「ゆっくり解説 作り方 AI」で調べている人が知りたいことは、実質3つに絞れる。先に結論を書く。
1. AIに任せられるのは台本の初稿・構成案・字幕整形・素材の候補出しまで。 事実確認と権利判断とキャラの間(ま)は任せられない。全自動にはならず、正味で削れるのは制作時間の3〜4割程度だ。2. 制作は0円で完結する。 有料になる分岐点は「作るとき」ではなく「収益化するとき」で、ゆっくりボイス(AquesTalk)の使用ライセンスは公式ストア表示で税込6,380円・1年(2026年9月時点)。3. PCはWindowsが実質必須。 定番ソフトのゆっくりMovieMaker4(YMM4)は、Mac・Linux・ChromeOS・iOS・Androidでは動作しないと公式に明記されている。
この記事は「AIをどこまで使えるか」と「Windows PCでの無料の最短ルート」に軸を絞る。筆者は顔出しなしのYouTubeを実際に運営している側(雑学ショート60本で登録者1,120人・総再生281万回)で、AI台本の運用と、それが裏目に出る条件の両方を実務で見ている。規約まわりは2026年9月時点で公開されている一次情報に当たって書き、確認できなかった点は「公開情報では確認できない」と明記した。
ゆっくり系が飽和していると感じるなら、ずんだもん動画の作り方:台本・音声・立ち絵・編集の順番を読んで別キャラでの立ち上げも比較してみてください。
ゆっくり解説の作り方をAIでどこまで自動化できるか|工程別の判定表
最初に全体像を固定する。ゆっくり解説の制作は、細かく分けると10工程ある。「AIで作る」と言うとき、この10工程のどれを指しているかで話が噛み合わなくなるので、先に工程ごとの可否を1枚に落とす。
| 工程 | AIに任せられるか | 任せると事故る具体的な中身 | 人が必ず残す作業 |
|---|---|---|---|
| ① テーマ・企画選定 | 部分的に可 | AIは「それらしい題材」を出すが、検索需要と競合状況は見ていない。出てきた10案のうち需要があるのは体感2〜3案 | 実際の検索ボリュームと既存動画の本数を自分で確認する |
| ② リサーチ・事実収集 | 任せると事故る | 出典のない数値・存在しない書籍名・年号のズレが自然な文体で混ざる。解説系では致命傷 | 数値・年号・固有名詞・人物の肩書きは一次情報で1件ずつ照合 |
| ③ 構成(章立て) | 可 | 章が均等に割られすぎて起伏が消える。全章が同じ長さの動画は最後まで見られない | 山場を1〜2章に寄せる配分の決定 |
| ④ 台本の初稿 | 可 | 指示が雑だと掛け合いが地の文になり、1セリフが60字を超えて尺が破裂する | 字数制約と口調サンプルの提示、面白さの取捨 |
| ⑤ 口調・キャラ性の調整 | 部分的に可 | 「〜だぜ」を語尾に足しただけの魔理沙になる。チャンネル固有の空気は出ない | 冒頭15秒と山場のセリフは手で書き直す |
| ⑥ 字幕の分割・改行 | 任せられる | ほぼ事故らない。機械的処理が最も効く工程 | 固有名詞の途中で改行されていないかの目視 |
| ⑦ 音声生成 | 任せられる | 読み間違い(人名・専門用語・数字の単位)はエンジン側の問題として残る | 辞書登録と読み上げ結果の試聴 |
| ⑧ 背景・挿絵の用意 | 部分的に可 | AI画像は雰囲気は出るが、図解として正確でない。グラフや年表を描かせると数値が壊れる | 事実を含む図はAIに描かせず自分で作る |
| ⑨ 立ち絵・演出付け | 任せると事故る | 表情差分の切り替えや「間」は自動化の効きが悪い。機械的に付けると視聴体験が単調になる | 驚き・強調のタイミングを手で置く |
| ⑩ 権利・規約の判断 | 任せると事故る | AIは規約を要約はするが、最新の改定を反映していないことがある。素材配布者の個別規約は特に弱い | 配布元と権利者の一次情報を自分で読む |
この表の読み方は単純だ。⑥⑦は完全に任せてよく、③④は任せてから直し、②⑨⑩は任せてはいけない。 ①⑤⑧は「候補出しはAI、決定は人」で回す。
「全自動」にならない理由は、検品が残るから
AIを導入したのに思ったほど速くならない、という声はよく聞く。理由は工程が減っていないからだ。台本を書く時間はたしかに減るが、そのぶんAI出力の検品という新しい工程が増える。特に②の事実確認は、AIが出した文章を1文ずつ疑う作業になるので、自分で調べながら書くより遅くなることすらある。
筆者の実感値を出すと、10分尺の解説動画1本で次のような配分になる。
- AIを使わない場合:リサーチ2.0時間+台本1.5時間+編集2.5時間=約6.0時間
- AIを使う場合:リサーチ1.5時間+台本0.4時間+検品0.8時間+編集2.0時間=約4.7時間
削れたのは約2割強にとどまる。編集工程(⑥〜⑨)でテンプレートを作り込んで初めて3〜4割に届く。「AIで台本を書けば1本30分」という話が出回っているが、それは事実確認を省いた場合の数字だと考えたほうがいい。解説動画で事実確認を省くのは、短期的に速くて長期的に一番高くつく選択だ。
AIを使う前に決めておく3つのパラメータ
プロンプトを書き始める前に、これだけは先に決めておく。後から変えると全部作り直しになる。
- 尺と文字数:日本語の読み上げは1秒あたり5〜6文字が目安。60秒なら300〜360字、10分なら3,000〜3,600字。掛け合い形式は間が空くので、この8割に抑えると合いやすい。
- 役割分担:霊夢=聞き手・ツッコミ、魔理沙=解説役、が定番。逆でもいいがチャンネル内では固定する。
- 1セリフの上限字数:40字。これを超えると字幕が2行を超えてスマホ画面で読みづらくなる。
この3つをプロンプトに毎回書き込む。書かないとAIは長文の地の文を返してくる。
ゆっくり解説の台本をAIで作る方法|そのまま使えるプロンプト設計
ここが「ゆっくり解説 台本 AI」「ゆっくり解説 台本作成 ai」で調べる人が一番欲しい部分だ。結論から言うと、「ゆっくり解説の台本を書いて」だけでは使い物にならない。理由は3つの失敗モードにある。
AI台本が破綻する3つの失敗モード
- 地の文化:掛け合いのはずが、魔理沙が5行連続で説明する「講義」になる。霊夢が相槌しか打たなくなり、ゆっくり解説である意味が消える。
- 尺の破裂:1セリフが60〜80字になり、10分のつもりが18分になる。YMM4に流し込んでから気づくと全面書き直しになる。
- 事実の捏造:もっともらしい数字、存在しない出典、微妙にズレた年号。AIは「わからない」と言わずに滑らかな文章を返すので、知らない分野ほど見抜けない。
この3つは、プロンプトの書き方で1と2はほぼ潰せる。3は潰せないので、後述する分離運用で対処する。
プロンプトに必ず入れる7要素
- ① 役割の固定:「霊夢=聞き手・視聴者の疑問を代弁/魔理沙=解説役・結論から話す」と明示する。
- ② 口調サンプル:語尾の指定だけでは足りない。実際のセリフを2〜3行そのまま渡す。「ふーん、で、それって結局どういうこと?」のような具体例が効く。
- ③ 構成の型:「問い→結論→驚き・疑い→根拠」の4拍を1トピックとし、トピック数を指定する。10分なら6〜8トピック。
- ④ 字数制約:「1セリフは40字以内。超える場合は分割し、話者を交互にする」。
- ⑤ 禁止事項:挨拶から始めない/専門用語を説明なしで使わない/「驚愕」「衝撃」などの誇大表現を使わない/断定できないことを断定しない。
- ⑥ 出力形式:話者とセリフの2列。タブ区切りかCSVで出させる。YMM4への流し込みが一気に楽になる。
- ⑦ 事実の扱い:「事実・数値は書かず、
【要出典:○○の件数】のようなプレースホルダにする」。これが後述の分離運用の核になる。
そのまま使えるプロンプトの雛形
あなたはYouTubeのゆっくり解説動画の構成作家です。以下の条件で台本を作ってください。
# テーマ
(ここにテーマを1行で)
# キャラクター
- 霊夢:聞き手。視聴者の素朴な疑問を代弁する。口調例「ふーん、で、それって結局どういうこと?」「ちょっと待って、それ本当なの?」
- 魔理沙:解説役。結論から先に言う。口調例「結論から言うぜ。答えはこうだ」「理由は3つある。まず1つ目だ」
# 構成
- 冒頭15秒:挨拶なし。「結論の先出し」→「意外性のある引っかかり」→「本編の約束」の3セリフで畳む
- 本編:「霊夢が問う→魔理沙が結論→霊夢が驚く/疑う→魔理沙が根拠で補強」の4拍を1トピックとし、6トピック
- 終盤:まとめ1トピック。次の行動を1つだけ提示
# 制約
- 1セリフ40字以内。超える場合は分割して話者を交互にする
- 全体で2,600〜3,000字
- 専門用語は必ず霊夢に「それ何?」と言わせて言い換える
- 「驚愕」「衝撃」「ヤバい」などの誇大表現は使わない
- 数値・年号・固有名詞・出典は書かず【要出典:内容】と記す。推測で数字を書かない
# 出力形式
1行1セリフ。「話者<TAB>セリフ」のタブ区切り。前置きや解説は出力しない
雛形をそのまま貼って、テーマ行だけ差し替えれば動く。ポイントは最後から2つ目の制約だ。AIに数字を書かせないことで、捏造がそもそも発生しない。 プレースホルダになっている箇所だけを自分で調べて埋めれば、事実確認の対象が明示的に絞られる。「全文を疑う」から「10箇所を調べる」に変わるので、検品の負荷が体感で半分以下になる。
追い込み用の3つの指示
初稿が出たあと、次の3つを順に投げると品質が安定する。
- 尺の圧縮:「全体を2,400字まで削ってください。削るのは根拠の重複部分で、掛け合いのリズムは維持してください」
- 口調の矯正:「魔理沙のセリフのうち、語尾以外に魔理沙らしさがない行を5つ挙げ、書き直してください」——この「自己診断させてから直させる」形にすると、単に「もっとキャラらしく」と言うより効く。
- 冒頭の作り直し:「冒頭3セリフだけ、別パターンを5案出してください」——冒頭は手で選ぶ価値がある。ここだけで平均視聴時間が変わる。
台本以外のプロンプト設計(サムネ文言、タイトル案、企画の量産)はAI台本プロンプト例7選に型をまとめてある。ショート形式の台本を量産したい場合はショート動画の台本の書き方のほうが近い。
AI台本の検品チェックリスト
生成した台本は、YMM4に流し込む前にこの8項目を通す。
- [ ] 【要出典】のプレースホルダをすべて一次情報で埋めた(残っていないか検索で確認)
- [ ] 1セリフ40字を超えている行がない
- [ ] 全体の文字数が目標尺の想定内に収まっている
- [ ] 魔理沙が3行以上連続で話している箇所がない
- [ ] 冒頭3セリフに挨拶が入っていない
- [ ] 断定できない事柄を断定していない(「〜とされる」「〜という説がある」に直した)
- [ ] 誇大表現(衝撃・驚愕・ヤバい・絶対)が残っていない
- [ ] 自分の視点・検証・実体験が最低1箇所入っている
最後の項目が一番重要で、次の章の話に直結する。
AI台本をそのまま読ませると何が起きるか|「量産型コンテンツ」との距離
ここで通説を1つ否定しておく。「AIで台本を作ると収益化できない」「AI音声を使うとBANされる」という言い方が広まっているが、これは正確ではない。
2025年7月15日、YouTubeは収益化ポリシーの記述を更新した。従来「繰り返しの多いコンテンツ」と呼ばれていたポリシーが「量産型のコンテンツ」に改称され、繰り返しの多いコンテンツだけでなく大量生産されたコンテンツも該当することがより明確化された。英語圏では inauthentic content という表現で説明されている。ただしYouTube側は、新ルールの追加ではなく既存ポリシーの明確化だと説明している。
つまり判定されているのは「AIを使ったかどうか」ではなく、視聴者にとっての付加価値が残っているかどうかだ。同じ立ち絵・同じ音声・同じ構成を使い回すこと自体は問題にならない。ニュース番組が毎日同じセットで放送しても問題にならないのと同じである。
本当に危ないのは、AIではなく「要約の要約」
筆者が実務で見ている限り、危険度が高いのはAIの使用そのものではない。危ないのは次のパターンだ。
- Web記事を1本読んでAIに要約させ、掛け合いに変換しただけの動画(=一次情報を経由していない)
- 同じテンプレートに単語だけ差し替えて量産した動画
- 独自の検証・実測・視点が1つも含まれない動画
- 内容と無関係な釣りサムネイル・釣りタイトル
- 音声が終始同じ速度・同じ抑揚で、区切りも演出もない動画
ゆっくり解説はテンプレ性が高い形式なので、①〜③に滑り落ちやすい。逆に言えば、AIを使っていても一次情報に当たって自分の視点を1つ足していれば、その動画は「量産型」の中心にはいない。 判定の詳細はinauthentic contentとは?YouTube新基準とYouTube再利用コンテンツ判定基準で整理している。ゆっくり形式で収益化審査に落ちた場合の立て直しは収益化の審査に落ちたゆっくり解説チャンネルが次にやる手順が近い。
規約より先に効いてくるのは平均視聴時間
ここがもう1つの独自視点だ。AI台本の実害は、多くの場合ポリシー判定より先に平均視聴時間の低下として現れる。
AIが書く掛け合いは、文法的には正しいが情報密度が均一になりやすい。どのトピックも同じ重みで説明されるので、視聴者は「どこが山場か」がわからない。結果として、冒頭は見るが3分あたりで離脱する。収益化が止まるより先に、伸びなくなる。
対策は台本の構造側にある。6トピックのうち1つだけを「一番驚く話」に指定し、他の5つを短くする。AIには「トピック3を最も詳しく、文字数を他の1.5倍にしてください」と明示的に指示する。この1行を足すだけで、起伏のある台本になる。合成音声の冒頭離脱そのものへの対策はAI音声ですぐスワイプされる原因と対策にまとめてある。
ゆっくり解説の作り方【無料】|0円で終わる範囲と有料になる分岐点
「ゆっくり解説 作り方 無料」で調べる人が最初に知るべきなのは、費用が発生するのは制作時ではなく収益化時だという一点に尽きる。
| 要素 | 代表的な選択肢 | 制作だけなら | 収益化するときの条件 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 編集ソフト | ゆっくりMovieMaker4(YMM4) | 無料 | ソフト自体は追加費用なし | Windows専用。旧版のWindows・Mac・Linux・ChromeOS・iOS・Androidは非対応と公式に明記 |
| 立ち絵素材 | たぬき式ゆっくり、自作 ほか | 素材による(完全無料あり) | 配布者の規約+東方Projectのガイドラインの両方を満たす | 素材ごとに規約が別物。改変・再配布の可否が割れる |
| ゆっくりボイス | AquesTalk1/2/10 | 非営利の個人利用は無償 | 広告付き動画は営利目的にあたり使用ライセンスが必要 | 公式ストア表示は税込6,380円・1年(2026年9月時点) |
| 音声(代替) | VOICEVOX/AivisSpeech ほか | 無料 | エンジンと音声モデルごとの規約に従う | 「ゆっくりボイス」ではないため形式の印象が変わる |
| AI台本 | ChatGPT・Claude・Gemini 等 | 無料枠あり | 各サービスの利用規約に従う | 無料枠は長文で詰まりやすい。月20ドル前後の有料枠が現実的 |
| BGM・効果音・画像 | フリー素材サイト | 無料あり | ライセンス表記・帰属表示の条件を満たす | 著作権申し立ては素材由来が最も多い |
表の縦を眺めると、「試しに1本作って形式が自分に合うか確かめる」ところまでは本当に0円で到達できることがわかる。有料化を判断するのは、その1本を作り終えて続ける決心がついてからでいい。
AquesTalkの商用ライセンス:誰が、いつ買うのか
ゆっくり解説の独特な合成音声は、アクエスト社の音声合成エンジン AquesTalk によるものだ。同社の案内では、営利を目的としない個人は一定の条件のもとで無償利用できるとしたうえで、営利目的での使用には使用ライセンスが必要だとしている。そして「ゆっくりMovieMakerで実況動画を作成し、YouTubeに広告つきで公開する」ケースが、営利目的の例として明示されている(音声合成ライセンスについて)。
公式ストアの「使用ライセンス(商用コンテンツ向け)」の表示は、税込6,380円、有効期間はライセンス証の発行日から1年間、対象はAquesTalk1・AquesTalk2・AquesTalk10・AqKanji2Koeの全OS・全バージョン。期限を過ぎると新しいコンテンツの公開はできなくなるが、公開済みのものはそのまま公開を続けられる、と記載されている(使用ライセンス(商用コンテンツ向け))。YMM4の公式ページ側でも、AquesTalk1/2/10の営利目的での使用には当該ライブラリの使用ライセンスが必要になる旨が示されている。
購入の要否は、次のチェックリストで判断する。1つでも当てはまるなら、公開前に権利者へ確認するのが安全側だ。
- [ ] 動画に広告が表示される状態にする予定がある(YPP加入済み、または申請中)
- [ ] 動画内または概要欄で商品・サービス・アフィリエイトを案内する
- [ ] 企業案件・PR動画として制作する
- [ ] 法人・屋号としてチャンネルを運営している
- [ ] 制作を請け負って対価を受け取る
- [ ] メンバーシップ・スーパーサンクスなど広告以外の収益機能を使う
逆に、収益化の要件にまだ届いておらず、広告も案件もない完全な趣味段階であれば、非営利の個人利用の範囲に収まる可能性が高い。ただしこの線引きは規約文言と運用に依存するため、迷ったらアクエスト社に直接問い合わせるのが確実だ。まとめ記事の読み取りだけで「自分は大丈夫」と決めないほうがいい。YMM4本体のライセンスと収益化の関係はゆっくりムービーメーカーのライセンスと収益化で別途整理している。
無料の音声エンジンで代替する場合の比較
「年6,380円は払いたくない」という判断もありうる。その場合はゆっくりボイス以外の無料音声合成に置き換えることになる。YMM4はA.I.VOICE、VOICEVOX、CeVIO AI、Amazon Polly、Google Cloud Text-to-Speech、OpenAI Text-to-Speechなど30以上の音声合成エンジンに対応しているため、差し替え自体は難しくない。
| エンジン | 費用 | 商用利用 | クレジット表記 | 「ゆっくり」らしさ | 確認すべき規約 |
|---|---|---|---|---|---|
| AquesTalk1/2/10 | 非営利は無償/商用は税込6,380円・1年 | ライセンス購入で可 | 規約に従う | そのもの | アクエスト公式 |
| VOICEVOX | 無料 | 商用・非商用問わず利用可 | VOICEVOXを利用したとわかる表記が必要 | 別物(自然な音声寄り) | 本体規約+各音声ライブラリの規約 |
| AivisSpeech | 無料(LGPL-3.0) | 個人/法人/商用を問わず基本的にクレジット不要とされる | 基本不要とされるが要確認 | 別物(感情表現が豊か) | 本体規約+音声モデルごとのライセンス(ACML/ACML-NC/CC0/カスタム) |
| クラウドTTS(Amazon Polly・Google・OpenAI 等) | 従量課金 | 各社の規約による | 各社の規約による | 別物 | 各社の利用規約 |
注意点を1つ。音声を差し替えた時点で、それは厳密には「ゆっくり解説」ではなくなる。 視聴者が期待している音の記号性が失われるので、既存のゆっくり解説視聴層をそのまま取りに行く戦略とは噛み合わない。年6,380円を「形式の入場料」と見るか「不要なコスト」と見るかは、狙う視聴者層で決まる。VOICEVOXの商用利用まわりの細かい線引きはVOICEVOX商用利用youtubeのNG例、AivisSpeechの安全性と商用条件はAivisSpeechの安全性と商用利用を参照してほしい。エンジンを横並びで比べるなら無料音声合成ソフト比較2026が早い。
ここまでの手順、1本ぶんまるごと自動でやりますShorty はテーマを入力するだけで、台本・AI音声・字幕・BGMを揃えた雑学ショート動画を生成します。無料プランは30日5本まで。無料で作ってみるゆっくり解説の作り方【PC編】|Windows環境の準備と9ステップ
「ゆっくり解説 作り方 pc」で調べる人の関心は、たいてい「どのPCなら作れるのか」に集約される。結論はシンプルで、YMM4を使うならWindows 10以降のPCが必要だ。公式配布ページには、Windows 8.1以前・Mac・Linux・ChromeOS・iOS・Androidでは動作しない旨が明記されている。
Macしか持っていない場合はParallelsなどの仮想化環境でWindowsを動かす回避策があるが、初心者が最初にやる作業としては重い。具体的な手順と代替ソフトはゆっくり解説のMacでの作り方にまとめてある。タブレットしかない場合はiPadでゆっくり解説を作る方法を先に読んで、どこまで再現できるかを見極めたほうが早い。
PCスペックの目安
| 用途 | CPU | メモリ | ストレージ空き | 体感 |
|---|---|---|---|---|
| ショート(〜60秒)中心 | 直近5年程度のもの | 8GB | 20GB | 作れる。プレビューは時々詰まる |
| 10分前後の解説 | 直近5年程度のもの | 16GB | 50GB | 快適ライン。立ち絵の差分とエフェクトを重ねても耐える |
| 15分以上+エフェクト多用 | 上位帯 | 32GB | 100GB | 書き出し時間が実時間の0.5〜1.5倍に収まりやすい |
メモリ8GBでも作れることは作れる。ただし立ち絵の差分とエフェクトを重ねるほどプレビューが重くなり、編集の心理的コストが上がる。副業として続くかどうかは「編集が苦にならないか」で決まるので、ここは軽視しないほうがいい。
素材集めから書き出しまでの9ステップ
初回は素材集めと設定で3〜5時間、慣れれば10分尺で3〜4時間、ショートなら1本1時間前後が現実的な目安だ。
- 環境を確認する:Windows 10以降であること、空きストレージが十分にあることを確認する。素材と書き出しファイルは想像以上に容量を食う。
- YMM4を入手する:公式配布元からダウンロードし、zipを解凍して実行ファイルを起動する。インストーラ形式ではないため、解凍先はクラウド同期フォルダを避け、ローカルの浅い階層に置く。同期フォルダに置くと書き出し中にファイルがロックされて失敗することがある。
- 音声エンジンを設定する:ゆっくりボイスで行くならAquesTalkの話者と速度を決める。無料TTSに寄せるならVOICEVOXやAivisSpeechを別途インストールして連携させる。ここで声のキャラ設定を先に固定しておくと、後から全動画を作り直す事故が防げる。
- 立ち絵を登録する:規約を確認した素材をダウンロードし、キャラクター設定から立ち絵として登録する。YMM4の動く立ち絵形式に対応した素材なら、まばたきと口パクがすぐ動く。動かない場合の切り分けはYMM4で立ち絵が口パクしない5大原因が参考になる。
- AIで台本の初稿を作り、検品する:前章の雛形でタブ区切り出力を得て、【要出典】を埋め、8項目のチェックリストを通す。
- セリフを流し込み、字幕スタイルを整える:フォント、縁取り、色をキャラごとに変える。ここを1回作り込んでテンプレート保存しておけば、2本目以降の作業が激減する。
- 背景・BGM・効果音を配置する:解説の切り替わりで背景を変えると、視聴者が章の区切りを認識できる。BGMは声を潰さない音量に下げる。
- 演出を足す:表情差分の切り替え、驚いたときのズーム、結論部分のテロップ強調。全部やる必要はないが、「表情差分の切り替え」だけは費用対効果が高い。
- 書き出す:フルHD・30fpsで出力し、尺と音ズレを最終確認する。長尺なら書き出しに実時間の0.5〜1.5倍かかることがあるので、公開予定日から逆算する。
ステップ5を3〜4の後ろに置いているのには理由がある。声と立ち絵を先に決めておくと、台本を書く段階で「この声でこのセリフは長すぎる」と気づける。台本を全部書いてから音声を当てると、尺のズレが全面書き直しに直結する。
霊夢と魔理沙でゆっくり解説を作るときのライセンス|二重に効くルール
「霊夢と魔理沙 ゆっくり解説 作り方」で調べる人が最初につまずくのがここだ。立ち絵素材の規約さえ守ればいいと思われがちだが、実際は二重のルールを同時に満たす必要がある。
ルール1:原作である東方Projectのガイドライン
博麗霊夢も霧雨魔理沙も、上海アリス幻樂団の東方Projectのキャラクターである。同サークルは個人によるファン活動としての二次創作を常識の範囲で許可しており、動画配信についても個人が自由に配信することを認めている。収益化については、YouTubeなど動画共有サイトの公式な収益システムを用いた収益化は許可される旨が示されている(東方Projectの二次創作ガイドライン、動画配信サービスへの投稿に関するガイドライン)。
ただし条件が3つある。
- 配信内容が配信者の創作性のあるものであること
- 配信内容に第三者が有する知的財産が含まれる場合、別途その所有者からの許諾が必要であること
- ガイドラインに該当しない活動を行う法人は個別に問い合わせが必要であること
②が地味に効く。ゆっくり解説では立ち絵・BGM・効果音・画像素材と、他人の知的財産を大量に組み合わせる。それぞれに許諾または利用許可の根拠が要る、という構造になっている。
ルール2:立ち絵素材の配布者ごとの規約
ここは配布者ごとにまったく別物だ。「東方が二次創作OKだから立ち絵も自由」という推論は成り立たない。
| 素材系統 | 商用利用・収益化 | 改変 | クレジット | 規約の安定性 | 確認先 |
|---|---|---|---|---|---|
| たぬき式ゆっくり | 収益化動画・商用利用での使用が明示的に可 | 改変・再配布・再編集が広く許容 | 不要(表記する場合の推奨形式あり) | 規約が単純で読みやすい | 公式配布ページ |
| きつね式ゆっくり(きつねゆっくり) | 条件付き。明記のない用途は事前確認が求められる方向 | 改変不可とされる系統の報告がある | 規約に従う | 2025年12月に「2026年中の配布・利用停止の可能性」が本人から言及され騒動になった経緯がある | 作者本人の最新告知(Ci-en/X等) |
| 自作イラスト・自分で描いた立ち絵 | 素材側の制約はない | 自由 | 不要 | 配布者リスクはゼロ。ただし東方のガイドラインは適用される | 東方Projectのガイドライン |
| 画像生成AIで作った「ゆっくり風」立ち絵 | 生成ツールの規約+原作ガイドラインの両方 | ツール規約による | ツール規約による | 判断が難しい領域。公開情報だけでは安全と断定できない | 各生成ツールの利用規約 |
| オリジナルキャラ(東方由来でない) | 自分の権利 | 自由 | 不要 | 最も安定。ただし「ゆっくり解説」とは呼べなくなる | なし |
たぬき式については、配布ページで収益化動画・商用利用での使用、素材の改変・再配布・再編集が許容され、クレジット表記も不要とされている。一方で「たぬき霊夢」「たぬき魔理沙」など東方由来のキャラクターについては東方Projectのガイドラインに従う必要がある旨も案内されている。つまり素材の規約が緩いことと、原作の枠が外れることは別の話だ。
きつね式については慎重に扱ってほしい。長年ゆっくり動画の定番だったが、2025年12月に作者が素材の配布・利用停止の可能性に言及し、制作者コミュニティで大きな不安が広がった。その後の最終的な運用方針・現行規約の確定内容については、筆者が公開情報を追った範囲では確認できなかった。きつね式を使うなら、必ず作者本人の最新の告知と利用規約を一次情報として確認すること。本記事を含む第三者のまとめを根拠に判断してはいけない領域である。
どの素材がどういう条件で配布されているかの横断的な一覧はゆっくり実況の立ち絵素材を無料入手にまとめてある。霊夢と魔理沙の2人構成で1本作る具体的な流れは霊夢と魔理沙のゆっくり解説動画の作り方のほうが手順に踏み込んでいる。
素材ライセンスを踏み外したときに何が起きるか
素材の規約違反やBGMの著作権申し立ては、動画単位の収益停止では済まないことがある。Content IDによる申し立てなら収益の付け替えで終わることが多いが、権利者による削除要請に発展すると違反警告(ストライク)が積み上がり、3回でチャンネル削除に至る。事前警告と違反警告の違い、いま自分のチャンネルにどれが付いているかの確認手順はYouTube違反警告の種類と確認方法で整理している。ゆっくり形式は素材点数が多いぶん、この経路のリスクを構造的に多く抱えている。
独自視点:本当のコストは編集時間ではない
ゆっくり解説で最も重いコストは編集時間ではなく、他人の規約変更ひとつで過去の在庫が丸ごと使えなくなる構造的な不安定さである。
1本作るときには意識しなくていい。だが50本、100本と積み上げたあとで素材の配布方針が変わると、影響は在庫全体に同時に及ぶ。実際、きつね式をめぐる2025年末の一件では、多くの制作者が「立ち絵を作り直す必要があるのか」という問題に直面した。差し替えが必要になったとき、動画1本あたり30分の作業でも100本なら50時間である。
副業として数年単位で回すつもりなら、素材選びは「かわいいか」ではなく「規約が単純で、書き換わりにくいか」で選ぶべきだ。運用ルールは3つに集約できる。
- 規約は使い始めた日にスクリーンショットで保存する:後から「当時はどうだったか」を証明できる形にしておく。
- 素材系統を1本に依存させない:立ち絵は差し替え可能な構成にし、プロジェクトファイルのテンプレートを素材非依存で作る。
- 事業規模になりそうなら早めに自作立ち絵かオリジナルキャラへ移行する:法人化する場合は東方側も音声側も個別確認が必要になるため、早いほど移行コストが安い。
YouTubeでゆっくり解説を公開するまで|投稿設定とAI開示の扱い
「youtube ゆっくり解説 作り方」で調べる人の多くは、編集ではなく投稿まわりでつまずいている。書き出したあとにやることを順に並べる。
- タイトルを決める:検索される語を先頭に置く。ゆっくり解説は「〇〇を解説」より「〇〇はなぜ△△なのか」のほうがクリックされやすい。疑問形は続きが気になる構造になっているためだ。
- サムネイルを作る:立ち絵を入れるかどうかは戦略次第。ゆっくり視聴層に届けたいなら入れる、一般層まで広げたいなら人物より「数字+対比」を主役にする。
- 概要欄を整える:素材のクレジット表記が必要な場合はここに書く。VOICEVOXのようにクレジット表記が必要なエンジンを使ったなら、忘れると規約違反になる。
- AI開示の要否を判断する:YouTubeは、現実的に見える人物・場所・出来事を合成・改変した場合に開示を求めている。合成音声によるナレーション全般が一律に開示対象になるわけではない。判断の境界はAI音声の使用表示は必要かとAI生成の表示義務2026で30ケースに分けて整理した。
- 公開設定を選ぶ:最初の数本は限定公開で音量とテンポを確認してから公開に切り替える運用でもいい。ただし限定公開のままだと収益化要件の再生時間にカウントされない点は押さえておく。
- 公開後48時間の数字を見る:インプレッションのクリック率と平均視聴時間の2つだけ見る。クリック率が低ければサムネとタイトル、平均視聴時間が短ければ冒頭15秒を直す。
公開前チェックリスト
投稿ボタンを押す前に、この12項目を通す。素材とAIの両方を含む形にしてある。
- [ ] 立ち絵素材の規約を読み、収益化可否と改変可否を確認した
- [ ] 東方Projectのガイドラインの範囲内であることを確認した
- [ ] 収益化するならAquesTalkのライセンス要否を確認した
- [ ] BGM・効果音・画像素材のライセンスと帰属表示を満たした
- [ ] 必要なクレジット表記を概要欄に入れた
- [ ] AI台本の【要出典】をすべて一次情報で埋めた
- [ ] 数値・年号・固有名詞を一次情報で照合した
- [ ] 自分の視点・検証・実体験が最低1箇所入っている
- [ ] 音量バランスを確認した(BGMが声を潰していないか)
- [ ] 冒頭15秒で「何の話か」と「なぜ見る価値があるか」を提示できている
- [ ] サムネイルとタイトルが動画の中身と一致している(釣りになっていない)
- [ ] AI開示の要否を判断し、必要なら設定した
AI音声・AI画像はゆっくり解説にどこまで使えるか
「AIで作る」と言うとき、台本の次に話題になるのが音声と画像だ。それぞれ使える範囲と、使うと形式が壊れる範囲がある。
音声:置き換えると形式の記号性が消える
YMM4は30以上の音声合成エンジンに対応しているので、技術的にはゆっくりボイスをAI音声に置き換えられる。実際、AivisSpeechのように感情表現の幅が広いエンジンを使えば、読み上げの自然さは明確に上がる。
ただしこれはトレードオフだ。ゆっくり解説の視聴者は、あの機械的な声を含めて「ゆっくり解説」として認識している。自然な音声に差し替えると、聞きやすくはなるがそのチャンネルがゆっくり解説である理由が薄くなる。立ち絵だけ残して声が自然なAIボイスという構成は、どちらの層にも刺さりにくい中間地帯に落ちやすい。
判断の目安はこうだ。ゆっくり視聴層を取りに行くならAquesTalkのライセンスを買って形式を守る。テーマで勝負して視聴層を広げたいなら、立ち絵ごと外してAI音声+図解に振り切る。中途半端に混ぜるのが一番弱い。
画像:背景と挿絵は使える、図解と立ち絵は要注意
AI画像生成の使いどころは3つに分けて考える。
| 用途 | 実用度 | 注意点 |
|---|---|---|
| 背景・雰囲気カット | 高い | 使いやすい。ただし解像度とアスペクト比を動画に合わせる。人物が写り込むと不自然さが目立つ |
| 挿絵(概念の比喩) | 中 | 内容と関係ない画像を並べると「量産型」の特徴に近づく。文脈に沿った画像だけ使う |
| 図解・グラフ・年表 | 低い | AIは数値やラベルを平気で壊す。事実を含む図はAIに描かせず自分で作る |
| ゆっくり立ち絵そのもの | 判断が難しい | 生成ツールの規約と原作ガイドラインの両方に関わる。公開情報だけで安全と断定できない |
4行目は特に慎重に扱ってほしい。画像生成AIで「ゆっくり風」の立ち絵を作る行為が、東方Projectのガイドラインおよび各素材配布者の規約のもとでどう評価されるのかについて、明確な公式見解は公開情報では確認できなかった。既存の配布素材を学習素材として使う場合はさらに論点が増える。実際、たぬき式の配布ページにはイラスト制作に生成AIを使用していない旨の記載があるが、素材のAI学習利用の可否については規約に明記がない。自作するか、規約が明確な配布素材を使うほうが判断が単純になる。
音声の読み間違いは辞書で潰す
AI音声でもゆっくりボイスでも、共通してつまずくのが読み間違いだ。人名、専門用語、単位、年号の読み上げがおかしくなる。対策は毎回同じで、辞書登録である。チャンネルのテーマが決まっていれば、頻出する用語は20〜30語に収束するので、最初の5本を作る過程で辞書を整備しておくと以降が楽になる。読み上げ結果は必ず一度通しで聴く。字幕は正しいのに音声だけ間違っている状態は、視聴者からはかなり目立つ。
ゆっくり形式を選ばない選択肢|AI音声+画像構成との比較
ここまで読んで「ライセンスの確認が思ったより多い」と感じたなら、その感覚は正しい。ゆっくり解説は形式の完成度が高いぶん、他人の権利を4層借りている形式でもある。副業として設計するなら、借りない形式との比較を一度はやっておく価値がある。
| 形式 | 初期費用 | 権利の複雑さ | 1本の制作時間(慣れた後) | AIで削れる割合 | 向く題材 |
|---|---|---|---|---|---|
| ゆっくり解説(立ち絵+ゆっくりボイス) | 0円(収益化時に年6,380円程度) | 高(原作+素材+音声+BGMの4層) | 長尺3〜4時間 | 3〜4割 | 歴史・雑学・都市伝説・ゲーム |
| AI音声+スライド解説 | 0円〜 | 低〜中(音声規約+素材規約) | 長尺2〜3時間 | 4〜5割 | ビジネス・技術・手順解説 |
| AI音声+画像/ストック映像のショート | 0円〜 | 低〜中 | 1本30〜60分 | 5〜6割 | 雑学・豆知識・ランキング |
| オリジナルキャラ+AI音声 | イラスト制作費 | 低(自前の権利) | 長尺3〜4時間 | 3〜4割 | 継続前提のチャンネル |
筆者が運営しているチャンネルの実数値を出しておく。雑学ショート系は登録者1,120人・総再生281万回・投稿60本、睡眠系は登録者121人・総再生12.5万回・投稿110本である。投稿本数が倍近い睡眠系のほうが数字が小さい。伸びを決めているのは形式でも本数でもなく、題材と尺の設計だったというのが手元のデータから読み取れることだ。この2チャンネルはどちらもゆっくり形式ではなく、AI音声+画像構成で運用している。
筆者がゆっくり形式を採らなかったのは品質を疑ったからではなく、規約が一度変われば過去の在庫が同時に価値を失う「集中リスク」を取りたくなかったからだ。 損得ではなく設計思想の問題なので、受け入れられるなら形式の強さは本物であり、迷わず進めばいい。
スライド中心の代替構成の手順はスライド解説動画の作り方、台本からTTS・編集までを自動化する流れは雑学ショート自動生成のやり方にまとめてある。
ツール面では、Windows PCを前提としないブラウザ完結型の生成ツールも選択肢になる。そのうちの一つが、当サイトが開発・運営しているShortyだ。テーマを入れると雑学系のショート動画を生成する仕組みで、立ち絵素材や音声エンジンのライセンス管理を自分で抱えたくない場合の入口になりうる。ただし無料プランには明確な制約がある。1本30秒まで、30日で5本まで、生成した動画の保存は7日間、形式はショートのみだ。長尺のゆっくり解説を作りたい人の代わりにはならないし、ゆっくり形式そのものを再現するものでもない。YMM4での制作が向く人はYMM4を使えばよく、ここでは「ライセンス管理の負担を減らしたい場合の選択肢の一つ」として挙げているにすぎない。
よくある質問
ゆっくり解説の台本はAIに全部書かせてよいのか?
書かせてよいが、事実と数値だけは書かせないほうがいい。構成・掛け合い・字幕整形はAIに任せ、数値や年号は【要出典】のプレースホルダにさせて自分で埋める運用が安全かつ速い。
この分離運用の利点は、検品の対象が明示的に絞られることにある。全文を疑うのは現実的に無理だが、10箇所のプレースホルダを調べるのは30分で終わる。AIが自然な文体で誤情報を書くリスクは、解説系では最も高くつく失敗なので、ここだけは工程として固定しておきたい。
AI台本を使うと収益化できなくなるのか?
ならない。2025年7月15日の改定で明確化されたのは「量産型のコンテンツ」であって、AIの使用そのものではない。判定されているのは視聴者にとっての付加価値が残っているかどうかだ。
危ないのは、Web記事1本をAIに要約させて掛け合いに変換しただけの動画、同一テンプレートに単語だけ差し替えた量産、独自の検証・視点が1つもない動画である。一次情報に当たり、自分の視点を1箇所入れていれば、AIを使っていてもこの中心にはいない。判定基準の詳細はinauthentic contentとは?YouTube新基準を参照。
ゆっくり解説は本当に無料で作れるのか?
作るだけなら無料で完結する。YMM4も無料、商用利用可の立ち絵素材もある。ただし収益化するとAquesTalkの使用ライセンス(公式ストア表示で税込6,380円・1年、2026年9月時点)が必要になる。
「無料」の境界は制作と収益化の間にある。趣味として非営利で作り続ける限りは0円で回せるが、広告収入を受け取る段階に進むなら音声ライセンスの費用が発生する。加えて、Windows PCを持っていない場合はハード費用が実質的な初期投資になる点も見落とされやすい。
PCがなくてもゆっくり解説は作れるか?
YMM4はWindows専用でMac・iOS・Androidでは動作しないため、本格的なゆっくり解説をスマホやタブレットだけで作るのは現実的ではない。
スマホの動画編集アプリで立ち絵画像と読み上げ音声を組み合わせて「ゆっくり風」に見せることは技術的には可能だが、口パク・まばたき・表情差分といった特有の表現が再現しづらく、作業効率も落ちる。Mac環境での回避策はゆっくり解説のMacでの作り方、タブレットでどこまでできるかはiPadでゆっくり解説を作る方法で個別に扱っている。
霊夢と魔理沙を使って収益化してよいのか?
東方Projectのガイドラインでは、YouTubeなど動画共有サイトの公式な収益システムを用いた収益化が許可される旨が示されている。ただし配信者の創作性があることが条件で、法人は個別問い合わせが必要とされている。
これは原作側の話であり、立ち絵素材の配布者の規約と音声エンジンのライセンスは別途クリアする必要がある。二重構造を忘れないこと。ガイドラインは改定されうるので、公開前に公式のガイドラインを自分の目で確認してほしい。
立ち絵素材はどれを選べば判断が楽か?
規約が単純で、商用利用・改変・再配布の可否が明文化されているものを選ぶのが楽だ。たぬき式ゆっくりは収益化動画・商用利用での使用が明示され、改変・再配布・再編集も許容、クレジット表記も不要とされている。
ただし素材の規約が緩くても、東方由来のキャラクターである以上、原作側のガイドラインには従う必要がある。長期運用を考えるなら、いずれ自作立ち絵やオリジナルキャラへ移行する道も検討に値する。配布元の横断比較はゆっくり実況の立ち絵素材を無料入手にある。
きつね式が使えなくなるという話は本当か?
2025年12月に作者が素材の配布・利用停止の可能性に言及し、制作者の間で不安が広がったのは事実だ。ただしその後の最終的な運用方針と現行規約の確定内容は、公開情報を追った範囲では確認できなかった。
現時点で言えるのは、明記されていない用途については作者への事前確認が求められる方向にある、という点までである。きつね式を使うなら作者本人の最新告知と利用規約を必ず一次情報として確認すること。他人のまとめ記事(本記事を含む)を根拠に判断してはいけない領域だ。
AI画像で作ったゆっくりの立ち絵は使ってよいのか?
公開情報では明確に確認できない。画像生成AIで「ゆっくり風」の立ち絵を作る行為について、東方Projectのガイドラインと各素材配布者の規約のもとでの明確な公式見解は見つけられなかった。
わかっているのは、生成ツールの利用規約と原作ガイドラインの両方が関わるという構造だけだ。既存配布素材を学習に使う場合はさらに論点が増える。判断を単純にしたいなら、自分で描くか、規約が明文化された配布素材を使うほうが早い。
AI音声に置き換えればライセンス費用は不要になるか?
AquesTalkのライセンス費用は不要になる。ただしVOICEVOXはクレジット表記が必要、AivisSpeechは音声モデルごとにライセンスが分かれるなど、別の確認事項が発生する。「無料=無条件」ではない。
そして形式面の副作用がある。あの機械的な声を含めて「ゆっくり解説」と認識されているため、音声を差し替えると既存のゆっくり視聴層には届きにくくなる。コストだけで決めず、誰に届けたいかで判断したほうがいい。
AIを使うと制作時間はどれくらい短縮できるか?
10分尺で体感2割強、編集テンプレートまで作り込んで3〜4割が現実的なところだ。「1本30分」といった数字は、事実確認の工程を省いた場合のものだと考えたほうがいい。
台本を書く時間は確かに減るが、代わりにAI出力の検品という工程が増える。短縮幅を伸ばしたいなら、台本より先に編集側のテンプレート(字幕スタイル、立ち絵配置、章の切り替え演出)を固定するほうが効く。ここは一度作れば全動画に効く固定資産になる。
ゆっくり解説はいまから始めても遅いか?
形式としては成熟しており競合は多いが、題材の切り口とリサーチの深さで差をつける余地は残っている。飽和しているのは「形式」であって「題材」ではない。
ただし、いまから参入するなら「ゆっくり形式である必然性」を言語化しておいたほうがいい。掛け合いによって難しい話が噛み砕かれるという価値があるなら形式は効く。単に顔出ししたくないだけなら、権利構造がシンプルな形式のほうが運用は軽い。
まとめ
ゆっくり解説をAIで作る話を整理すると、押さえるべき事実は5つに絞られる。
- AIに任せられるのは台本の初稿・構成・字幕整形・候補出しまで。事実確認、演出の間、権利判断は任せられない。
- 台本プロンプトには「役割・口調サンプル・4拍構成・40字制約・禁止事項・出力形式・数値は【要出典】にする」の7要素を必ず入れる。数値を書かせないことで捏造がそもそも発生しなくなる。
- 制作は0円で完結するが、収益化した瞬間にAquesTalkの使用ライセンス(税込6,380円・1年、2026年9月時点)が必要になる。
- YMM4はWindows専用で、Mac・Linux・ChromeOS・iOS・Androidでは動作しないと公式に明記されている。
- 霊夢と魔理沙を使う以上、東方Projectのガイドラインと立ち絵配布者の規約という二重のルールを同時に満たす必要がある。
そのうえで本記事の独自の主張を2つ繰り返しておく。1つは、AI台本の実害は収益化ポリシーより先に平均視聴時間として現れるということ。情報密度が均一な台本は、規約で止められる前に見られなくなる。もう1つは、ゆっくり解説の本当のコストは編集時間ではなく、他人の規約の上に在庫を積む構造的な不安定さだということ。1本目では見えないが、100本目で効いてくる。
最後に、次にやる順番を置いておく。
- まず1本を非営利で作り、形式が自分に合うか確かめる。台本はこの記事のプロンプト雛形をそのまま使えばいい。
- 立ち絵素材は規約が単純なものを選び、使い始めた日に規約をスクリーンショットで保存する。
- 収益化を目指す段階に入る前に、素材規約とAquesTalkのライセンス要否を一次情報で確認する。
- 素材由来の申し立てや違反警告への備えとして、YouTube違反警告の種類と確認方法で自分のチャンネルの状態を確認できるようにしておく。
- 権利管理が重いと感じたら、スライド解説動画の作り方で代替形式を検討し、ポートフォリオを1形式に依存させない設計にする。