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ゆっくり動画の作り方をiPhoneだけで|YMM4が使えない代替3ルート

公開: 2026-09-20 更新: 2026-09-21 約28分 ゆっくり動画iPhoneYMM4動画編集アプリ
ゆっくり動画の作り方をiPhoneだけで|YMM4が使えない代替3ルートのアイキャッチ画像

ゆっくり動画をiPhoneで作る方法を実機前提で解説。YMM4とAviUtlはWindows専用で動かないため、iPhone完結・ブラウザ・ハイブリッドの3ルートを所要時間と月額で比較し、音声の商用ライセンスと立ち絵の規約まで整理しました。

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目次

結論から書く。ゆっくり動画の定番ソフトである YMM4(ゆっくりMovieMaker4)と AviUtl は Windows 専用で、iPhone では動かない。iOS 版アプリは存在せず、今後出る予定も公表されていない。つまり「PCと同じ作り方」は iPhone では成立しない。それでも iPhone でゆっくり動画を作ること自体は可能で、現実的に成立するルートは3つある。

(最終更新:2026年9月21日)

多くの解説記事は「iPhoneでもゆっくり動画は作れます!」と入って、後半でこっそり「ただし口パクは手動です」と書く。この記事は順番を逆にする。iPhoneで作ると"何が落ちるのか"を先に確定させてから、落ちても成立する作り方だけを残すという組み立てだ。落ちるものは大きく2つ――立ち絵の自動口パク同期と、重ねられるレイヤー(トラック)の本数。この2つはゆっくり動画の「らしさ」を支えている部分そのものなので、iPhone完結でやる限り、出来上がるのは厳密には「ゆっくり動画」ではなく「ゆっくり風の解説動画」になる。そこを納得したうえで進むか、素材集めだけ iPhone でやって仕上げを別環境に逃がすか。判断材料を全部出す。

ゆっくり系が飽和していると感じるなら、無料で完結するずんだもん動画の作り方の全工程を読んで別キャラでの立ち上げも比較してみてください。

iPhoneでゆっくり動画を作る3ルート比較

先に結論。iPhoneで完結させたいなら「ルートA(iPhone完結)」、画質と量産を取るなら「ルートC(ハイブリッド)」が現実解で、ルートB(ブラウザ)は"PCを持っていないが将来的に自動化したい人"の中間案という位置づけになる。

比較項目 ルートA:iPhone完結 ルートB:ブラウザ/クラウド ルートC:iPhone収集+PC仕上げ
必要なもの iPhone のみ iPhone+Webサービス契約 iPhone+Windows PC(またはクラウドPC)
音声 iOS読み上げアプリ(AquesTalk系/VOICEVOX系) サービス内蔵の音声合成 VOICEVOX・AivisSpeech・AquesTalk
立ち絵の口パク自動同期 できない(手動で口開き/口閉じを切り替え) サービス次第(自動のものが多い) YMM4で自動
字幕(テロップ) 手動 or 自動字幕 自動生成が中心 台本から自動生成
10分動画1本の所要時間(慣れた状態) 4〜8時間 30分〜1.5時間 1.5〜3時間
月額の目安 0〜700円程度(編集アプリの課金のみ) 0〜9,000円程度 0〜5,300円程度(クラウドPC使用時)
向いている人 PCが無く、月2〜4本ペースで良い人 手を動かす時間を金で買いたい人 本数を伸ばしたい人
最大の弱点 時間がかかる・尺が伸びると破綻する サービス依存/解約で作り直せない PC環境の用意が必要

この表で一番見てほしいのは「10分動画1本の所要時間」の行だ。ゆっくり解説というジャンルは、投稿頻度が伸びない限りチャンネルとして育ちにくい。1本8時間かかる作り方は、技術的には可能でも運用としては続かない。だから「iPhoneで作れるか」ではなく「iPhoneで作り続けられるか」で選ぶべきで、その観点だとルートAは最初の3〜5本の検証用、ルートCが本命になりやすい。

ルートBの選択肢について

ブラウザ完結型のサービスは、台本を入れると音声合成・字幕・立ち絵配置まで通して出してくれるタイプが中心だ。代表例の YukkuriGen は、公式サイトの説明ではクラウド側(AWS Lambda)でレンダリングするためPCスペックに依存せず、料金はフリープランが月10クレジットでMP4書き出し不可(台本作成と透かし付き共有プレビューのみ)、スタンダードが月3,980円で月100クレジット=MP4レンダー20本分、プロが月8,900円で月300クレジット=60本分(年払いで20%割引)。ただしスマートフォンのブラウザで完全に動作するかは公式に明記されていないため、契約前に自分の iPhone で無料プランを触って確認するのが安全だ。

同じ「ブラウザで動く動画生成」という枠では、当サイトが開発・運営しているショート動画生成ツール Shorty も選択肢のひとつになる。こちらは台本からショート動画を自動生成する用途に寄せた設計で、無料プランは1本30秒まで・30日で5本まで・保存期間7日・ショート(縦型)形式のみという制約がある。10分級のゆっくり解説をそのまま作る用途には尺が足りないので、「長尺は別ルートで作り、切り抜き的なショートだけ自動化する」という併用の形になる。どれが合うかは作りたい尺と本数で決まるので、無料枠のあるものを1本ずつ試してから決めてほしい。

ルートA:iPhone完結の全体像と必要なもの

結論:iPhone完結ルートは「音声を作るアプリ」「立ち絵などの素材」「動画編集アプリ」の3点セットで成立する。アプリを1本入れれば全部できる、という構成にはならない。

PC版のYMM4は、台本を打ち込むと音声合成・字幕生成・立ち絵の口パク同期・タイムライン配置までを1本で処理してくれる統合ソフトだ。iPhoneにはこれに相当するものが無いので、その工程を手作業で分解して、別々のアプリに割り振ることになる。

用意するもの(チェックリスト)

工程を分解するとこうなる

  1. 台本を書く(メモアプリ/1行1セリフ、記号やカッコは読み上げが崩れるので外す)
  2. 音声合成アプリで1セリフずつ音声ファイルを作り、001, 002… と連番で保存する
  3. 「ファイル」アプリに素材フォルダを作り、音声・立ち絵・背景をすべて入れる
  4. 編集アプリで背景を敷き、音声を順に並べる
  5. 立ち絵を重ね、セリフの範囲に合わせて口開き/口閉じを切り替える
  6. 字幕を入れる
  7. BGM・効果音を入れて音量バランスを取る
  8. 書き出す

この2番の「1セリフずつ保存して連番にする」が、地味だが全体の成否を分ける。まとめて1ファイルにしてしまうと、後から立ち絵の切り替え位置を合わせられなくなり、結局やり直しになる。逆にここさえ丁寧にやれば、あとは単調作業で進む。

iPhoneで使えるゆっくりボイスと商用利用の可否

結論:iPhoneで音声合成はできるが、"ゆっくりボイス"(霊夢・魔理沙の声=AquesTalk系)で広告付き公開をするなら年6,380円(税込)の商用ライセンスが必要。一方 VOICEVOX 系はクレジット表記で商用利用できるため、iPhone勢のコスト面ではVOICEVOX系に寄せた方が有利になる。

まず前提として、VOICEVOX 本体は PC 専用ソフトで、公式のスマートフォンアプリは存在しない。AivisSpeech も同様に現時点ではPC専用で、スマホ版は開発中とアナウンスされているが提供時期は公開情報では確認できない。したがって iPhone で使えるのは「サードパーティのiOSアプリ」か「ブラウザ経由」のどちらかになる。

選択肢 iPhoneでの可否 声の系統 商用利用・収益化 費用の目安
VOICEVOX 公式アプリ ×(PC専用、公式iOSアプリ無し) ずんだもん等 クレジット表記で可 無料
サードパーティのVOICEVOX系iOSアプリ ○(App Storeに複数あり) ずんだもん等 キャラ規約+アプリ規約の二重確認が必要 無料〜数百円
WEB版VOICEVOX(非公式・ブラウザ) △(ベータ、環境により不安定) ずんだもん等 キャラ規約に従えば可 無料(低速版)
AivisSpeech ×(PC専用、スマホ版は開発中) AI音声モデル各種 ソフトは商用可/モデルは個別ライセンス 無料
ゆっくり棒読み系iOSアプリ(AquesTalk採用) 霊夢・魔理沙の"ゆっくりボイス" 広告付き動画は使用ライセンス必須 アプリ無料+ライセンス年6,380円

AquesTalk(ゆっくりボイス)のライセンスは「収益化してから」では遅い

ここが一番誤解されている。株式会社アクエストの公開情報では、無償で使えるのは「個人の方が直接間接を問わず営利を目的としない場合に限る」とされており、AquesTalkPlayerやゆっくりMovieMakerで作った動画をYouTubeに広告つきで公開する用途は、使用ライセンスの購入対象と明記されている。商用コンテンツ向け使用ライセンスは税込6,380円で、有効期間はライセンス証の発行日から1年間。AquesTalk1/AquesTalk2/AquesTalk10/AqKanji2Koe の全OS・全バージョンが対象になる。

つまり「収益化が通ってから買えばいい」ではなく、広告付きで公開する時点で対象になるという読み方が素直だ。iPhoneのゆっくり棒読み系アプリはアプリ自体が無料でも、生成した音声を広告付き動画に載せるならこのライセンスの話はついて回る。個人の非営利(収益化していない動画)であれば無償の範囲に収まる。

iPhoneならVOICEVOX系に寄せた方が安く済む、という現実的な判断

ここが独自視点のひとつめだ。iPhoneで作る人ほど「ゆっくりボイスを使わない」方が合理的である。理由は3つある。

  1. コスト:AquesTalk系は広告収益を狙うなら年6,380円が前提になるが、VOICEVOX系はクレジット表記(「VOICEVOX:キャラクター名」形式)で商用利用できる。収益が立つ前の検証段階では、この差が効く。
  2. iPhoneでの入手性:VOICEVOX の音声はサードパーティのiOSアプリやブラウザ経由でも触れる選択肢がある。
  3. そもそも口パクが自動同期できない:iPhone完結では立ち絵の口を自動で動かせないので、「ゆっくりボイスでないと成立しない」という制約自体が弱い。声だけ本家に寄せても、絵が動かなければ視聴体験は変わらない。

ただし注意点として、VOICEVOX はキャラクターごとに個別の利用規約があり、そこをクリアしたうえで商用利用OKという二段構えになっている。禁止事項はキャラごとに異なり、規約は随時更新される。また、クレジット表記をしない商用利用については1キャラクターあたり40万円(+税)の契約になると案内されている。サードパーティのiOSアプリを使う場合は「キャラクターの利用規約」と「そのアプリ自体の利用規約」の両方を読む必要がある点も忘れないでほしい。アプリ側が商用利用を制限しているケースは普通にある。

VOICEVOXの収益化まわりの条件は VOICEVOX 商用利用 YouTube で細かく整理している。

霊夢・魔理沙の立ち絵をiPhoneで入手・配置する

結論:立ち絵はSafariで配布サイトからダウンロードし、「ファイル」アプリで解凍して透過PNGを取り出す。iPhoneでも手順自体は完結するが、素材が「口開き」「口閉じ」「目開き」「目閉じ」のパーツ分割になっている配布形式だと、iPhone側で合成できず詰まる。

入手の手順

  1. Safariで配布サイト(nicotalk&キャラ素材配布所、きつね氏の配布ページなど)を開く
  2. ダウンロードの前に利用規約ページを必ず読む(後述)
  3. zipファイルをタップしてダウンロード(「ファイル」アプリの「ダウンロード」に入る)
  4. 「ファイル」アプリでzipをタップすると、同じ階層にフォルダとして展開される
  5. 中を開いて、立ち絵のPNGがどういう構造か確認する
  6. 使うPNGを、あらかじめ作っておいた作業フォルダにコピーする

iPhoneで詰まるのは「パーツ分割型」の素材

ここが実務上の分かれ目だ。ゆっくり立ち絵には大きく2種類ある。

パーツ分割型をiPhoneで使うなら、事前に「口閉じ完成形」「口開き完成形」の2枚(できれば目閉じも合わせて4枚)を、画像編集アプリで重ねて書き出し、一枚絵に平らにしてから動画編集アプリに持ち込む必要がある。この前処理を先にやっておくと、後の編集が一気に楽になる。

透過を壊さないための注意

PNGの透過(背景が抜けている状態)は、扱い方を間違えると黒や白で塗りつぶされる。

立ち絵の配布元とライセンスの具体については ゆっくり 立ち絵 素材 入手 に配布元ごとの整理がある。霊夢・魔理沙を使った制作の全体像は 霊夢 魔理沙 ゆっくり 作り方 が近い。

立ち絵素材の利用規約でよく問題になる点

配布者によって規約はまったく違うが、ゆっくり解説でよく使われるきつね氏の立ち絵については、公開されている規約で「事前連絡なしの商用利用は個人・法人とも禁止」としつつ、「個人のYouTube/ニコニコ動画の収益化は商用利用に当たらない」と整理されている、という説明が複数の解説で共有されている。ただし規約は改定されるため、必ず配布元の最新の規約ページを自分で開いて確認してほしい。この記事の情報は確認時点のものであり、配布元の記載が優先される。

一般的に、どの配布元でも共通して禁止されがちなのは次の項目だ。

ここまでの手順、1本ぶんまるごと自動でやりますShorty はテーマを入力するだけで、台本・AI音声・字幕・BGMを揃えた雑学ショート動画を生成します。無料プランは30日5本まで。無料で作ってみる

CapCutで立ち絵+字幕+背景を重ねる12ステップ

結論:iPhoneでの合成はCapCutが最も情報量が多く現実的。2025年内に一般的な透かしは撤廃されており、王冠アイコン付きのPro限定テンプレート・エフェクト・楽曲を避ければ、無料でも透かし無しで書き出せる。

以下は16:9・10分想定の手順。VLLO(無料版でも透かしが入らない仕様)やLumaFusion(買い切り型、通常4,000円前後/2026年3月には2,500円のセール実績あり)でも考え方は同じだ。

  1. CapCutを開き「新しいプロジェクト」から背景画像を選んで読み込む
  2. 背景クリップの長さを、まず仮に10分へ引き伸ばす(後で詰める)
  3. 「オーディオ」→「デバイスから」で、連番にした音声ファイルを001から順に追加する
  4. 音声どうしの間に0.2〜0.4秒の無音を入れる(詰めすぎると聞き取りにくい)
  5. 全部並べ終わったら、最後の音声の終端に合わせて背景クリップを詰める
  6. 「オーバーレイ」→「画像を追加」で霊夢の口閉じPNGを追加し、画面左下に配置・サイズ調整
  7. 同様に魔理沙の口閉じPNGを右下に配置する
  8. 霊夢が喋る区間に、口開きPNGのオーバーレイを重ねて置く(口閉じの上に乗せる形)
  9. 8を全セリフ分くり返す。※ここが最も時間を食う工程
  10. 「テキスト」→「自動字幕」で音声から字幕を生成し、誤変換を手で直す
  11. 字幕のフォント・縁取り・位置を整える(下部中央、縁取りありが読みやすい)
  12. BGM・効果音を追加し、BGMを-20dB前後まで下げてから書き出す(1080p/30fps)

9番を軽くするための現実的な妥協案

全セリフに口開きを置くと、10分動画で200〜400回の配置作業になる。これを毎本やるのは厳しいので、次のどれかに落とすのが実務的だ。

3つ目の「話者を明るさで示す」は、iPhone完結ルートでは特に費用対効果が高い。視聴者が実際に追っているのは字幕と音声なので、口の動きの精度は思ったほど視聴維持率に効かない。

iPadで同じことをやる場合の違い(画面が広く、オーバーレイ作業が段違いに速い)は ゆっくり解説 作り方 iPad にまとめてある。同じiOS系でも、この工程だけは画面サイズが効く。

ルートB・ルートCの使いどころ

結論:PCを買う気があるならルートC、買う気が無いならルートB。ルートBは月額が乗る代わりに時間を買え、ルートCは時間あたりの効率が最も高い。

ルートB:ブラウザ/クラウドで作る

台本を入れると音声・字幕・立ち絵配置まで通すタイプのサービスを使う方法。iPhoneのSafariから操作できれば、PCなしで自動化に近い形が作れる。

ここでの最大のリスクは「サービス依存」だ。プロジェクトデータがサービス側にある以上、値上げや終了があると作り直せない。書き出したMP4と、台本・素材は必ず自分の「ファイル」アプリやクラウドストレージに残しておくこと。

ルートC:iPhoneで集めてPC/クラウドPCで仕上げる

ここが独自視点のふたつめ。iPhoneの本当の勝ち筋は「制作」ではなく「仕込み」にある

ゆっくり解説の作業時間は、実は編集より前の工程――ネタ探し、一次情報の確認、台本執筆、画像素材の収集――に大きく偏っている。そしてこれらは全部 iPhone の方が速い。通勤中にネタをメモし、スクリーンショットで資料を集め、音声入力で台本の下書きを作る。この「仕込み」をiPhoneに全振りして、合成だけをPCでやると、1本あたりの体感時間が劇的に下がる。

PCを持っていない場合は、クラウドPCという手もある。Windows 365 は iOS のリモートデスクトップアプリから接続でき、月額はおおむね5,000円台から(2026年時点の公開情報で月5,247円前後/税抜という案内がある)。iPhoneの画面からWindowsを操作してYMM4を動かすという形になるので、理屈のうえではiPhone1台でPC専用ソフトを使えることになる。

ただし正直に書いておくと、この方法は操作性がかなり厳しい。YMM4のタイムライン操作は細かいドラッグを多用するため、6インチ前後の画面をタッチで操作するのは実用的とは言いにくい。Bluetoothキーボードとマウス、できれば外部ディスプレイが前提になる。そこまで用意するなら中古のWindows機を買った方が安い、という結論になることが多い。「クラウドPCならiPhoneでYMM4が動く」は事実だが、快適に動くとは言っていないという点は誤解しないでほしい。

iPhone単体で必ず詰まる5つの壁と回避策

結論:iPhone完結でつまずくポイントは事前にほぼ特定できる。下の5つを知っているかどうかで、初回の制作が8時間で終わるか、途中で投げ出すかが決まる。

何が起きるか 回避策
口パクの自動同期が無い 全セリフで手動配置になり、10分動画で200〜400回の作業になる セリフ単位の切り替えに妥協する/話者を明るさで示す
レイヤー(トラック)数の上限 立ち絵・字幕・効果・背景を重ねるうちに追加できなくなる 立ち絵を一枚絵に平ら化/背景+装飾を事前に1枚へ合成
書き出し時の透かし 王冠マーク付き素材を使うと透かしが入る 素材選択時に王冠アイコンを避ける/VLLOのように無料でも透かしが入らないアプリを選ぶ
ストレージ不足 書き出し直前に容量不足で失敗し、作業が無駄になる 着手前に10GB以上空ける/完成後は素材フォルダを即削除
アプリ間のファイル受け渡し 音声ファイルの順番が分からなくなる 001形式の連番で保存し、「ファイル」アプリに1プロジェクト1フォルダで管理

ストレージの罠はもう少し具体的に

10分のゆっくり解説を作ると、音声ファイルが200〜400本、立ち絵と背景で数十〜数百MB、編集アプリのキャッシュと中間ファイル、そして書き出した1080pのMP4本体。合計で5〜10GBに届くことは珍しくない。

さらに厄介なのが iCloud写真の「iPhoneのストレージを最適化」 だ。これが有効だと、写真アプリ内の素材が端末からクラウドへ退避され、編集アプリから読み込もうとした瞬間にダウンロードが走る。オフラインや電波の弱い場所で作業していると、ここで止まる。素材は写真アプリではなく「ファイル」アプリのローカル領域に置くのが、この問題の根本的な回避策になる。

書き出しに失敗したときの順番

  1. 端末の空き容量を確認する(最低でも書き出しサイズの3倍)
  2. 編集アプリを完全に終了して再起動する
  3. 解像度を1080pから720pに落として試す
  4. プロジェクトを前半・後半に分割して2本書き出し、後から結合する
  5. それでも駄目なら、不要なオーバーレイを削って軽くする

長尺で落ちる場合は、4の「分割して書き出す」が一番確実だ。iPhoneの編集アプリは10分超のプロジェクトで不安定になりやすいので、最初から5分×2本構成で作るという設計もありえる。

「ゆっくり」の名称と東方Project二次創作の注意点

結論:「ゆっくり」という語をタイトルやタグに使うことは、現在は特に制限なく可能。2022年の商標騒動は完全に決着している。一方、霊夢・魔理沙は東方Projectのキャラクターなので、二次創作ガイドラインの側を守る必要がある。

「ゆっくり茶番劇」商標問題は終わっている

経緯を事実ベースで並べる。2022年5月、ある投稿者が「ゆっくり茶番劇」の商標権を取得し、使用料の徴収を試みたことで大きな反発が起きた。同年5月28日付で商標登録は放棄され、6月1日に商標権抹消申請書の受理が発表、6月8日に権利が抹消された。さらに2023年7月12日付で無効審決が出ている。これにより登録から放棄までの権利も無効となり、当該商標権は完全に消滅した。

したがって現在、「ゆっくり解説」「ゆっくり実況」といったジャンル名・タグを動画タイトルに使うこと自体は、この件を理由に制限されない

東方Projectの二次創作ガイドライン

霊夢・魔理沙は上海アリス幻樂団の東方Projectのキャラクターであり、二次創作ガイドラインが公開されている。公開情報から読み取れる要点は次のとおり。

収益化については、ガイドライン上に明示的な禁止規定は見当たらず、「二次創作動画を動画配信サービスで配信すること」は許可される範囲として案内されていると読める。ただし「広告収益を得てよい」と直接書かれた条文を確認できたわけではないため、この点は要確認としておく。ここは断定しない方がいい領域だ。判断に迷う規模(法人での運用、グッズ販売を伴う展開など)になる場合は、公式の最新ガイドラインを直接読み、必要なら問い合わせてほしい。

公開前チェックリスト

なお、規約まわりの不備はYouTube側の審査(収益化申請)でも詰まる要因になる。音声と素材の権利関係は、1本目を投稿する前に一度まとめて確認しておくと後が楽だ。

アプリ内蔵の音源や画像をそのまま使うと、権利侵害の申し立てを受けることがあります。申し立て・警告・ストライクはそれぞれ重さが違うので、YouTubeのストライクの種類と3回で起きることで線引きを確認しておいてください。

よくある質問

iPhoneだけでゆっくり解説動画は作れますか?

作れます。ただし口パクの自動同期はできず、音声・立ち絵・編集を別々のアプリで手作業でつなぐ形になります。10分動画1本で4〜8時間が目安です。

PC版のYMM4が1本でやっていた工程を、iPhoneでは3つ以上のアプリに分けて手動で再現することになります。技術的な壁ではなく「時間の壁」なので、まず3〜5分の短い動画で1本通して作り、自分のペースで続けられるか確かめてから尺を伸ばすのが安全です。

YMM4(ゆっくりMovieMaker4)のiPhone版・iOSアプリはありますか?

ありません。YMM4は Windows 10/11 専用で、Mac・Linux・ChromeOS・iOS・Android では動作しません。iOS版の提供予定も公表されていません。

App Storeで「ゆっくりムービーメーカー」に似た名前のアプリが見つかることがありますが、それらは公式のYMM4とは別の、第三者が作った動画編集アプリです。機能も規約も異なるので、YMM4の使い方をそのまま当てはめないでください。AviUtlも同様にWindows専用です。

iPhoneでVOICEVOXは使えますか?

公式アプリはありません。VOICEVOX本体はPC専用です。ただしApp Storeにサードパーティ製のVOICEVOX系読み上げアプリが複数あり、非公式のWEB版VOICEVOXもブラウザから使えます。

サードパーティアプリを使う場合は、VOICEVOXのキャラクター利用規約と、そのアプリ自体の利用規約の両方を確認してください。アプリ側が商用利用や音声ファイルの書き出しを制限していることがあります。非公式のWEB版はベータ版で、環境によって正しく動作しない場合があると案内されています。

ゆっくりボイス(霊夢・魔理沙の声)で収益化するのにお金はかかりますか?

かかります。AquesTalkの商用コンテンツ向け使用ライセンスは税込6,380円で、有効期間は発行日から1年間です。広告付き動画での使用が対象と明記されています。

無償で使えるのは「個人が直接間接を問わず営利を目的としない場合」に限られます。収益化していない動画であれば無償の範囲です。逆に言えば、広告付きで公開する時点で対象になるため、「収益化が承認されてから買う」という順番では遅い可能性があります。コストを抑えたいなら、クレジット表記で商用利用できるVOICEVOX系に寄せる選択肢も検討してください。

iPhoneで作ると口パクは本当にできないのですか?

自動同期はできません。手動で口開きPNGと口閉じPNGを切り替えれば動かせますが、10分動画で200〜400回の配置作業になるため、現実には省略か簡略化することになります。

実務的には、セリフの塊ごとに1回だけ切り替える、キャラを上下に微妙に揺らす、喋っている側だけ不透明度を上げる、といった代替表現に落とすのが一般的です。視聴者が主に追っているのは字幕と音声なので、口の動きの精度が視聴維持率を大きく左右するとは限りません。

CapCutの無料版で作るとウォーターマークは入りますか?

原則入りません。2025年内に一般的な透かしは撤廃されており、透かしが出るのは王冠アイコン付きのPro限定テンプレート・エフェクト・楽曲を使った場合だけです。

素材を選ぶ画面で王冠マークの付いたものを避ければ、無料のまま透かし無しで書き出せます。無料版と有料版の差は、主にクラウドストレージ容量・書き出し解像度・AI機能の使用回数に集約されてきています。透かしをそもそも入れない設計のアプリとしてはVLLOもあり、こちらは無料版でも透かしが入らない点が特徴とされています。

立ち絵素材は無料で使えますか?商用利用はどうなりますか?

多くは無料でダウンロードできますが、商用利用の条件は配布元ごとに異なります。「個人のYouTube収益化は商用利用に当たらない」と整理している配布元もあれば、事前連絡を求める配布元もあります。

ゆっくり解説でよく使われるきつね氏の素材については、事前連絡なしの商用利用は個人・法人とも禁止としつつ、個人のYouTube/ニコニコ動画の収益化は商用利用に当たらない、という整理が共有されています。ただし規約は改定されるため、必ず配布元の最新の規約ページを自分で開いて確認してください。この記事の記載より配布元の記載が優先されます。

「ゆっくり」という言葉を動画タイトルに使っても大丈夫ですか?

現在は問題ありません。2022年の「ゆっくり茶番劇」商標は同年6月8日に権利が抹消され、2023年7月12日付で無効審決が出て完全に消滅しています。

この件を理由に「ゆっくり解説」「ゆっくり実況」といったジャンル名の使用が制限されることはありません。ただし、霊夢・魔理沙のキャラクターを使う以上、東方Projectの二次創作ガイドライン(二次創作である旨の明記、公式と誤解させない、など)は別途守る必要があります。名称の話とキャラクターの話は別の論点なので、混同しないでください。

iPhoneとiPad、どちらが向いていますか?

同じiOS系でも、この用途ではiPadが明確に有利です。立ち絵オーバーレイの配置作業はタイムラインの細かい操作が中心で、画面が広いほど速く正確になります。

iPhoneでも作れますが、9〜13インチのiPadと比べると、同じ工程に1.5〜2倍の時間がかかる感覚になります。すでにiPadを持っているならそちらを使い、iPhoneしかないなら「3〜5分の短い動画」から始めて、工程に慣れてから尺を伸ばすのが現実的です。

1本作るのにどれくらい時間がかかりますか?

iPhone完結ルートで10分動画1本、慣れた状態で4〜8時間が目安です。初回は台本を含めて10時間以上かかることも珍しくありません。

内訳はおおむね、台本1〜2時間、音声生成1〜2時間、立ち絵と字幕の配置2〜4時間、仕上げと書き出し30分〜1時間。最も時間を食うのは立ち絵の配置なので、ここを簡略化するかどうかで総時間が倍近く変わります。本数を伸ばしたい段階になったら、素材集めと台本だけiPhoneでやり、合成はPCに逃がすハイブリッド構成への移行を検討してください。

まとめ

iPhoneでゆっくり動画を作る話の前提として、まず YMM4とAviUtlはWindows専用でiPhoneでは動かないという事実を押さえる必要がある。この一点を曖昧にしたまま作り始めると、必ずどこかで「PCならできることができない」に突き当たる。

そのうえで、成立するルートは3つ。iPhone完結のルートAは、音声合成アプリ・立ち絵素材・動画編集アプリの3点セットで組み立て、10分動画1本あたり4〜8時間。口パクの自動同期が無いため、話者表現は明るさや微動で代替するのが現実的だ。ブラウザ型のルートBは時間を金で買う形で、無料枠は書き出し制限が付くことが多く、月額は数千円規模。iPhoneで仕込んでPCやクラウドPCで仕上げるルートCが、本数を伸ばす段階では最も効率が良い。

権利まわりは3点だけ覚えておけばいい。AquesTalk系の"ゆっくりボイス"は広告付き公開なら年6,380円(税込)の使用ライセンスが対象になること。VOICEVOX系はクレジット表記で商用利用できるが、キャラごとの規約とアプリ側の規約の二重確認が要ること。そして霊夢・魔理沙は東方Projectの二次創作なので、二次創作である旨の明記など、ガイドラインの側を守る必要があること。「ゆっくり」という名称自体は、2022年の商標問題が完全に決着しているので自由に使える。

最後にもう一度だけ本音を書く。iPhoneでゆっくり動画は作れるが、iPhoneで量産するのは向いていない。だから最初の数本で「このジャンルを続けるか」を見極め、続けると決めた時点で仕上げ工程だけを別環境へ移す。その順番で組むのが、いちばん無駄が少ない。

※本記事の料金・利用規約・OS対応状況は2026年9月21日時点で公開されている情報に基づく。各サービスの規約と価格は変更されるため、実際に利用する前に必ず公式の最新情報を確認してほしい。断定できない点は本文中に「要確認」と明記している。

この記事の手順、1本ぶんまるごと自動化できます

台本づくり・音声合成・字幕入れ・BGM 選びを工程ごとに手作業でやると、慣れても1本30分は消えます。Shorty はテーマを入力するだけで、この記事で解説した工程をまとめて1本のショート動画にします。無料プランは30日で5本まで(1本30秒・保存7日)。

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