕の準備オブジェクトを自動で作るかどうか」です。導入確認の段階では細かく詰めなくて構いません。口パクの感度調整や字幕のデザインは、AviUtlで立ち絵を動かす方法とAviUtlの字幕の入れ方の手順で後から調整する方が迷いません。音声ファイルそのものの置き方はAviUtlでゆっくり音声を入れる方法で解説しています。
手順4:動作確認用の新規プロジェクト
「設定」→「拡張編集の設定」で拡張編集ウィンドウ(タイムライン)を表示し、タイムライン上で右クリック→「新規プロジェクトの作成」を選びます。解像度は1920×1080、フレームレートは30fpsあたりが扱いやすい設定です。この状態で次章のPSD読み込みに進めば、導入確認は完了です。
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結論:症状を「メニューに出ない」「ウィンドウが開かない」「起動時にエラー」「PSDが読めない」の4つに分け、配置場所→バージョン→権限→パスの順に確認すると、ほとんどのケースは解決します。 闇雲に再インストールを繰り返すより、この順番で1つずつ潰す方が早く終わります。
よくある症状と原因、対処をまとめます。
| 症状 | 主な原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 「編集」メニューにPSDToolKitが出ない | PSDToolKitの中身がexedit.aufと別の場所にある/フォルダごと入れて1段深くなっている | zipの中身をexedit.aufと同じ階層へ置き直し、AviUtlを再起動 |
| 「PSDToolKitの初期化に失敗しました。拡張編集のバージョンナンバー解析に失敗しました」 | 拡張編集が想定外のバージョン、またはファイルが壊れている | 拡張編集0.92を入れ直して上書き。改善しなければCドライブ直下に新しいフォルダを作って環境を作り直す |
| 起動はするがおかしい/動作が不安定 | 拡張編集0.93rc1を使っている | 公式が非推奨としている0.93rc1をやめ、0.92に戻す |
| メニューはあるがウィンドウが開かない | 補助プログラム(PSDToolKit.exe)が起動できていない/セキュリティソフトの干渉 | 管理者権限設定の解除、セキュリティソフトの除外設定、zipのブロック解除をして再展開 |
| PSDをドラッグ&ドロップしても何も起きない | aviutl.exe や PSDToolKit.exe を管理者権限で実行している | 両方のプロパティで「管理者としてこのプログラムを実行する」のチェックを外す |
| 動作が固まる・極端に重い | 一部のアンチウイルスソフトの影響(公式FAQ記載) | AviUtlフォルダをスキャン除外に追加して再確認 |
| PSDは出るが、全パーツが重なって表示される | PSDToolKitが想定するレイヤー構造ではないPSD | 専用ウィンドウで全非表示の状態を作って「送る」、または対応を明記した素材を使う |
| 項目名や文字が化ける | Shift_JISで表せない文字・記号を含むレイヤー名 | 公式FAQでは「正常な動作」とされる。動作に支障がなければそのまま使う |
| 設定がいつの間にか保存されない | パラメータ設定の255バイト制限 | 公式FAQの案内どおり、.anm ファイルとして書き出すなどで回避 |
管理者権限の確認方法
公式FAQでは、AviUtlが管理者権限など特殊な権限で動いていると、ドラッグ&ドロップによる読み込みができなくなるとしています。確認手順は次のとおりです。
aviutl.exeを右クリック→「プロパティ」→「互換性」タブを開く- 「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックが入っていれば外す
- 同じ操作を
script\PSDToolKit\PSDToolKit.exeにも行う - AviUtlを通常のダブルクリックで起動し直す
Windowsでは、管理者権限で動くアプリへ、通常権限のエクスプローラーからファイルをドロップできない仕組みになっています。「よく分からないけど管理者で実行すれば動くだろう」という設定が、逆にPSDToolKitを動かなくしている典型例です。
独自視点:再インストールより「新しい空のフォルダ」で試す
「表示されない」と悩んでいる人の多くは、既存のAviUtlフォルダに何度もPSDToolKitを上書きしています。その結果、古い設定ファイルや別バージョンのプラグインが残り、どれが原因か分からなくなります。
おすすめの切り分けは、C:\AviUtl_test のような新しい空のフォルダを作り、AviUtl 1.10・拡張編集0.92・PSDToolKitの3つだけを入れて起動する方法です。
- 新しいフォルダで動く → 元の環境に入れている他のプラグインや設定が原因。1つずつ移して犯人を探す
- 新しいフォルダでも動かない → PC側の問題(セキュリティソフト、権限、Windowsのブロック)を疑う
この方法なら、元の環境を壊さずに原因を半分に絞り込めます。慣れた人ほど「いつもの環境」に固執しがちですが、切り分けの速さは新規フォルダ方式の方が上です。
それでも解決しないとき
上記を試しても解決しない場合は、PSDToolKitのGitHubリポジトリのIssueや、公式ドキュメントの「よくある質問」を確認します。質問するときは、AviUtl・拡張編集・PSDToolKitそれぞれのバージョン、フォルダ構成、表示されたエラーメッセージの全文、併用しているプラグインを添えると、回答が得られやすくなります。なお、GitHubのIssueで報告されている「メインウィンドウが表示されない」事例にも、原因が特定されないまま閉じられたものがあります。環境依存の問題は、どうしても個別対応になるのが実情です。
AviUtl2(ExEdit2)でPSDToolKit2を導入する手順
結論:AviUtl2では、GCMZDropsの2系を先に入れ、psdtoolkit_*.au2pkg.zip をプレビュー領域へドラッグ&ドロップし、AviUtl2を再起動します。 旧版のように手作業でファイルをコピーする方式ではありません。
GitHubの oov/aviutl2_psdtoolkit2 に記載されている導入手順は次のとおりです。
- AviUtl2本体を最新にする:PSDToolKit2は要件としてAviUtl ExEdit2の特定バージョン以降を指定しています。本体が古いと動かないので、先に更新します。
- GCMZDropsをインストール・更新する:
oov/aviutl2_gcmzdrops2から、要件を満たすバージョンを導入します。 - PSDToolKit2をダウンロードする:Releasesページから
psdtoolkit_*.au2pkg.zipを入手します。インストーラー版を選ぶこともできます。 - プレビュー領域へドラッグ&ドロップする:AviUtl2を起動した状態で、ダウンロードしたファイルを動画プレビュー領域にドロップします。
- AviUtl2を再起動する:再起動後に、PSDToolKit関連の機能が使える状態になります。
旧版との違い(名前が変わった機能に注意)
PSDToolKit2では、旧版の機能名がいくつか変わっています。旧版向けの解説を見ながら操作すると、ここで混乱します。
| 旧PSDToolKit | PSDToolKit2 |
|---|---|
| 「字幕準備」と「口パク準備」 | 「セリフ準備@PSDToolKit」に統合 |
| 「多目的スライダー」 | 「パーツ上書き@PSDToolKit」に改称 |
.anm 形式のアニメーション効果 |
.anm2 形式(旧 .anm は直接使えない) |
| なし | 設定を作るための「PSDToolKit anm2 Editor」(*.ptk.anm2) |
旧版で作ったプロジェクトやスクリプトは、そのままAviUtl2に持ち込めないと考えておくのが安全です。「旧版で使っていた設定ファイルが読めない」のはエラーではなく、仕様の違いです。
AviUtl2版で表示されないときのチェック
- [ ] AviUtl2本体が、PSDToolKit2のリリースノートに書かれた要件以上のバージョンか
- [ ] GCMZDropsが2系で、要件以上のバージョンか(旧AviUtl用のごちゃまぜドロップスではない)
- [ ]
.au2pkg.zipを解凍せずにそのままドロップしたか - [ ] ドロップ後にAviUtl2を再起動したか
- [ ] PSDToolKit2の最新アルファ版を使っているか(作者は新版公開時の速やかな更新を推奨)
アルファ版は、ある時点のバージョンでだけ起きる不具合が短期間で直ることも珍しくありません。PSDToolKit2は2026年1月だけでもalpha6からalpha10まで短い間隔でリリースされていました。不具合に当たったら、まず最新版に上げるのが最初の対処です。そのうえで、作業ファイルと環境のバックアップを取りながら使ってください。
立ち絵PSDを入手してAviUtlに読み込むまで
結論:PSDToolKit(PSDTool)対応をうたう多層PSDの立ち絵を配布元から入手し、利用規約を確認したうえで、拡張編集のタイムラインへドラッグ&ドロップします。 表情の変更は専用ウィンドウでパーツを選び、「送る」ボタンで反映させます。
立ち絵PSDの入手
ずんだもんの立ち絵としてよく使われているのが、坂本アヒル氏の「ずんだもん立ち絵素材」です。ニコニコ静画で公開され、説明文のリンクからzip形式でダウンロードできます。レイヤー構成はPSDTool(PSDToolKitの元になった閲覧ツール)に対応しています。ダウンロードしたzipには、PSDファイルとreadmeが入っています。
利用条件は、素材のreadmeと、東北ずん子・ずんだもんプロジェクトの公式ガイドラインの両方に従います。readmeでは、公式ガイドラインに沿う範囲での商用利用や改変が認められている旨が案内されています。ただし、条件は版によって変わることがあるので、必ず手元のreadmeを読んでから使うようにしてください。
ゆっくり系の素材は事情が少し違います。ゆっくり解説で広く使われる「キャラ素材」は、PSDではなくパーツごとのPNG画像をフォルダで管理する形式が主流です。こちらはPSDToolKitではなく、キャラ素材スクリプトなど別の仕組みで動かします。PSD形式のゆっくり立ち絵も一部の作者が配布していますが、配布元ごとに形式も規約も異なります。入手先の選び方はゆっくり立ち絵素材の入手方法で整理しています。
読み込みの手順
- PSDファイルを、日本語を含まない短いパスのフォルダに置く(例:
C:\AviUtl\tachie\) - 新規プロジェクトを作成した拡張編集のタイムラインへ、PSDファイルをドラッグ&ドロップする
- タイムラインにPSDのオブジェクトが追加され、プレビューに立ち絵が表示されることを確認する
- PSDToolKitの専用ウィンドウ(
Ctrl+W)を開き、目・口・眉などのパーツを選んで表情を作る - タイムライン上で対象のPSDオブジェクトを選択した状態で、ウィンドウ左上の「送る」ボタンを押して反映する
注意点として、専用ウィンドウでパーツを切り替えただけでは、タイムラインの立ち絵は変わりません。対象のPSDオブジェクトを選んだ状態で「送る」を押して、はじめて反映されます。「表情を変えたのに反映されない」という相談の多くは、この操作を飛ばしているケースです。
また、PSDオブジェクトの設定画面には、PSDToolKitが内部で使っているテキストやフィルタが含まれています。初期設定の解説記事でも、「アニメーション効果」内の「描画@PSD」を削除してはいけないと注意されています。仕組みを理解するまでは、自動生成された項目を手で書き換えないようにしましょう。
口パク・目パチ・字幕はここから先の工程
立ち絵が表示され、表情を切り替えられた時点で、PSDToolKitの導入は完了です。ここから先の「音声に合わせて口を動かす」「瞬きさせる」「セリフに字幕を付ける」は、それぞれ設定項目が多い工程です。本記事では深掘りしませんが、流れだけ示すと次のとおりです。
- 口パク:音声ファイル(wav)を立ち絵の上のレイヤーに置き、口パク準備(PSDToolKit2では「セリフ準備」)を生成して、立ち絵側の口パーツと紐付ける
- 目パチ:立ち絵側で目のパーツに瞬きの設定を割り当てる
- 字幕:音声と同名のテキストファイルを用意して同時にドロップし、字幕準備を生成する
具体的な操作はAviUtlで立ち絵を動かす方法で口パク・目パチを、AviUtlの字幕の入れ方で字幕の作り方を解説しています。ずんだもんの立ち絵に特化した動かし方はずんだもん立ち絵の動かし方にまとめています。
PSDToolKitを使わない選択肢との比較
結論:PSDToolKitは「AviUtlで立ち絵を細かく作り込みたい人」には最適に近い道具ですが、導入と設定の手間はかかります。 作りたい動画の形式と、かけられる時間で選ぶのが現実的です。
立ち絵付きの解説動画を作る方法を、工程の手間で比較します。
| 方法 | 向いている人 | 導入の手間 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| AviUtl 1.10+PSDToolKit | 解説記事を見ながら細かく作り込みたい人 | 中(手作業で配置) | 32bitアプリで、長尺・高解像度では重くなりやすい |
| AviUtl2+PSDToolKit2 | 64bit環境で新しいAviUtlを使いたい人 | 中(パッケージをドロップ) | アルファ版で機能移植の途中、情報が少ない |
| YMM4(ゆっくりMovieMaker4) | ゆっくり・ずんだもん解説を効率よく量産したい人 | 小 | PSD立ち絵対応。AviUtlほど自由な演出はしにくい |
| Shorty(当サイトが開発・運営) | まずショート動画を手軽に試したい人 | 小(ブラウザで利用) | 無料プランは1本30秒まで・30日で5本まで・保存7日・ショート形式のみ |
Shortyは当サイトが開発・運営しているツールです。立ち絵を細かく作り込む用途ではなく、ショート動画を試しに作ってみる段階の選択肢として挙げています。長尺の解説動画を立ち絵付きで作り込みたいなら、PSDToolKitを使うAviUtl系か、YMM4の方が合っています。
独自視点:PSDToolKitが「遠回り」になる条件
PSDToolKitの解説記事は多くが「入れれば便利」という前提で書かれていますが、次の条件に当てはまる場合は、あえて使わない方が早いこともあります。
- 立ち絵が1枚絵(PNG)しかない:レイヤー分けされていない画像では、PSDToolKitの強みである表情切り替えが使えません
- 表情を変えない、または数パターンで十分:表情差分のPNGを数枚用意して画像オブジェクトとして置く方が、設定の手間が少なく済みます
- すでにYMM4で制作の流れができている:YMM4もPSD立ち絵に対応しているため、AviUtlに乗り換える理由が「PSDToolKitを使いたいから」だけなら、移行コストの方が大きくなりがちです
一方、「字幕のデザインを細かく作り込みたい」「立ち絵に独自のエフェクトやカメラワークを付けたい」という人にとっては、AviUtl+PSDToolKitの自由度は大きな武器です。自分の動画がどちらに当てはまるかを先に決めておくと、導入に費やす時間を無駄にしません。
ずんだもん動画の全体の流れ(台本→音声→立ち絵→編集→投稿)はずんだもん動画の作り方で、雑学系チャンネルの企画から制作までは雑学動画の作り方で解説しています。PSDToolKitは、その中の「立ち絵」工程を担う部品のひとつと位置づけると、どこまで作り込むべきかを判断しやすくなります。
よくある質問
PSDToolKitは無料で使えますか?
はい、無料です。作者のoov氏がGitHubで公開しており、ダウンロードや利用に料金はかかりません。ただし公式は「無保証」としており、使用によって生じた損害について作者は責任を負わないと明記しています。更新前のバックアップは自分で取っておきましょう。
PSDToolKitはAviUtl2でも使えますか?
旧版はAviUtl2では使えませんが、AviUtl2向けのPSDToolKit2が別に配布されています。PSDToolKit2はアルファ版で、旧版の機能を移植している途中です。導入方法も、.au2pkg.zip をドラッグ&ドロップする方式に変わっています。前提となるGCMZDropsも2系が必要です。
「編集」メニューにPSDToolKitが表示されないのはなぜですか?
最も多い原因は、PSDToolKitの中身がexedit.aufと同じ場所に置かれていないことです。zipをフォルダごとコピーして1段深い場所に入っていないか、exedit.aufをpluginsフォルダに入れていないかを確認し、同じ階層へ置き直してAviUtlを再起動してください。
「拡張編集のバージョンナンバー解析に失敗しました」と出ます
拡張編集の入れ直しで解決することが多いエラーです。拡張編集0.92を再ダウンロードして上書きし、それでも出る場合は、Cドライブ直下に新しいフォルダを作り、AviUtl 1.10・拡張編集0.92・PSDToolKitだけで環境を作り直して試してください。
拡張編集0.93rc1でも使えますか?
使わないでください。PSDToolKitの公式ドキュメントとリリースページで、拡張編集0.93rc1は正常に動作しないと明記されています。0.93rc1を入れている場合は、0.92に戻してから導入し直すのが確実です。
PSDをドラッグ&ドロップしても読み込まれません
AviUtlかPSDToolKit.exeが管理者権限で動いている可能性が高いです。公式FAQでも、管理者権限で実行していると読み込めなくなると案内されています。aviutl.exeと script\PSDToolKit\PSDToolKit.exe のプロパティで、管理者として実行する設定を外してください。
PSDToolKitのウィンドウで表情を変えても立ち絵が変わりません
「送る」ボタンを押していないのが原因です。タイムライン上で対象のPSDオブジェクトを選択した状態で、専用ウィンドウ左上の「送る」を押すと反映されます。専用ウィンドウ内でパーツを切り替えただけでは、タイムライン側には何も伝わりません。
ゆっくりの立ち絵もPSDToolKitで動かせますか?
PSD形式の立ち絵なら動かせますが、ゆっくりの素材はPSDでないことが多いです。広く使われる「キャラ素材」はパーツごとのPNGをフォルダで管理する形式なので、キャラ素材スクリプトなど別の仕組みで動かします。使う素材がPSDかどうかを先に確認してください。
旧PSDToolKitで作った設定はAviUtl2で使えますか?
そのままでは使えないと考えてください。PSDToolKit2は .anm2 形式で動作し、AviUtl1用の .anm は直接使えません。「多目的スライダー」が「パーツ上書き@PSDToolKit」に変わるなど、機能名も変更されています。AviUtl2へ移る場合は、設定を作り直す前提で計画しましょう。
PSDToolKitを入れるとAviUtlが重くなりますか?
PSDの立ち絵は多数のレイヤーを合成するため、画像1枚よりは処理が重くなります。公式も、快適な動作には十分なCPU速度とメモリが必要としています。また、一部のアンチウイルスソフトで動作が固まる例が公式FAQで報告されているため、極端に重いときはスキャン除外も試してください。
まとめ
PSDToolKitの導入でつまずくポイントは、手順の難しさよりも「環境の食い違い」にあります。最後に要点を整理します。
- 旧AviUtlなら「AviUtl 1.10+拡張編集0.92+PSDToolKit v0.2.0beta系」、AviUtl2なら「AviUtl ExEdit2+GCMZDrops 2系+PSDToolKit2(アルファ版)」を組み合わせる
- 拡張編集0.93rc1は公式が非推奨。使っているなら0.92に戻す
- 旧版はzipの中身を exedit.auf と同じ階層へ置く。AviUtlは
C:\AviUtlのような短い英数字パスに置く - AviUtl2版は
.au2pkg.zipをプレビュー領域にドロップして再起動。要件はリリースページで毎回確認する - 表示されないときは「配置場所→バージョン→管理者権限→パス」の順に確認し、それでも駄目なら新しい空フォルダで最小構成を試す
- 立ち絵PSDは配布元のreadmeと公式ガイドラインを確認してから使い、表情は「送る」ボタンで反映する
PSDToolKitが入って立ち絵が表示されたら、次は口パク・目パチと字幕です。AviUtlで立ち絵を動かす方法とAviUtlの字幕の入れ方に進み、動画全体の流れはずんだもん動画の作り方で確認してください。PSDToolKitは更新が続いているプラグインなので、導入するタイミングで公式のリリース情報を一度確認する習慣をつけておくと、トラブルを未然に防げます。