「アフィリエイト PR表記」で検索する人の多くは、「PRと書けば安全」という程度の理解で止まっています。しかし実際の規制(通称ステマ規制)が問うのは表記の有無だけでなく、報酬が発生する関係があるかどうかと一般消費者が広告だと判別できる書き方になっているかの2点です。結論から言うと、報酬が発生するリンクを1本でも含む記事・動画・SNS投稿は原則PR表記が必要で、記事を開いた直後に見える位置に、読者に伝わる言葉で書く必要があります。この記事では、2023年10月1日に施行された景品表示法のステマ規制の原文、PR表記の具体的な書き方、YouTubeの「有料プロモーション」設定の手順まで、取得日つきで整理します。
ステマ規制(景品表示法)とは何か
結論として、ステマ規制は景品表示法第5条第3号に基づく内閣府告示第19号(2023年3月28日公表・2023年10月1日施行)で、正式名称は「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」です。新しい法律ができたわけではなく、既存の景品表示法が規制する「不当表示」の一種として、ステルスマーケティングが新たに指定されました。
規制の対象になるのは、次の2要件を両方満たす表示です。
- 事業者の表示であること:広告主や、報酬を得て紹介する側(アフィリエイターを含む)が、内容に関与した表示であること
- 一般消費者が事業者の表示であると判別することが困難であること:広告だと分からない書き方・見せ方になっていること
運用基準では、この2要件それぞれについて解釈の指針と具体例が示されています。重要なのは、商品を無料で提供されただけ、あるいは紹介を依頼されただけでは直ちに規制対象にはならないという点です。判断の核心は「事業者が表示内容の作成に関与したかどうか」にあります。違反が認定された場合、消費者庁から再発防止策の構築などを求める措置命令が出され、事業者名とともに公表されます。
アフィリエイトでPR表記が必要になる具体的なケース
結論として、次のいずれかに当たる場合は、原則としてPR表記が必要になります。
- 報酬が発生するリンクを1つでも含む記事(クリックや購入で収益が発生するASPリンク・アフィリエイトリンク)
- 商品・サービスの無償提供や割引(クーポン利用含む)を受けて書いた記事
- ブログ以外(SNS・note・YouTube・ショート動画の概要欄)での紹介
報酬額の大小は判断基準にならず、「報酬が発生する仕組みがあるかどうか」で判定されます。少額の成果報酬しか発生していないアフィリエイトブログであっても、仕組みとして報酬が発生する以上は対象になり得ます。
個人の副業でも対象になるのか
ここは誤解が多い部分です。消費者庁の資料では、規制の主な対象は「事業者(広告主)」であり、依頼を受けて投稿するインフルエンサー本人は原則として対象に含まれない、という整理が紹介されることがあります。一方で、継続的にアフィリエイトを行っている個人は、その活動自体について「表示を行う事業者」と見なされ得るという指摘もあります。つまり、
- 広告主から依頼されて紹介する場合(企業案件):主な責任は依頼した広告主側にあるが、表示内容への関与度によって個人も対象になり得る
- 自分でASPに登録し、自分の判断で記事やショート動画の概要欄にアフィリエイトリンクを貼る場合:その表示を行っている本人が事業者としての立場に当たり得る
どちらのケースでも「個人の副業だから対象外」と決めつけるのは危険です。法的な線引きに迷う場合は、消費者庁の公表資料や弁護士・行政書士への相談を検討してください。本記事は一般的な情報整理であり、個別の法的判断の代わりにはなりません。
PR表記の正しい書き方・設置場所
結論として、PR表記は「報酬を受けて紹介している」ことが、読者が広告だと気づける言葉で、開いた直後に見える位置に書かれていることが基準です。
具体的な表記の例:
- 「本記事はPRを含みます」
- 「本記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます」
- 「当サイトはアフィリエイトプログラムにより収益を得ています」
「PR」の2文字だけでも表記として機能しますが、初めて訪れた読者にも伝わるよう「広告」「アフィリエイト」といった言葉を添える方が親切です。また、文字色を背景に近づけたり極端に小さくしたりして事実上読めない状態にすると、表記していないのと同じ扱いになるおそれがあります。
| メディア | 望ましい設置場所 | 避けたい例 |
|---|---|---|
| ブログ・記事 | タイトル直下・リード文の前後(スクロールなしで見える位置) | 記事末尾だけ、トップページやフッターへの一度の記載のみ |
| YouTube・ショート動画 | 概要欄の冒頭+動画内のテロップ | 概要欄の最下部のみ、テロップなし |
| SNS(X・Instagram等) | 投稿本文の冒頭付近 | ハッシュタグの末尾に埋める、長文の末尾だけ |
ショート動画の概要欄であれば、「【PR】」「広告を含みます」のように冒頭1行目に置くのがもっとも誤解されにくい書き方です。動画自体が短いため、概要欄だけでなく動画内のテロップにも同様の表記を入れておくと、視聴者が動画を見ている間に気づける可能性が高まります。
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YouTubeには、ステマ規制とは別に、プラットフォーム独自の「有料プロモーション」の開示設定があります。YouTubeヘルプの原文に基づく手順は次のとおりです。
- パソコンでYouTube Studioにログインする
- 左側のメニューで「コンテンツ」を選択する
- 編集する動画をクリックする
- 「その他のオプション」を選択する
- 「私の動画には、プロダクト プレースメント、スポンサーシップ、おすすめ情報などの有料プロモーションが含まれています」の横にあるチェックボックスをオンにする
- 「保存」を選択する
この設定を行うと、動画の冒頭10秒間に開示メッセージが自動表示されます。対象になるのは「有料プロダクト プレースメント」(対価を得て作られ、ブランドや商品が内容に直接含まれるもの)、「おすすめ情報」(広告主のために作られ、クリエイター自身の意見と誤解されかねないもの)、「スポンサーシップ」(資金の一部・全部が第三者から出ているもの)の3種類です。この設定はYouTube独自のルールであり、設定したからといって景品表示法上のPR表記の義務が免除されるわけではない点に注意してください。両方を満たす必要があります。
「稼げる」「月◯万円」も景表法の論点になる
ステマ規制とは別の論点ですが、同じ景品表示法には「優良誤認表示」「有利誤認表示」という規制もあります。実際の収益実態より著しく良く見せる表現(「誰でも月30万円」「完全放置で稼げる」など)は、この規制に触れる可能性があります。これは副業系の記事・動画に限らず、当サイト(Shorty)自身の記事を書く際にも適用しているルールで、本記事を含む当サイトの副業系コンテンツでは「稼げる」「月◯万円」「誰でも」「完全放置」といった表現を使わず、確認できた実数や相場の情報だけを示す方針にしています。
違反した場合のリスク
- 法律上のリスク:景品表示法違反として消費者庁の措置命令の対象になり得ます。措置命令に従わない場合は、刑事罰(懲役・罰金)の対象になる可能性もあります。ただし、個人の副業レベルでいきなり措置命令が出される例が多いわけではありません。
- ASP(アフィリエイト提供元)からのリスク:法律上の措置より先に、PR表記の不備を理由にASPからアカウント利用停止などの措置を受けるケースがあります。ASPの規約を守ることと法律上の義務を満たすことは別物で、両方を満たす必要があります。
独自視点:見落とされがちな2点
1. 「PRと書けば何でも免責される」わけではない。PR表記はステマ規制(表示の判別可能性)をクリアするためのものであり、優良誤認・有利誤認(収益の誇大表現)とは別の論点です。PR表記をしたうえで「絶対稼げる」と書けば、今度は優良誤認表示の問題が残ります。
2. YouTube・ショート動画は「概要欄に書いたから終わり」にしがちだが、動画自体がスクロールなしで最後まで見られる媒体であることを踏まえると、動画内のテロップでの表記もあわせて検討した方が安全です。特にショート動画は視聴者が概要欄を開かずに最後まで見終わるケースが多く、概要欄だけの表記では「一般消費者が判別しにくい表示」のリスクが残る可能性があります。
よくある質問
アフィリエイトリンクが1本だけの記事でもPR表記は必要ですか?
必要です。報酬額の大小ではなく、報酬が発生する仕組みがあるかどうかで判断されるため、リンクが1本でも原則PR表記が必要になります。
「PR」の2文字だけの表記で十分ですか?
表記としては機能しますが、初めて訪れた読者にも伝わるよう「広告」「アフィリエイト」といった言葉を添えることが望ましいとされています。極端に小さい文字や背景に近い色で事実上読めなくすると、表記していないのと同じ扱いになるおそれがあります。
記事の末尾にPR表記を書けば問題ありませんか?
望ましくありません。記事を開いた直後、スクロールしなくても見える位置(タイトル直下やリード文の前後)に置くことが基準とされています。末尾だけの記載は「一般消費者が判別しにくい」と判断されるリスクがあります。
YouTubeの「有料プロモーション」設定をすればPR表記は不要になりますか?
いいえ。YouTubeの有料プロモーション設定はプラットフォーム独自のルールで、景品表示法上のPR表記義務とは別の仕組みです。両方を満たす必要があります。
個人が自分の判断でアフィリエイトを始めた場合も規制対象になりますか?
継続的にアフィリエイトを行っている個人は、その表示について事業者としての立場に当たり得るという指摘があります。「個人だから対象外」と決めつけず、不安がある場合は消費者庁の公表資料や専門家に確認してください。
PR表記を忘れた場合、すぐに罰則がありますか?
法律上は措置命令、従わない場合は刑事罰の対象になり得ますが、個人の副業レベルでいきなり措置命令が出る例は多くありません。一方でASPから利用停止などの措置を受けるリスクはより現実的です。
ショート動画の概要欄にPR表記を書けば、動画内には不要ですか?
義務の有無は個別の事情によりますが、ショート動画は視聴者が概要欄を開かずに視聴を終えるケースが多いため、動画内のテロップにも同様の表記を入れておく方が「判別可能性」の観点で安全です。
「稼げる」と書かなければPR表記も不要になりますか?
いいえ、両者は別の規制です。PR表記はステマ規制(表示が広告だと分かるか)、「稼げる」の表現は優良誤認・有利誤認表示(収益の誇大表現)の論点で、それぞれ独立して適用されます。
まとめ
アフィリエイトのPR表記は、報酬が発生するリンクを1本でも含む記事・動画・SNS投稿であれば原則必要です。書き方は「広告」「アフィリエイト」などの言葉を添え、記事やYouTube概要欄を開いた直後に見える位置に置くことが基準になります。YouTubeの「有料プロモーション」設定は別の仕組みで、景品表示法上のPR表記義務を代替しません。また、PR表記をしていても「稼げる」「月◯万円」といった誇大な収益表現は別の規制(優良誤認・有利誤認表示)に触れる可能性があるため、当サイトの副業系コンテンツでも使わない方針にしています。
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